RPAでできること・できないことを徹底解説!業務自動化のメリットと実際の活用事例

                                                                                                                                                                                          2025.4.10‐
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RPAは、ルールに基づいた業務基づいた業務を自動化し、業務効率の向上やコスト削減に貢献する技術です。単純なデータ入力や定型作業をRPAに任せることで、人はより創造的な業務に集中できるようになります。

しかし、すべての業務を自動化できるわけではなく、RPAに向かない作業もあります。
本記事では、RPAの導入によってできること・できないことを実際の活用事例を交えて詳しく解説いたします。RPAの基本から業務自動化のメリットもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


目次

 

 

RPAとは

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RPAとは、ソフトウェアロボットを活用して、定型的な業務を自動化する技術です。主にデータ入力や帳票作成、システム間のデータ転記など、ルールに従って繰り返し行う作業を効率化できます。

AIのように判断を行うわけではなく、決められた手順を正確に実行するのが特徴です。RPAを活用することで、業務の負担を軽減し、ミスを削減できるため、企業のバックオフィス業務を中心に幅広く活用されています。

 

RPAとAIやマクロの違い


 RPAとAI、マクロは、それぞれ業務を効率化するための技術ですが、目的や機能が異なります。RPAは、定型業務を自動化するツールで、事前に設定されたルールに従って作業を実行するものです。

AIは機械学習や自然言語処理を用いて自ら判断し、データ分析や予測ができます。マクロは、Excelなどの特定のソフト内で動作し、繰り返し作業を自動化する簡易的なプログラムです。RPAは複数のシステムを横断して動作できる点が、マクロとの大きな違いになります。

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具体的に、それぞれの違いについて知りたい方は、本コラムの別記事の業務自動化とは?メリット、デメリットやRPAツールを含む自動化の方法、作業例もご紹介をご覧ください。

業務自動化とは?メリット、デメリットやRPAツールを含む自動化の方法、作業例もご紹介
記事はこちら

 

 

 

【部門別】RPAツールでできること15選|自動化業務の具体例

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RPAツールは、業務の効率化や人的ミスの削減に貢献する自動化技術として、多くの企業で導入が進んでいます。しかし、具体的にどのような業務を自動化できるのか、イメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。

総務・人事、経理、営業、カスタマーサポートなどの部門ごとに、RPAツールで自動化できる具体的な業務を15種類ご紹介します。業務負担の軽減や生産性向上を目指す企業は、ぜひ参考にしてください。

 

①全部門共通|データ入力などの定型業務


 多くの企業では、日々の業務の中でデータ入力や報告書作成などの定型業務が発生します。また、競合調査も情報収集という点で多くの部門で類似のニーズがある業務です。これらの業務はルーチンワークでありながら、手作業で行うと時間がかかり、ミスが発生しやすいのが課題です。

RPAを活用することで、正確かつ迅速に処理できるようになり、従業員はより戦略的な業務に集中できるようになります。ここでは、全部門共通で自動化できる代表的な定型業務について詳しく解説しますので、参考にしてください。

データ入力・転記

データ入力や転記は、多くの企業で日常的に行われる業務ですが、手作業では時間がかかり、ミスも発生しやすい作業です。

【RPAを導入した場合】
受注データや顧客情報を自動で入力したり、異なるシステム間でのデータ転記を正確に行ったりできます。これにより、業務効率が向上し、従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになります。

日報・報告書の作成

日報や報告書の作成は、多くの部門で必要な業務ですが、毎日同じような内容を手入力するのは手間と時間がかかります。

【RPAを導入した場合】
社内システムのデータを自動で収集し、決められたフォーマットに沿って日報や報告書を作成することが可能です。手作業を減らすことで、作業時間の短縮だけでなく、報告の精度向上にもつながります。

競合他社の価格調査

競合他社の価格調査は、マーケティングや営業戦略を考える上で重要ですが、複数のサイトを確認し、情報を整理するのは時間がかかります。

【RPAを導入した場合】
競合のECサイトや価格比較サイトから自動でデータを取得し、一覧にまとめることが可能です。これにより、短時間で市場動向を把握でき、スピーディーな意思決定ができるようになります。

 

②人事・総務部門|RPAによる労務管理など


 人事・総務部門では、勤怠管理や労務管理など、膨大なデータを扱う業務が多く発生します。これらの業務は、正確性が求められる一方で、手作業での管理には時間と労力がかかり、人的ミスのリスクもあるでしょう。

RPAを活用することで、データの収集・集計・分析を自動化し、業務負担を大幅に軽減できます。ここでは、人事・総務部門でRPAを活用できる代表的な業務について解説しますので、参考にしてください。

有給休暇取得状況や残業時間の管理・アラート通知

従業員の有給休暇取得状況や残業時間の管理は、企業のコンプライアンス対応として重要ですが、手作業での確認や記録では抜け漏れが発生する可能性があります。

【RPAを導入した場合】
システムから有給休暇の取得状況や残業時間を自動で収集し、一定の基準を超えた場合に、メールなどでアラート通知を送ることができます。これにより、適切な労務管理を実現し、従業員の働き方の改善にもつながります。

勤怠データの集計・分析

勤怠データは、従業員の労働時間や休暇状況を把握する上で欠かせない情報ですが、大量のデータを手作業で集計するのは大きな負担になります。

【RPAを導入した場合】
勤怠管理システムからデータを自動で収集・集計し、レポートを作成することが可能です。さらに、定期的に分析を行い、異常値があれば自動的に検出できるため、労務リスクの早期発見にも役立ちます。

人事評価など社員情報の管理・更新作業

人事評価や社員情報の管理は、従業員のキャリア形成や適切な配置を行う上で重要な業務です。しかし、評価データや個人情報の更新を手作業で行うと、作業ミスや更新漏れが発生しやすくなります。

【RPAを導入した場合】
評価結果を自動で取りまとめ、システムへ反映させることが可能です。また、昇進や異動に伴う情報更新作業も自動化できるため、人事担当者の負担を軽減し、より戦略的な業務に集中できる環境を整えることができます。

 

③経理・財務部門|RPAによる売上データ集計など


 経理・財務部門では、売上データの集計や請求書の発行、経費精算など、多くの定型業務を日々処理する必要があります。これらの業務は、正確性が求められる一方で、手作業での処理ではミスが発生しやすく、大きな負担となるでしょう。

RPAを活用することで、データの収集や入力、帳票の作成などを自動化でき、作業時間の短縮とヒューマンエラーの防止が可能になります。ここでは、経理・財務部門で活用できる代表的なRPAの活用例をご紹介しますので、参考にしてください。

売上データ集計・分析

売上データの集計や分析は、経営判断に欠かせない重要な業務ですが、膨大なデータを手作業で処理するのは非常に手間がかかります。

【RPAを導入した場合】
販売システムやPOSデータなどから自動で情報を収集し、短時間で売上レポートの作成が可能です。

また、売上推移の分析や異常値の検出も可能になるため、迅速な意思決定につなげることができます。手作業では数時間かかる作業も、RPAを使えば、短時間で正確に処理できるようになるでしょう。

請求書や納品書の作成・発行

請求書や納品書の作成・発行は、取引先との関係を円滑にするために不可欠ですが、手作業では時間がかかり、記入ミスが発生するリスクがあります。

【RPAを導入した場合】
販売管理システムや受発注システムのデータをもとに、請求書や納品書を自動で作成し、発行までのプロセスの効率化が可能です。また、決められたフォーマットの自動処理に対応できるため、作業の標準化と精度の向上が可能になります。

交通費のチェック・精算処理

従業員の交通費精算は、領収書の確認や経費申請の処理など、多くの手間がかかる業務の一つです。申請内容の誤りや重複申請のチェックを手作業で行うと時間がかかり、不正経費を見落とす可能性があります。

【RPAを導入した場合】
申請した内容をもとに自動で経路を検索し、最安値を確認している企業では、金額に間違いがないかを効率よくチェックできます。これにより、精算業務のスピードが向上し、経理担当者の負担も大幅に軽減されます。

 

④受発注・販売部門|RPAによる見積書の作成など


 受発注・販売部門では、見積書の作成や受発注管理、売掛金の管理など、多くの事務作業が発生します。これらの業務は、正確かつ迅速に処理する必要がありますが、手作業ではミスが発生しやすく、処理に時間がかかることが課題です。

RPAを活用すれば、データの入力や管理を自動化し、業務のスピードと精度を向上させることができます。ここでは、受発注・販売部門におけるRPA活用の代表的な事例をご紹介しますので、参考にしてください。

見積書の作成・顧客情報連携

見積書の作成は、営業活動において欠かせない業務ですが、手作業での作成には時間がかかり、顧客情報の入力ミスや更新漏れが発生することがあります。

【RPAを導入した場合】
顧客管理システム(CRM)から顧客情報を取得したり、販売管理システムから製品情報を取得したりして、Excelなどの見積りフォーマットに情報を転記することが可能です。また、システムに蓄積された過去の取引履歴をRPAが連携して抽出することで、最適な価格や条件を判断するための材料を提供します。

受発注情報の入力・在庫管理システムとの連携

受注処理や発注業務では、注文情報の入力や在庫の確認など、多くの手作業が発生します。特に在庫管理が適切に行われないと、商品の欠品や過剰在庫といった問題が発生する可能性があるでしょう。

【RPAを導入した場合】
注文データを受発注システムへ自動入力し、短時間で在庫管理システムと連携させることができます。これにより、受発注のスピードが向上し、在庫の最適化も実現可能です。

売掛金管理と入金消込処理

売掛金の管理や入金消込処理は、正確性が求められる業務の一つですが、手作業では時間がかかり、ミスが発生するリスクがあるでしょう。

【RPAを導入した場合】
請求データと入金データを自動で照合し、未入金や過入金の案件を効率よく特定できます。また、定期的な売掛金の管理レポートを自動生成することで、回収業務の効率化にも期待できます。

 

⑤顧客管理(CRM)部門|RPAによるお問い合わせ対応など


 顧客管理(CRM)部門では、顧客からの問い合わせ対応やマーケティング活動、SNSやレビューサイトのモニタリングなど、多岐にわたる業務があります。これらの業務は、顧客との信頼関係を築くために非常に重要ですが、手作業では時間がかかるため、迅速な対応が難しくなることがあります。

RPAを活用することで、顧客データの管理や自動応答、マーケティング活動の自動化を進めることができ、業務効率を大幅に向上させることが可能です。ここでは、CRM部門におけるRPA活用例をご紹介しますので、参考にしてください。

お問い合わせ対応

顧客からの問い合わせに対して迅速かつ正確に対応することは、企業の信頼を築くために非常に重要です。しかし、手作業で対応する場合、対応漏れや返答の遅れが発生することがあります。

【RPAを導入した場合】
事前に対象となる問い合わせやメール返答内容を設定しておくことで、自動で処理して迅速な対応が実現可能です。さらに、問い合わせ内容をデータベースに自動で登録し、担当者への引き継ぎもスムーズに行えます。このように、RPAで問い合わせ対応を効率化すれば、顧客満足度向上のきっかけになるかもしれません。

SNSやレビューサイトの口コミ・評判データ収集

SNSやレビューサイトは、顧客からのフィードバックを得る貴重な場所ですが、膨大な情報を手作業で収集・分析するのは非常に時間がかかります。

【RPAを導入した場合】
SNSやレビューサイトから自動でデータを収集し、定期的に評価やコメントを確認できます。
これにより、顧客の意見や評判を迅速に把握し、マーケティング戦略に活かせます。また、ネガティブなフィードバックに対して早期に把握し、迅速な対応につなげることが可能です。企業のイメージ改善にもつながるでしょう。

マーケティングメール配信

マーケティングメールは、顧客に対して新商品やキャンペーン情報を提供する重要な手段ですが、ターゲットリストの作成やメール配信の手作業は手間がかかります。

【RPAを導入した場合】
顧客データベースから情報を抽出し、メール配信のプロセスを自動化させ、業務の効率化を図ることが可能です。

さらに、配信後の開封率やクリック率などのデータを自動で収集して、可視化することで、次回のキャンペーンに活かすことができます。これにより、マーケティング活動の効果検証と効率化を実現できるでしょう。

 

 

RPAでできないこと|具体例

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RPAは定型的な業務を効率化する優れたツールですが、すべての業務に対応できるわけではありません。特に、柔軟な対応が必要な業務、複雑な処理が関わる場合には限界があります。

RPAを活用することで大幅な業務の効率化が実現できますが、その活用範囲には自動化できる業務とできない業務を理解して切り分けることが重要です。ここでは、RPAができない業務の具体例について解説します。

 

創造的な業務


 RPAは決められたルールに基づいて作業を実行するため、創造的な思考や新しいアイデアを生み出すような業務には対応できません。たとえば、広告やマーケティング戦略の立案、デザイン制作などは、人間の直感や経験に基づく判断が求められます。こうした創造的な業務はできませんが、RPAはマーケティング戦略のデータ収集や分析を通じて、サポートすることは可能です。

 

人の判断が必要な業務


 RPAは決められたルールに従って業務を進めますが、状況に応じて臨機応変に対応することはできません。たとえば、顧客からのクレーム対応や人事評価のように、状況に応じて感情的な配慮や柔軟な判断が必要な業務にはRPAは向いていないといえるでしょう。こうした業務では、感情や人間関係を考慮した判断を下すことが求められるため、人間の判断が重要です。

 

複雑な処理や非定型な業務


 RPAは、定型的でルール化された業務には強力ですが、複雑な処理や非定型な業務には対応しづらい面があります。たとえば、予期しないエラーや複数の要素が絡み合った意思決定が求められるような業務では、RPAは柔軟に対応することができません。複雑な状況に応じた判断や、創造的な対応が必要な場合は、人間の判断を仰ぐ必要があります。

 

画像や手書き文字の認識が必要な業務


 RPAは基本的にテキストデータや数値データを扱うことに特化しているため、画像や手書き文字の認識が必要な業務には人の手が必要になるケースがあります。たとえば、手書きの請求書や書類のデータ入力、画像の分析などには、RPA単体では自動化が難しいです。

しかし、AI-OCRとRPAを組み合わせて書類の仕分け、データの読み取りから登録まで一連の作業を自動化できる例があります。RPA単体では対応が難しいものの、OCR技術と組み合わせることで自動化を図ることは可能です。

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RPAツールで業務自動化するメリット・デメリット

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RPAは、企業における業務自動化を実現するための強力なツールです。定型的な事務作業を効率化し、業務の生産性を向上させる一方で、導入にあたってはコストや人材育成などの課題もあります。ここでは、RPAツールを活用する際のメリットとデメリットについて詳しく解説していくので、ご参考ください。

 

RPA利用のメリット|定型業務の効率化と人的ミスの削減


 
RPAの最大のメリットは、定型的な業務の効率化です。人間が手作業で行っているデータ入力や転記、集計作業などを自動化することで、業務のスピードが大幅に向上します。これは従来のコード開発でも実現可能ですが、RPAは比較的直感的な操作で自動化を実現できるため、従来のコード開発よりも現場担当者が扱いやすいという利点があります。

また、RPAはプログラムに基づいて作業を実行するため、人的ミスを大幅に削減できるでしょう。これにより、エラーの修正作業や再処理にかかる時間を減らし、業務の精度が向上します。さらに、RPAは24時間365日稼働できるため、時間外や休日にも業務が進行し、業務全体の生産性向上にも期待できます。

RPA利用のデメリット|導入コストと必要な人材育成


 
RPAの活用には一定のコストがかかります。RPAツール自体の購入費用や導入に必要なシステム構築費、さらに運用後の保守・管理費用もかかってくるでしょう。

特に中小企業にとっては、初期投資が高額となる場合があります。しかし、近年では無料で活用できるRPAツールも登場しており、まずは小規模な業務で試験導入し、効果を実証したうえで本格的に導入するといったやり方もおすすめです。

また、RPAの効果を最大限に引き出すためには、RPA人材の育成が必要です。RPAは比較的直感的に操作できるツールが多いものの、ITリテラシーが全くない人が一からロボットを作成するには、ある程度の知識やスキルが求められるため、担当者の育成が必要となる場合があります。

ただし、RPAは従来のプログラミング開発と比較して、必ずしも高度な専門知識を必要としません。プログラミング経験が少ない担当者でも直感的に操作できるツールも多く、育成は必要であるものの、プログラミング開発に比べれば教育コストを抑えつつ導入することも可能です。

 

 

どこまでRPA化をするべきかの判断基準

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RPAを活用する際、どこまで業務を自動化すべきかを判断するのは重要なステップです。すべての業務を一律に自動化するのではなく、適材適所でRPAを活用することが、RPA導入の成功につながります。ここでは、RPA化に適した業務の見極め方と、その投資対効果について解説します。

 

RPA化に適した業務なのか?


 
RPAは定型的で繰り返しの多い作業に最適です。たとえば、データ入力や転記、集計作業などは自動化による効果が期待できるでしょう。

しかし、創造的な業務や複雑な判断を要する業務、変動の多い業務にはRPAは適していません。このように業務内容次第で、RPA化に適しているのかが異なります。

自社の業務効率化を図るためにRPAを活用するなら、事前にRPAに適している業務かどうか下記のチェックリストを参考にしてください。

【RPAに適した業務かどうかのチェックリスト】

以下の条件に該当する業務は、RPA化の効果が期待できます。
  1. 業務の頻度と工数
    □ 頻繁に発生する業務である。
    例:毎日行うデータ入力、定期的なレポート作成など

    □ 低頻度だが、工数が大きい業務である。
    例:月次決算処理、大量データの集計など

  2. 業務の定型性と変則的な処理
    □ 業務の手順やルールが明確である。
    □ 例外処理がほとんど発生しない。

  3. 業務の安定性
    □ 作業手順やシステム(UIなど)が頻繁に変わらない。

  4. 業務の標準化
    □ 作業の標準化が可能で、担当者ごとに処理が異ならない。

  5.  期待される効果
    □ ヒューマンエラーを防ぎたい業務である。
    例:データ入力、照合作業など

 

導入の投資対効果を得られるか?


RPAを活用する際には、投資対効果をしっかりと評価することが重要です。導入には初期費用や運用コストがかかりますが、その効果を十分に得るためには、どれだけ業務を効率化できるかを考慮する必要があります。
  1. コスト削減効果
    □人件費削減
    □外注費削減
    □エラー修正コスト削減

  2. 生産性向上
    □業務処理時間の短縮
    □業務処理件数の増加
    □24時間稼働の活用

  3. 品質向上
    □ヒューマンエラーの低減
    □業務の標準化
    □コンプライアンス遵守

  4. 投資コスト
    □ライセンス費用:RPAツールの導入費用(購入・サブスクリプション)
    □開発・導入費用
    例:シナリオ作成やカスタマイズにかかる費用
    □運用・保守費用
    例:定期的なメンテナンス、トラブル対応、人材育成にかかる費用。

  5. 定量的・定性的効果の比較
    □従業員の業務負担軽減
    □顧客満足度向上

RPAによる自動化が短期間でコスト削減や生産性向上に繋がるか、または長期的に業務改善が見込めるかを見極めることが求められるでしょう。特に、労働集約的で単純な作業が多い場合、RPA化の投資対効果は高くなりますが、逆に複雑な業務の場合、導入コストがかさむ可能性もあります。

 

 

RPA化に成功した導入事例|効率化の具体例

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RPAを活用することで、業務効率化が進み、生産性の向上やコスト削減に大きな効果を上げた事例が増えています。特に、単純で繰り返し行われる業務や時間がかかる処理を自動化することで、社員の負担を減らし、より重要な業務にリソースを集中させることが可能です。ここでは、製造業と建設コンサルタント業におけるRPA導入の具体的な成功事例をご紹介します。

 

製造業|製品受注処理の自動化


 まずは製造業でRPAを活用し、成功した事例をご紹介します。RPAを導入したきっかけは、取引先の工場見学でRPAの活用事例を知り、導入している企業とそうでない企業には、5年後、10年後に大きな差が生まれることに気づき、導入を決断しました。

具体的な事例としては、製品受注処理から製造指示を出すまでの一連の流れをRPAで自動化しました。従来は手作業で行っていたデータのシステム・データベースへの取り込み、指示書の作成などの業務を自動化することで、1日あたり40分、年間9,600分(約160時間)の工数削減を実現しました。
さらに、人為的なケアレスミスや印刷漏れを撲滅し、業務品質の向上にもつながりました。これにより、従業員はより付加価値の高い業務に専念させることに成功しました。

また、こちらの企業ではWinActorを導入し、1年間で54業務のロボット化に成功しています。全体として年間1,850時間の削減を実現し、大幅な業務効率化につながりました。

導入前に行ったことや活用のコツなどもっと知りたい方は藤田製作所様の導入事例もご覧ください。

製造業におけるWinActor活用のコツとは  /藤田製作所様
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建設コンサルタント業|WEBからデータ出力・Excel保存


 建設コンサルタント業でRPAを活用し、成功した事例をご紹介します。働き方改革の一環として残業時間削減を目指したことが導入のきっかけです。特に、事務担当者が限られた人数で入札や契約関連の対応を行っていたため、発注件数が多い時期や年度末に残業が増加していました。そこで、単純作業や定型作業のRPA化を検討し、効率化を目指すことにしました。

具体的な事例としては、営業企画課では毎月1回、国土交通省のWebサイトから中長期発注見通しデータを取得し、Excelシートに入力、社内サーバに保存し、作業完了後に担当者へメール通知をする業務を実施していました。この作業は1件あたり3分かかり、年間1,000件以上の対応が必要だったため、合計3,000分(50時間)もの工数が発生していたことが問題でした。RPAを導入した結果、作業時間が1件あたり約1分に短縮され、年間で2,000分(約33時間)の削減を実現しました。

具体的な導入事例については、八千代エンジニヤリング様の導入事例もご覧ください。

年間2,000分の削減効果。RPAの全社展開を見据えた、ある工夫とは?/八千代エンジニヤリング様
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まとめ

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RPAは、定型的で繰り返しの作業を効率化し、業務の自動化を実現する強力なツールです。特にデータ入力や集計、メール対応などの反復作業をロボットに任せることで、社員の負担を軽減し、時間を創出することができます。

さらに、RPAの性質を把握したうえで、適切な業務を選定すれば、より効率化を図ることができるでしょう。

RPAは、データ入力や定期的なレポート作成などの頻繁に起こる作業を自動化してくれます。導入を検討されるなら、まずは無料セミナーに参加して、どのようなツールなのか試してみませんか?

 

まずはRPAを体験してみませんか?初心者向け無料セミナー


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定期的に開催中ですので、ぜひこの機会にご参加ください。

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本コラム内容について
各コラムの内容は、執筆時点での情報を元にしています。

各コラムの内容は、利用することによって生じたあらゆる不利益または損害に対して、
弊社では一切責任を負いかねます。
一つの参考としていただき、利用いただく際は、各社のルール・状況等に則りご活用いただけますと
幸いです。

※「WinActor®」は、NTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。



 

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