2025.04.04‐
近年、業務効率化の手段としてRPAツールを導入する企業が増えています。
RPAを活用して業務を自動化するには、作業の流れを設計し、それをツールに登録する必要があります。
この手順は、ツールによって「シナリオ」や「ワークフロー」など異なる名称で呼ばれていますが、
本記事では、一般的な業務プロセス全体を指す「ワークフロー」と区別するために、「シナリオ」と表記して解説します。
ただし、RPAを導入しようと考えている方の中には、「シナリオ」がどのようなものかイメージがつかめないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、RPAのシナリオとはなにか?作成手順や簡単な作り方のコツを知りたい方へ向けて、
RPAシナリオの基本、具体的な作成手順、簡単に作成するためのコツを事例を交えて分かりやすく解説します。また、シナリオ作成に役立つサンプルもご紹介します。
RPAの導入を検討している方や、導入初期の方は是非参考にしてください。
目次
RPAのシナリオは、人が行っている実際の業務フロー(手順)を可視化した設計図または手順書のようなものです。
たとえば、基幹システムの顧客データを元に請求書を作成するという業務を手順として可視化してみると以下のようになります。
①基幹システムを開く
②請求書作成用のExcelを開く
③基幹システム内の対象顧客の請求データページを開く
④今月分の請求データを項目ごとにコピーする
⑤コピーした請求データを請求書作成用のExcelに転記する
⑥メールシステムを開く
⑦作成した請求書を関係者にメールで共有する
このように、Webデータを基にした請求書作成の手順を作業ごとに分け、
ロボットが実行できるように可視化したものがシナリオです。
RPAは、パソコン上で行う作業や業務を自動化することができるツールですが、導入すれば必ず業務が自動化できるわけではありません。
導入後、業務手順を可視化した「シナリオ」を作成し、その「シナリオ」をRPA(ロボット)に読み込ませ、手順に沿ってRPA(ロボット)が作業を実行することで、業務を自動的に処理してくれるという仕組みです。
一般的にシステム開発の際には、プログラミング知識が必要とされますが、RPAの開発(シナリオ設計・作成)では、プログラミング知識がない方でも比較的対応可能な、ノード(もしくはコマンドともいわれる)という作業単位ごとの部品のようなものを組み合わせてシナリオを作成します。
完成したシナリオの実行ボタンをクリックすると、RPAがシナリオを読み込み、指定された作業フローを実行します。
そのため、RPAで業務を自動化するにはシナリオ作成が必須です。
RPAの活用にはシナリオ作成は欠かせない作業の一つですが、シナリオ作成の方法は、大きく分けて以下の2種類です。
・ノード(コマンド)を手動で並べて作成する方法(開発型・コーディング型)
・レコーディング機能を活用して作成する方法(簡易型・画面操作記録型)
シナリオ作成では必要な要素は共通ですが、作成方法の違いによって種類が分かれ、それぞれ特徴も異なります。
項目 | 開発型(コーディング型) | 簡易型(画面操作記録型) |
作成方法 | ノード(コマンド)を手動で並べて作成 | 操作を記録して自動生成 |
必要なスキル | プログラミング知識があると望ましい | プログラミング知識不要 |
カスタマイズ性 | 高い(複雑な処理も可能) | 低い(柔軟な対応が難しい) |
作成の手順 | 一から作成するため手間がかかる | 操作を記録するだけで簡単に作成可能 |
主なメリット | 自由度が高く、細かい設定が可能 | 手軽に作成でき、初心者でも使いやすい |
主なデメリット | 作成に時間や手間がかかる | 複雑な処理には向かない |
一からシナリオをプログラミングする方法で、開発型・コーディング型ともいわれています。
プログラミングといっても、初心者でも作成しやすいように、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作でノード(コマンド)を並べる機能を備えたRPAツールが多くあります。
開発型・コーディング型は、一から手動で作成するため、必要とされる手順のみをシナリオに組み込むことができます。
また、あらゆる動作をシナリオに組み込めるため、カスタマイズ性が高く、高度な自動化にも対応できます。
ただし、一から作成する必要があるため、労力や手間がかかることや、ノード(コマンド)として動作の部品がない場合は、プログラミングでの組み込みが必要となるため、プログラミング知識のない方が作成する場合には、難易度が高いと感じることがあるかもしれません。
RPAのレコーディング機能を使って、実際のパソコン上の操作画面を記録して自動的にシナリオを作成する方法です。簡易型・画面操作記録型ともいわれています。
プログラミング知識がない方でも、キーボードやマウスでの通常のパソコン操作をするだけでシナリオを作成できます。また、シナリオを一から作成する方法に比べると、手間や労力も比較的かからない点もメリットです。
ただし、複雑な業務を自動化したい、大きく作業フローが変わるという場合には、柔軟に対応することが難しいケースがあります。大規模かつ複雑な業務を自動化したいという場合は向いておらず、カスタマイズ性には制限があります。
RPAのシナリオ作成(設計)手順は以下の通りです。
①シナリオの目的をしっかり定める
② RPAのシナリオ設計書を作成する
③ 設計書の内容を確認・精査する
④ RPAツールを使って作成したシナリオを実装する
⑤ 作成したシナリオをテストする
⑥ シナリオの保守と運用を行う
シナリオ作成(設計)の手順を押さえておくと、作業もスムーズに進みます。
本章では上記の各手順について、詳しく説明していきます。
いきなりシナリオを作成するのではなく、まず、明確な目的をしっかり定めることが重要です。
業務を行う中で、自社の課題がどこにあるのか、また、どこまでをRPAに任せて自動化するのか、自動化したことでどのような効果が期待できるのか、など具体的に考えることが重要です。
RPAの活用に成功している企業は、明確な目的を定めてシナリオを作成し、RPAを活用しています。
目的を明確に定めることで、シナリオ作成がスムーズに進みます。
次にRPAのシナリオ設計書を作成します。設計書と聞くと難しく感じるかもしれませんが、
まずは、自動化する業務の名称や目的、概要、作業手順を表形式や箇条書きで書き出し、可視化することから始めるとよいでしょう。
表形式・箇条書きで作成する際は、共有で修正や編集ができるようにスプレッドシートや、Excelなどを活用すると効率的です。
また、業務の手順を書き出す際は、自分以外の誰が確認をしても同じ作業ができるように細かく明確に書くようにしましょう。
RPAはシナリオ通りに業務を処理していくため、作業を細分化しておく必要があります。
さらに、設計書をフローチャートにしておくと、作業の流れが一目でわかりやすくなります。
※フローチャートとは、設計書で書き出した手順を図にしたものです。
RPA(WinActor)ではシナリオ作成の画面とフロー図は似ていることが多いため、
フローチャートを作成しておくとシナリオ作成も効率的に進みます。
設計書が作成できたら、内容を確認し精査していきます。
・業務手順が標準化されているか確認
まず、設計書作成のポイントとして挙げた「自分以外の誰が確認しても同じ作業ができるか」=「標準化されているか」を確認しましょう。
たとえば、請求書の作成作業をRPA化した際に、「指定したフォルダに保存する」という手順があったとします。その際、「別の名前を付けて保存をする」のか「そのまま保存をするのか」また、「名前を付けて保存をする際はどのような形式で保存をするのか」など、指定条件が記載されていない場合は対応することが難しくなってしまいます。
・無駄な作業手順がないか確認
人で作業する場合、同じ業務でも、人によって作業フローが若干異なっていたり、余計な手順を踏んでいるということもあります。
効率的にRPAを動かすためにも、一番効率的な手順で設計書が作成されているかを確認しましょう。
・エラーが発生した際の処理が記載されているか確認
RPAがシナリオを実行中に、業務手順通りに進まない場合はエラーが発生します。
それに伴いその後の関連する業務も止まってしまう可能性があります。
そのため、事前に想定される各ケースでエラーが発生しないよう、適切な分岐を設定しておくとスムーズです。
シナリオ設計が完了したら、RPAツールでシナリオを実装していきます。
実装とは、設計したシナリオ(手順)をRPAツールに設定し、自動実行できるようにすることです。
RPAに手順を読み込ませて、順序どおり実行できるように設定(プログラミング)をします。
実装のプロセスは、簡易型(画面操作記録型)か、開発型(コーディング型)かで変わります。
簡易型(画面操作記録型)では、レコーディング機能を使って、シナリオ通りに実行した操作を記録することでロボットに動作を覚えさせることができます。
開発型(コーディング型)では、フローチャート画面などから、
設計書で定めた業務手順をノード(コマンド)に置き換えて、プログラミングしていく形です。
ノード(コマンド)とは、「Excelを開く」「Excelを名前を付けて保存する」など、作業の処理単位ごとになっている部品のことです。
プログラミングと聞くと難しく感じるかもしれませんが、多くのRPAは直感的に操作ができる画面設計になっています。
WinActorの例をご紹介します。
WinActorの開発画面(コーディング型)では、以下のように操作します。
左側のノードの中から処理する動作の部品をドラッグ&ドロップ操作で配置し、
右側のフローチャート画面上で、開始と終了の間に挿入します。
また、ノードはコピー&ペーストで簡単に複製することが可能です。
このように直感的な操作で作業を組み合わせていき、シナリオを組み立てていきます。
シナリオ実装の完了後、シナリオ通りにRPAが動き、実行開始から完了まで問題なく動作するかテストを実施します。テストを実施することで、シナリオが期待通りに機能するか、または問題がないかを確認することができます。
テストの大きな流れは一般的には以下の通りです。
RPAのシナリオは一回作成して終了ではありません。業務フローが変わったり、
事業規模の拡大により修正が必要となる場合があるため、定期的にシナリオの確認と運用の見直しが必要です。以下のように、定期的にシナリオを管理することをおすすめします。
・シナリオの動作確認 …【例】週毎の定期確認や、ログでの動作確認を実施
・業務フローの変更によるシナリオ改修 …保存先が変わるなど、フローに変更が出た場合の修正
・シナリオの実行ログを確認 …エラーの発生頻度など確認し、改善点を判別、修正
・シナリオの変更履歴を確認 …変更履歴を確認することで、問題が起こった際の確認が容易に
RPAを活用して業務を自動化するためには、適切なシナリオ作成が欠かせません。
しかし、無計画にシナリオを作成すると、業務の流れに合わなかったり、運用が難しくなったりすることにつながりかねません。
本章では、RPAのシナリオ作成のポイント(注意点)を解説します。
余計な時間をかけず、また混乱せずに対応するためにも、しっかりとポイントを押さえてシナリオ作成をしていきましょう。
まず、業務の流れ・作業手順を可視化し、明確にすることが重要です。
作業自体がマニュアル化されていても、担当者ごとにやり方が微妙に変わっていたり、暗黙の了解という名のルールが存在していることがあります。マニュアルに記載していないそのような点も書き出していきます。
その後、作業手順や流れを改めて整えて、RPAに実行してもらうフローを明確にします。
このように、業務フローを標準化することで、RPAが円滑に動作するようになります。
人が業務を行う場合、イレギュラーなことが発生した際には、無意識のうちにその対処法を考え、対応していますが、RPAツールなどのロボットや、人以外のシステムに作業をさせる場合は、柔軟に対応することができません。
たとえば、メール送信先が急遽追加されたり、入力項目が変更になったなどの場合には、エラーが発生し業務が止まってしまう可能性があります。
そのため、イレギュラー(例外)の処理が発生する箇所があるか、業務上の注意点を確認し、作業手順を書き出す際に、基本的な流れとは別に「例外的な処理」が必要な作業も書き出しておくと、シナリオ作成がスムーズになります。
導入初期にRPAのシナリオを作成する際は、いきなり複雑な業務フローを作成するのではなく、
簡単な業務でシナリオ作成に取り組むようにしましょう。
たとえば、請求書作成フローの一連の流れでの作成が難しい場合は、まず、自社システムにログインするというところをシナリオで作成してみるなど、単純な作業から自動化していくことで、RPAの動作や効果を確認しながらシナリオ作成のスキルを磨くことができます。
また、シナリオ作成の過程で得た知識やコツを活かして、段階的にシステム規模を拡大していくことも可能です。
一連の業務すべてを一度に自動化しようとすると、シナリオが複雑化し、作成途中で挫折してしまったり、また、シナリオの管理も複雑で難しくなります。
そのため、シナリオ作成は業務を分割して、段階的に進めていくようにしましょう。
徐々に自動化の範囲を拡大していくことで、シナリオ作成自体にも慣れ、無理なく業務効率化を実現できます。
RPAの導入にあたっては、コストと効果のバランスを考慮することが重要です。
RPA導入には一定の費用がかかるため、業務の頻度や自動化によるコスト削減見込みを事前に分析し、
費用対効果を高められるよう、十分に検討しましょう。
コストパフォーマンスが良く、かつシナリオ実装の難易度が低い業務から優先的に自動化を進めることが効果的です。
<参考>費用対効果の高い業務を選定するには、タスクマイニングツールの活用もおすすめ
タスクマイニングツールは、各担当者が実施している業務を可視化し、客観的な分析情報を提供するツールです。
これまで見えてこなかった、業務プロセス上の課題や問題の改善点、また、業務上の繰り返し作業や定型作業を把握することができ、自動化に適した業務の選定に役立てることができます。
シナリオ作成には、特定の担当者に依存しない体制を整えることが大切です。
特定の人に作成を依存してしまうと、その担当者が部署異動などで不在となった際に、シナリオの更新や保守が滞り、業務が停止してしまう恐れがあります。
複数人でシナリオを作成・管理できるようにすることで、ノウハウが属人化せず、上記のようなリスクを回避することができます。
具体例として、以下のような体制を整えていくと効果的です。
・定期的な情報共有会や勉強会(研修)を開催する
・シナリオ作成の基準や方針を明確にする
・シナリオのレビュー体制を整える
・バージョン管理を徹底し、変更履歴を管理する
必要な情報をチーム内で共有することで、誰が作成しても統一された品質を維持できるようになります。
RPAのシナリオ作成は、単に自動化するだけでなく、業務の効率化や品質向上にも影響を与える重要な
プロセスです。
今回紹介したポイントを意識しながら、効果的なシナリオを構築していきましょう。
本章では、実際にRPA(WinActor)を導入した企業でのシナリオ事例をご紹介します。
WinActorは、2024年11月末時点で8,000社以上に導入されている、純国産のRPAツールです。
各企業がどのような業務を自動化(シナリオ化)したのか、またその効果についてもご紹介しますので、
どのような業務をシナリオ化すべきか、また、作成のコツが知りたい方は、参考にしてください。
食品メーカーで、経理部で行っている伝票(家賃などの支払依頼伝票)の起票作業をシナリオ化した事例です。支払依頼伝票に情報(不動産賃借料振込一覧表の内容)を起票するための業務を自動化しました。
前半のシナリオ
・会計システムへの取込用Excelファイルを開く
↓
・データを転記
↓
・CSVファイルとして保存する
※上記を拠点分だけ(16回)実行
後半のシナリオ
・会計システムを立ち上げ、ログインする
↓
・CSVファイルを取り込む
シナリオ作成時の工夫としては、後半のシナリオを別の伝票処理にも活用できるよう、前半と分けて組み合わせ可能な形にしたこと、また、元データに不具合が発生した場合などに備え、エラーが発生した際にメール通知するなどの例外処理を設定しました。
上記の業務は月1回、約3時間50分(230分)を要していましたが、
シナリオを作成してRPA化したことで、年間で46時間(2,760分)の削減につながりました。
また、拠点毎で異なっていた処理方法が統一され、業務の標準化にも成功しています。
実際の導入事例については、こちらをご覧ください。
導入事例:“人材育成を意識した”RPA導入の取り組み/カンロ株式会社様
急性期医療を担っている病院でのシナリオ化事例です。
コロナ渦の影響で、現場だけでなく、事務部門でも関連する業務が増え、人手不足となる時期もありました。RPA(WinActor)では、コロナ関連に付随するデータ入力作業などをシナリオ作成し自動化しました。
シナリオ自動化の具体例
・二類感染症患者入院診療加算を維持会計システムへ入力する作業(月1,000~1,500件ほど)
自動化の前は、手作業で行っていた上記の業務をすべて自動化し、月6時間かかっていた
作業が0時間となり、6時間すべて削減することができています。
また、他にも以下のような業務をシナリオ化し、業務削減に成功しています。
・指定された材料マスタを対象に、物流システム上での削除作業(年1~2回)
→6時間の作業時間が0に
上記の様に、頻度は高くないものの、定期的に発生し、作業量が多いため、複数人で一斉に対応する業務は、どの業界でもあるかと思います。
優先すべきは、頻度の高い業務のシナリオ化かもしれません。
しかし、一度シナリオを作成すれば長く活用できる業務を自動化することも、業務負担の軽減につながります。
実際の導入事例については、こちらをご覧ください。
導入事例:医療現場の人員不足。課題解決に向けたRPA活用術/淀川キリスト教病院様
創業約60年の総合建設コンサルタント企業でのシナリオ化事例です。
契約関連の業務は、限られた人員でを対応しているため、繁忙期には残業時間が増える傾向があり、
残業時間の削減を検討している中で、RPAで単純作業を自動化できないかという視点から導入を検討しました。
自動化した業務の一例は、発注見通しデータの処理業務です。
Webを立ち上げ、国土交通省の中長期発注見通しデータを出力
↓
Excelに入力
↓
社内サーバーに保存
↓
作業完了後に、メール通知
1件あたりの作業時間は3分、月1回の作業ですが、年間では1,000件以上あり、合計で3,000分の作業時間となっていました。
RPAでの自動化で、1件あたりの作業時間は約1分、年間では2,000分の作業時間の削減につながっています。
シナリオ作成にあたって、同社の担当者は
「ロボットが動き、成果が出るのであれば、元の作業方法にこだわらず、さまざまな方法を試すこと」
がRPA活用のコツ(シナリオ作成のコツ)だと挙げています。
RPAは柔軟に対応できるため、試行錯誤を重ねて最適なシナリオを作成することが重要です。
最終的には成果を重視し、ロボットが確実に動いて結果を出すことを意識して進めることで、よりスムーズな自動化が実現できます。
実際の導入事例については、こちらをご覧ください。
導入事例:年間2,000分の削減効果。RPAの全社展開を見据えた、ある工夫とは。/八千代エンジニヤリング株式会社様
RPAの導入が進む中で、シナリオ作成のスムーズさは、自動化の成功につながるポイントの一つです。
しかし、初めてRPAに触れる方の中には、「RPAでのシナリオ作成(実装)は難しそう…」という方もいるかもしれません。
本章では、より効率的に、簡単にRPAシナリオを作成するためのコツをいくつかご紹介します。
実際にシナリオを作成する際は、以下のコツ(ポイント)を参考にしてみてください。
シナリオサンプルの有無やサポート体制の充実度などは、RPAツールによって異なります。
初心者の場合、シナリオ作成時にどのように進めれば良いか分からず、躓くことがあるかもしれません。
そのため、サポートやヘルプ機能が充実しているツールを選ぶことで、シナリオ作成の相談やトラブル発生時に迅速に対応してもらえるため、スムーズに作業を進めやすくなります。
また、シナリオのサンプルがあり、参考にできるツールであれば、最初のステップをより簡単に踏み出すことができます。
WinActorでは、以下のサイトで「Excel関連」「メール送信」「外部サービス連携」など業務に関連する項目で検索し、シナリオサンプルを確認することができます。
シナリオサンプル例
・複数のCSV・Excelファイル→1つのCSVファイルにまとめる
・Outlookのメール送信・予定を使ってリマインドメールを送信する
・Teamsに対して通知やファイル送信を行い、Teamsからの応答を受信する 等々
WinActorの開発元である、NTTアドバンステクノロジ株式会社のサイトには、上記のようなシナリオサンプルが多数掲載されています。自身の自動化したい業務に近いシナリオがないか、参考にしてみてください。
WinActorのサンプルシナリオ一覧はこちら
プログラミング知識がない、操作に自信がないという方は、操作が簡単で直感的に使用できるRPAツールを選ぶとよいでしょう。
たとえば、ドラッグ&ドロップで処理のフローを組み立てることができるツールは、プログラミングの知識がなくても簡単にシナリオを作成できるため、初心者にはおすすめです。
また、RPAツールが提供するインターフェイスの使いやすさも、シナリオ作成では重要なポイントになるため、無料トライアルがあるツールは、実際に確認してから導入を検討するようにしましょう。
少し前の章の「シナリオ作成のポイント(注意点)」のおさらいになりますが、最初から複雑な業務のシナリオを作成しようとすると、エラーが発生しやすく、また、シナリオ作成に行き詰ってしまう可能性があります。まずはシンプルな業務からシナリオ作成を始めてみましょう。
たとえば、定型的なデータ入力やファイル管理など、単純で繰り返しの多い作業を自動化するシナリオから作成するなど、シンプルな業務からスタートすることで、RPAツールに慣れ、徐々に複雑な業務のシナリオ作成にチャレンジできるようになります。
RPAのシナリオを作成する際は、ショートカットキーを活用しましょう。
特に簡易型(画面操作記録型)で作成する場合は、実際のパソコン上のマウス操作を記録し、シナリオ作成するため、操作のアクションが多ければ多いほど、作業工数が増えていきます。
たとえば、指定されたサイトのURLをコピー→Googleの検索窓に貼り付けるという作業は以下のフローとなります。
自社でRPAシナリオ作成に不安がある場合や、複雑なシナリオ作成が求められる場合は、
専門業者に相談したりするのもおすすめです。
RPAツールの導入やシナリオ作成に精通した専門家がサポートしてくれることで、作成時の問題点を解決し、自動化をスムーズに進めることができます。また、シナリオ作成の目的を明確にして業者に依頼することで、自社に最適なシナリオを提供してもらえます。
効率的なシナリオ作成を進めたい場合は、ぜひ検討してみましょう。
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