2025.05.30- 
RPA（Robotic Process Automation）は、経理業務をはじめとする定型作業をソフトウェアロボットで自動化する技術です。
作業時間の短縮やミスの削減、コスト削減など多くのメリットがあり、企業の生産性向上や働き方改革の推進にも貢献します。
本記事では、日々の経費精算や請求書処理などの経理業務を効率化・自動化したい方に向け、RPAの基本情報から経理分野での具体的な活用事例、導入時の注意点までをわかりやすく解説します。
目次
- RPAの基本情報やメリット
- RPAの普及により経理業務はなくなるのか
- RPA化で経理業務を自動化するメリット
- RPAで自動化・効率化できる経理業務の事例
- RPAツールを経理業務で活用するための注意点・ポイント
- まとめ
RPAの基本情報やメリット
RPAを活用すると、定型的な業務を自動化することが可能です。RPAは、働き方改革やデジタルトランスフォーメーション（DX）推進の有効な手段として、多くの企業から注目を集めています。
本章では、RPAの基本と導入メリット、そして進化に応じた3つの分類について解説します。
RPAとは何か
RPAとは、人が行う定型的な作業をソフトウェアロボットによって自動化する技術です。
たとえば、経理業務の場合、請求書の作成やデータ入力、帳票の作成といった繰り返し行われる業務をRPAが代行することが可能です。
実際に、RPAを導入した企業では、月次決算資料の作成時間が大幅に短縮されるなどの成果が報告されており、各種DXツールの中でも比較的短期間で効果を実感しやすいツールとして注目されています。
RPA導入のメリット
RPAの導入により、企業は定型業務の自動化を通じて多くのメリットを享受することができます。
たとえば、データ入力や請求書処理などの繰り返し作業をRPAに任せることで、作業時間の短縮とヒューマンエラーの削減が実現することができます。
これにより、従業員は創造的な業務に集中でき、モチベーションの向上や離職率の低下にもつながります。また、RPAは24時間稼働可能であり、業務のスピードと品質を向上させるとともに、人材不足の解消にも寄与します。
さらに、業務プロセスの可視化と標準化が進み、現場主導での改善活動が促進されるため、組織全体の生産性向上が期待できます。このように、RPAの導入は企業の競争力強化に大きく貢献します。
RPAは3段階の分類
RPAは、業務自動化の進化度に応じて3つのクラスに分類されます。
クラスによってRPAツールで自動化できる内容は異なります。
クラス1のRPAは、定型的なデータ入力や転記などの単純作業を自動化します。
クラス2のEPA（Enhanced Process Automation）は、AI技術を活用し、非定型業務の一部を自動化します。
クラス3のCA（Cognitive Automation）は、AIや機械学習を駆使して、高度な判断や予測分析を行い、
複雑な業務プロセス全体を自律的に管理・実行します。
現在のRPAツールの多くががクラス1に属していると言われていますが、
RPAを用いた業務の自動化を図る際は、業務の性質や複雑さに応じて、適切なクラスのRPAツールを選定することが重要です。
RPAの普及により経理業務はなくなるのか
RPAの導入メリットを知ることで、「経理の仕事が将来なくなるのでは？」と不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、実際には経理業務がすべてRPAで置き換えられるわけではありません。
確かに、データ入力や帳票の作成、請求書処理といった繰り返しの作業は、RPAにより効率化が可能です。これらの業務はルールが明確で、人の判断をあまり必要としないため、自動化に向いています。
しかし、イレギュラーな取引への対応、予算の編成、経営陣への財務分析の報告といった高度な判断が求められる業務や、複数の情報に基づいて将来のリスクを評価したり、企業戦略と連動させたりする仕事は、前章のRPAのクラスでもご紹介した通り、現在のほとんどのRPAツールでは対応が難しい領域と言えます。
経理の仕事は、RPAと役割分担しながら進化していくと考えるのが現実的です。
定型業務は自動化し、人はより分析や判断といった本質的な業務へとシフトしていく流れが、今後もさらに加速していくでしょう。
RPA化で経理業務を自動化するメリット
本章では、RPA化により経理業務を自動化するメリットについて解説します。
RPAを活用することで、経理業務における業務効率化やミスの削減、コスト削減など、さまざまな効果が期待できることをお伝えしてきました。
RPAで経理業務を自動化するメリットは多岐にわたるため、本章では代表的なメリットを取り上げ、それぞれ詳しくご紹介していきます。
単純作業・定型業務の効率化
経理業務で頻繁に発生するデータ入力や金額の照合といった繰り返し作業は、RPAを使うことで自動化が可能です。これにより、経理担当者は日々のルーチン業務から解放され、分析や戦略立案といった付加価値の高い業務に時間を割くことができるようになります。
RPAで処理速度の向上やミスの削減が期待できる
RPAを活用することで、経理業務の処理速度が向上し、人的ミスの削減が期待できます。
たとえば、請求書処理や伝票入力などの定型作業を自動化することで、従来の手作業に比べて業務時間を大幅に短縮できます。
また、RPAは設定された手順に従って正確に作業を行うため、入力ミスや計算ミスといったヒューマンエラーを防ぐことができます。
これにより、経理担当者は確認作業の負担を軽減し、より重要な業務に集中することが可能になります。RPAの導入は、業務の効率化と品質向上に寄与する有効な手段です。
ストレス削減による従業員満足度の向上
RPAの導入により、経理担当者は繰り返しのルーチンワークから解放され、ストレスの軽減に繋がる方も多くいらっしゃるかと思います。
これにより、従業員はより創造的で付加価値の高い業務に集中でき、モチベーションや職務満足度の向上につながります。結果として、離職率の低下や組織全体の生産性向上が期待されます。
人手不足の解消
少子高齢化が進行する日本において、労働力の確保は多くの企業にとって深刻な課題となっています。
RPAの導入は、こうした深刻な人手不足を補う上で有効な手段として注目されています。
RPAは、定型的な業務を自動化することで、従業員がより価値の高い業務に集中できる環境を整えます。
このように、RPAは人手不足の解消に寄与するだけでなく、業務の効率化や生産性の向上にも貢献します。
コア業務や生産性の高い業務への注力と新たな業務へのリソース確保
RPAの導入により、経理部門の定型業務が自動化され、従業員は戦略的な業務に集中できるようになります。これにより、分析や改善提案などの付加価値の高い業務に時間を割くことが可能となり、組織全体の生産性向上が期待されます。
コストの削減
RPAを活用することで、残業や休日出勤が減り、割増賃金の発生を抑えられます。さらに、業務量の削減により新たな人材の採用が不要となり、育成コストも抑制可能です。これにより、経理部門の人件費全体を効率的に見直すことができます。
専門知識不要で活用できる
近年のRPAツールは、プログラミングの知識がなくても直感的に操作できる設計が多く、経理担当者自身で自動化の設定や運用を行うことが可能です。
特に、ドラッグ＆ドロップで操作できるノーコード型のツールは、業務の流れを視覚的に組み立てられるため、IT部門に頼らずに導入を進められます。
これにより、請求書処理やデータ入力などの小規模な定型業務から自動化を始め、段階的に適用範囲を広げることができます。
RPAで自動化・効率化できる経理業務の事例
経理業務では、入金消込や帳票作成、データ入力などの定型作業が多く、RPAによる自動化・効率化が効果的です。
本章では、RPAで自動化・効率化できる経理業務の事例を複数解説します。
これらを参考に、効率化できそうな自社の経理業務の検討を行っていきましょう。
入金情報の突合・消込作業
RPAの活用により、銀行の取引データを自動で取得し、売掛金データと照合して入金の消込処理の自動化も可能です。
これにより、手作業による時間と労力を大幅に削減し、人的ミスを防止できます。
また、エラーがあった際のレポートの作成もRPAで自動化することにより、未処理となった項目の管理が容易になります。
帳票データのダウンロード・管理
RPAを活用することで、Web-EDIや社内システム、受信メールなどから帳票データを自動で取得し、指定フォルダへの保存までを一括して行うことができます。
これにより、手作業によるダウンロードや保存ミスを防ぎ、作業時間を大幅に短縮できます。
また、ファイル名の統一やフォルダ構成のルール化も可能なため、帳票管理の効率化と正確性向上を実現します。これにより、経理担当者は煩雑な作業から解放され、コア業務に集中できる環境が整います。
帳票データの入力作業
RPAの活用により、請求書や領収書などの帳票データを自動で会計システムに入力することも可能です。
これにより、手作業による入力ミスを防ぎ、入力作業にかかる時間を大幅に短縮できます。
また、データの正確性と処理スピードが向上し、業務全体の効率化を図ることができます。経理担当者は、単純作業から解放され、より戦略的な業務に集中できるようになります。
帳票の作成
RPAを活用することで、請求書や納品書などの帳票作成業務を自動化できます。
これにより、担当者は繰り返しの作業から解放されるとともに、手作業による入力ミスや作成漏れを防止し、作業時間を大幅に短縮できます。
また、帳票の発行タイミングを自動で管理することで、顧客への迅速な対応が可能となり、顧客満足度の向上にも寄与します。
システム間のデータ連携
異なるシステム間でのデータ連携を手動で行うと、入力ミスやデータの不整合が発生しやすく、業務効率の低下を招きます。RPAを活用することで、会計ソフトやERP、販売管理システムなど複数のシステム間でのデータ転送や同期を自動化できます。
これにより、手作業によるエラーを防止し、データの整合性を確保しながら、業務のスピードと正確性を向上させることが可能です。
また、業務時間外でもRPAで自動処理が行えるため、業務の効率化と生産性向上に貢献します。
月次決算資料の作成
RPAを活用することで、会計システムからのデータ抽出、Excelテンプレートへの自動入力、グラフ作成、PDF化、メール送信までの一連の作業を自動化できます。
これにより、手作業によるミスを防ぎ、作業時間を大幅に短縮し、精度の高い資料作成が可能となります。また、業務の属人化を防ぎ、業務継承や引き継ぎもスムーズに行えるようになります。
インボイス制度対応業務
RPAを活用することで、取引先から受領した適格請求書を所定のフォルダへ自動で格納・整理できます。
さらに、AI-OCRとの連携により、請求書に記載された登録番号、適用税率、税額などの必要事項を自動で抽出し、記載内容の正確性をチェックすることが可能です。
これにより、手作業による確認作業の負担が軽減され、人的ミスの防止や法規制遵守の確実化がにつながります。
また、RPAにより適格請求書発行事業者の登録状況を自動で確認し、最新の情報をシステムに反映させるといったことも可能です。
これらの自動化により、複雑なインボイス制度への対応が効率化され、経理担当者の業務負担が大幅に軽減されます 。
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DX Suite は高精度の文字認識機能を備え、多様な書類フォーマットにも柔軟に対応できるため、経理業務でも多くの企業で活用されています。
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電子帳簿保存法の対応
電子帳簿保存法への対応において、RPAは電子データの保存要件に合わせたファイル管理を自動化する手段として有効です。
具体的には、取引先から受領した電子取引データを所定のフォルダへ自動で格納し、ファイル名のリネームや属性情報の付与を行うことで、法令で定められた保存要件を満たすことが可能です。
これにより、手作業による管理の煩雑さを軽減し、法規制遵守を確実にすることができます。
口座振替依頼書の入力作業
紙の口座振替依頼書をスキャンし、AI-OCRで文字情報をデジタル化した後、RPAが会計システムへ自動入力することで、手作業による入力ミスを防止し、処理時間を大幅に短縮できます。
この自動化により、従業員の精神的負担も軽減され、他の重要業務に集中する余裕が生まれます。
交通費精算やシステム入力の業務を自動化
従業員から提出された交通費精算の申請内容をRPAが自動で検索し、経路や金額の妥当性をチェックします。 申請内容に不備があれば、担当者に自動で通知することも可能です。
また、精算システムへの入力作業も自動化され、経理担当者の手間を大幅に削減できます。 これにより、人的ミスの防止と業務効率の向上が期待できます。
製造業の経理部門でのRPA導入成功事例をご紹介
キャンディやグミの製造を手掛けるカンロ株式会社では、「仕事の仕方・質・スピードの改革」を掲げ、経理業務にRPAを導入。部門間の情報連携や転記作業の非効率さや二重入力を課題とし、
RPA（WinActor）を活用して帳票作成に関するデータ転記、会計システムへのCSVファイル取り込みといった定型作業を自動化しました。
その結果、業務の正確性が向上し、残業削減や人的ミスの防止といった効果が表れ、経理部内では12業務を自動化に成功し、年間232時間の業務削減に繋がりました。
RPAの活用により、単純作業や繰り返し作業のストレスから解放され、社内でRPAが有効活用されていることを実感しています。
また、現場主導でロボット開発を進める体制とし、トライアルをしている方が作成したシナリオを発表する成果発表会を実施するなどの施策でモチベーション維持にもつなげています。
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
"人材育成を意識した"RPA導入の取り組み ／カンロ株式会社
記事はこちら
RPAツールを経理業務で活用するための注意点・ポイント
RPA導入を成功させるには、業務フローの可視化や段階的な導入など、事前準備と継続的な見直しが欠かせません。
ツールの選定では、自社のITスキルや経理業務の自動化に適した操作性・サポート体制を備えていることが重要です。
担当者の育成やベンダー支援の活用も運用安定化の鍵となります。
自社で運用できるRPAを探す
RPA導入を成功させるには、自社のITスキルや業務規模に合ったツール選定が重要です。
ITリテラシーが高くない現場でも扱いやすい操作性や、導入後のサポート体制が整っているかを確認しましょう。
また、無料トライアルを活用して操作感を事前に確認することも有効です。 自社の業務内容や規模に適したRPAツールを選ぶことで、運用の定着と効果的な自動化が期待できます。
業務フローの可視化
RPA導入前には、対象となる経理業務のフローを詳細に可視化することが不可欠です。
業務内容や作業手順をひとつずつ洗い出すことで、自動化すべきプロセスや改善点が明確になります。
これにより、RPAの適用範囲を正確に把握し、導入効果を最大化できます。
小さな定型業務の自動化から始める
RPA導入は、まず影響範囲が限定された小規模な定型業務から始めるのが効果的です。たとえば、Excelデータの転記や定型レポートの作成など、ルールが明確で繰り返し発生する作業を自動化することで、短期間で成果を実感できます。
これにより、RPAの操作に慣れ、導入への抵抗感を減らすことができます。
さらに、初期の成功体験は社内での理解と協力を得るための土台となり、将来的な全社展開へのステップとなります。
エラー発生時の対処法を考える
RPA運用中に予期せぬエラーが発生する可能性があります。そのため、事前にエラー発生時の対応策や
復旧手順を検討しておくことが重要です。
具体的には、例外処理をシナリオに組み込む、エラーログを記録・通知する、エラー発生箇所の特定と
原因分析を迅速に行う体制を整備するなどが挙げられます。
また、エラー発生時には、関係者への情報共有や、業務への影響を最小限に抑えるための対応策を事前に決めておくことが求められます。これにより、RPAの安定運用と業務の継続性を確保することができます。
ベンダーのサポートを有効活用する
RPA導入後の安定運用には、ベンダーのサポートを積極的に活用することが重要です。
導入時の設計支援や運用中のトラブル対応、エラー発生時の迅速な復旧支援など、ベンダーの専門知識を活かすことで、RPAの効果を最大限に引き出せます。
また、導入前にサポート体制が整っているベンダーを選定することで、将来的な課題にも柔軟に対応できます。疑問点や課題が生じた際には、遠慮せずにベンダーに相談し、継続的な改善を図りましょう。
RPAに詳しい人材の育成
RPAを導入後、活用を展開するためには、RPA開発の内製化を検討していくことも重要です。
内製化を進めるためには、社内にRPAの知識とスキルを持つ人材の育成が不可欠となります。現場担当者がRPAツールの操作やシナリオ作成を習得することで、外部依存を減らし、迅速な対応が可能になります。
育成方法としては、社内研修や勉強会の実施、eラーニングの活用、外部研修の受講やセミナーへの参加などが効果的です。これにより、業務効率化やコスト削減だけでなく、社内にノウハウが蓄積され、長期的なRPA活用が促進されます。
また、RPA人材の育成は、DX推進や組織の競争力強化にもつながります。
空いた時間で何をするのか決定しておく
RPA導入により業務が効率化され、担当者に新たな時間的余裕が生まれます。この時間を有効活用するためには、事前に活用計画を立てておくことが重要です。
たとえば、分析業務や業務改善提案など、より付加価値の高い業務へのシフトを検討することで、組織全体の生産性向上につながります。
RPA導入前に、空いた時間で取り組む業務内容や目標を明確にすることで、導入効果を最大限に引き出すことができます。
まとめ
RPAは、経理業務の効率化や人的ミスの削減、生産性向上に大きく貢献するツールです。
特に、単純作業から段階的に導入することでスムーズに定着し、より高度な業務へのリソースシフトが実現できます。
また、運用体制や人材育成を並行して進めることで、長期的にRPAの効果を発揮し続けることが可能になります。
自社に合ったRPA導入をより具体的に検討してみたいという方は、まずは試してみませんか？
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【よくあるご質問】
経理業務におけるRPA導入の効果と成果とは？
Q：経理業務でRPAを導入すると、どのような効果や成果が期待できますか？
A：データ入力や請求書処理などの繰り返し作業をRPAに任せることで、作業時間の短縮とヒューマンエラーの削減が実現することができます。
また、従業員は創造的な業務に集中でき、モチベーションの向上や離職率の低下にもつながります。さらに、RPAは24時間稼働可能であり、生産性や、品質を向上させるとともに、人材不足の解消にも寄与します。
RPAを経理部門で導入する主なメリット
Q：経理部門でRPAを活用するメリットには何がありますか？
A：反復的な定型業務の効率化
経理業務で頻繁に発生するデータ入力や金額の照合といった反復的な作業は、RPAを使うことで自動化が可能です。これにより、経理担当者は日々のルーチン業務から解放され、分析や戦略立案といった付加価値の高い業務に時間を割くことができるようになります。
A：RPAで処理速度の向上やミスの削減、品質向上が期待できる
RPAを活用することで、経理業務の処理速度が向上し、人的ミスの削減が期待できます。
また、経理担当者は確認作業の負担を軽減し、より重要な業務に集中することが可能になります。RPAの導入は、業務の効率化と品質向上に寄与する有効な手段です。
A：人手不足の解消
少子高齢化が進行する日本において、労働力の確保は多くの企業にとって深刻な課題となっています。RPAの導入は、こうした深刻な人手不足を補う上で有効な手段として注目されています。
A：コストの削減
RPAを活用することで、残業や休日出勤が減り、割増賃金の発生を抑えられます。さらに、業務量の削減により新たな人材の採用が不要となり、育成コストも抑制可能です。
RPAで自動化できる経理業務の具体例
Q：経理業務でRPAが自動化できる具体的な作業例は？どのような処理を効率化できますか？
A：入金情報の突合・消込作業
RPAの活用により、銀行の取引データを自動で取得し、売掛金データと照合して入金の消込処理の自動化も可能です。
A：請求書などの帳票データの入力作業
請求書や領収書などの帳票データを自動で会計システムに入力することも可能です。
A：口座振替依頼書の入力作業
紙の口座振替依頼書をスキャンし、AI-OCRで文字情報をデジタル化した後、RPAが会計システムへ自動入力することで、手作業による入力ミスを防止し、処理時間を大幅に短縮できます。
A：交通費精算やシステム入力の業務を自動化
従業員から提出された交通費精算の申請内容をRPAが自動で検索し、経路や金額の妥当性をチェックします。 申請内容に不備があれば、担当者に自動で通知することも可能です。
RPA導入を成功させるための経理部門での注意点
Q：経理でRPAを導入・運用する際の注意すべきポイントは何ですか？
A：自社で運用できるRPAを探す
自社のITスキルや業務規模に合ったツール選定が重要です。 ITリテラシーが高くない現場でも扱いやすい操作性や、導入後のサポート体制が整っているかを確認しましょう。
A：業務フローの可視化
RPA導入前には、対象となる経理業務のフローを詳細に可視化することが不可欠です。
業務内容や作業手順をひとつずつ洗い出すことで、自動化すべきプロセスや改善点が明確になります。
A：エラー発生時の対処法を考える
RPA運用中に予期せぬエラーが発生する可能性があります。そのため、事前にエラー発生時の対応策や復旧手順を検討しておくことが重要です。
A：ベンダーのサポートを有効活用する
RPA導入後の安定運用には、ベンダーのサポートを積極的に活用することが重要です。導入時の設計支援や運用中のトラブル対応、エラー発生時の迅速な復旧支援など、ベンダーの専門知識を活かすことで、RPAの効果を最大限に引き出せます。
A：RPAに詳しい人材の育成
RPAを導入後、活用を展開するためには、RPA開発の内製化を検討していくことも重要です。
現場担当者がRPAツールの操作やシナリオ作成を習得することで、外部依存を減らし、迅速な対応が可能になります。
経理業務におけるRPA導入の成功事例とその効果
Q：RPAを経理業務に導入した企業の成功事例にはどんなものがありますか？
A：製造業の経理部門にRPAを導入し、帳票作成に関するデータ転記、会計システムへのCSVファイル取り込みといった定型作業を自動化しました。業務の正確性が向上し、残業削減や人的ミスの防止といった効果が表れています。RPAの活用で、経理部内で12業務の自動化に成功し、年間232時間の業務削減に繋がりました。
本コラム内容について
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出典：総務省（https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000043.html）