2026.03.06- 
RPAの導入は、今後の事業運営を円滑に進めるうえで重要な役割を担っています。
RPA導入を成功させるには、ツールの選定も重要ですが、それらを十分に使いこなせる「RPA人材」の存在が必要不可欠です。
ツールの選定以上に「RPAを使いこなせる人材」を確保するのは、想像以上に難しいと感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。
実際に弊社で開催しているRPA(WinActor)の操作研修の受講者アンケートでは、活用阻害の要因として、「人材育成や確保が難しい」という課題が約64%※という結果が出ており、「人材」に関する課題が浮き彫りとなりました。
※出典:当社実施「WinActor操作研修」受講者アンケート結果より
回答数:736件 集計期間:2024/07/01~2025/6/16
本記事では、RPA人材に求められる具体的な役割や必須スキル、社内での効果的な育成方法を徹底解説いたします。
DX推進を担う人材選定の基準や、効率的な学習ロードマップを知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。
目次

RPA人材の役割は、ロボットを作る(=自動化の手順書である”シナリオ”を開発する)だけが仕事ではありません。導入フェーズから運用、さらには他部署への横展開まで、多岐にわたるフェーズで重要な役割を担うのがRPA人材のスキルとして必要です。
RPA人材に求められる主な役割は、以下の3つです。
業務の洗い出しと可視化
シナリオ開発と運用保守
社内展開と教育推進(横展開)
本章では、組織内でRPAを定着させるために必要な3つの主要な役割について詳しく解説し、RPA人材に、それぞれの工程でどのような役割が求められるのか、ご紹介します。
業務の洗い出しと可視化は、RPA化の成功を左右する重要な工程です。既存の業務フローを詳細に分析し、ムダな工程を省く「業務改善」の視点が欠かせません。
具体的には、RPA化の前に業務を「やめる・へらす・かえる」という業務の見直しを行わないと、ムダな作業を自動化するだけで終わってしまう可能性があります。現状の業務において、何がムダなのか、細かく整理してからRPAを導入しましょう。
手順が標準化されていない業務をそのまま自動化しても十分な効果は得られないため、ルールが明確な定型業務を的確に選定する判断力が求められます。
シナリオ開発と運用保守は、WinActorなどのツールを用いて実際にロボットを構築する工程です。
主に、作成後のエラー対応やシステムの仕様変更に伴うメンテナンスが重要な役割となります。
この工程では、作成者が異動・退職した後に内容が分からなくなる「ブラックボックス化」や
「野良ロボット」の発生を防ぐために、共通の管理ルールを設置する必要があります。
管理ルールが徹底されていないと、属人化やヒューマンエラーが発生するリスクがあるため注意が必要です。
安定稼働を維持するためには、作成者以外でも内容が把握できるような分かりやすい設計を心がけ、ブラックボックス化を防ぐ工夫を行いましょう。
RPAを導入するうえで、円滑に進めるためにも社内展開と教育推進が重要です。
RPA人材にとって、一部署の成功を全社へ波及させる横展開のプロセスは極めて大事な役割です。日頃のコミュニケーションを大切にし、周囲を巻き込んでいく行動力こそが成功の鍵となります。
具体的には、ナレッジの共有会を開催したり、他部署の担当者に操作方法をレクチャーしたりして、組織全体のITリテラシーを高める役割が期待されます。社内でのRPA利用率を向上させ、DX推進を加速させるための「伴走者」としての貢献が求められるでしょう。
また、RPA活用を現場任せにするのではなく、専門エンジニアが設計から保守まで寄り添う「伴走支援」の体制を整えることも大切です。現場の挫折を防ぐ鍵となるため、状況を把握しながら施策を進める必要があります。
たとえば、カンロ株式会社様では、初期研修の実施後に一定期間ツールを試せる環境を用意し、社内で作成したシナリオの成果発表会を開催することで、他部署の関心を高めながら活用を広げています。
このように「学ぶ→試す→共有する」の流れを設計することで、RPA活用を継続的に広げやすくなります。
事例の詳細は以下のページをご覧ください。
▶カンロ株式会社様 RPA(WinActor)導入事例

RPA人材には、必ずしも高度なプログラミング能力が必要とされるわけではありません。しかし、論理的な思考力や現場の課題を解決する能力は不可欠です。
本章では、業務を円滑に自動化するために求められる5つの必須スキルを具体的に挙げ、未経験からでもこれらの能力をどのように身につけ活用すべきかを解説します。
RPA人材に必要なスキルとして、まずは、業務を細かなステップに分解し、再構築するプロセス設計力が求められます。また、「もしAならB」といった条件分岐や繰り返し処理を組み立てる論理的思考力も必要になるでしょう。
これらはWinActorなどの直感的なツールを扱う際にも基本となる能力であり、効率的でミスが起きにくいシナリオを作成するための土台となります。
自社の業務の中から「何を自動化すべきか」を見極める課題発見力もRPA人材に求められるスキルの一つです。単に手作業をロボットに置き換えるだけでなく、その業務が本当に必要か、手順を簡略化できないかといった分析的な視点が求められます。
RPA導入前に業務の見直しを行うことが、自動化の効果を最大限に引き出すために必要な対応といえるでしょう。
現場の担当者から業務内容を正確にヒアリングするには、高いコミュニケーション能力が欠かせません。
現場の悩みや隠れた手順を引き出し、技術的な可能性と結びつけるための「橋渡し役」としての能力が求められます。
より現場に近い人材であれば、お互いの現状を把握しやすく、課題も見つけやすいでしょう。周囲の理解と協力を得られるほど、組織全体でのRPA活用を円滑に進めることができます。
ノーコードツールであっても、PC操作の基本やネットワーク環境などのITリテラシーは必須です。
加えて、変数やループといったプログラミングの基礎概念を理解していると、複雑なシナリオもスムーズに作成できるようになります。
専門的なコードを書く必要はありませんが、論理構造を把握するための基礎知識が、高品質な開発に影響する可能性が高いです。
また、エンジニアの場合は、RPAを活用するうえで高度なプログラミングは不要でも、VBScriptやHTML/CSSの基礎知識があれば、エラーに強い独自のライブラリ作成やブラウザ操作の精度を向上させることも可能です。
IT技術や社内のシステム環境は絶えず変化するため、新しい情報を積極的に取り入れる柔軟性がRPA人材には求められるでしょう。近年では、AIとの連携や機能を備えたRPAツールも登場し、新しい機能がどんどん追加されるケースも少なくありません。
ツールのアップデートや新しい自動化手法に対して抵抗なく学び続け、既存のシナリオを最適化し続ける姿勢が大切です。
また、「RPA×既存の業務知識」を掛け合わせることで生まれる付加価値は非常に大きいため、現状の知識とうまく組み合わせる柔軟な考え方が求められます。
昨今は、労働力不足の課題もあり、より業務効率化を進めるべく、AIやSaaSの導入が進んでいますが、それらのツールが乱立することで、逆に「ツール間のデータ転記」という新たな非効率が生まれているケースもあります。
今のRPA人材には、単なる自動化だけでなく、AIや他システムとRPAを繋ぎ、全体最適化を行う視点も求められています。
【関連記事:RPA×AIで広がる自動化の可能性】
最近では生成AIとRPAを組み合わせることで、従来のRPAだけでは難しかった「非定型業務の自動化」も可能になっています。たとえば、届いたメールの意図をAIが判断し、その内容に基づいてRPAが適切なシステムへ入力するといった連携です。
このようにAIとRPAを使い分けることで、人間が行っていた「判断」の領域まで自動化の範囲を広げることができ、業務効率は飛躍的に向上します。
詳細については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
▶ RPAとAIの違いとは?メリットや組み合わせによる活用事例を解説

どのような社員をRPA担当に選ぶべきか、その適性についても把握しておく必要があります。
RPA運用に向いている人を適切に選定することで、現場の抵抗を抑え、IT化をより強力に推進できるようになるためです。
また、現場主導の導入を成功させるには、現時点でのITスキル以上に、「現状の課題を自分たちの手で改善したい」という強い意欲や、細かな作業を厭わない適性が重要になります。
本章では、RPA運用に向いている人の特徴を整理し、適任者を見極めるための具体的な判断基準や、人選で意識すべきポイントについてご紹介します。
「もっと楽に、正確に仕事をしたい」という強い改善意欲を持つ人は、RPA担当に最適です。新しいIT技術を学ぶことに抵抗がなく、試行錯誤しながら自動化を進めるプロセスを楽しめる人材は、早期にスキルを習得しやすい傾向があります。
自発的に業務の見直しを提案し、組織全体の生産性向上を牽引するリーダーとしての活躍が期待できるでしょう。
反対に、現状維持を好み、変化を嫌うというような人は、RPA運用において課題が生じやすいため注意が必要です。
例外的な処理を含め、事務手順の細部まで注意を払える人は、精度の高いシナリオを作成できます。
RPAは指示通りにしか動かないため、細かい手順の漏れがエラーの原因となる可能性が高いです。
また、営業事務や経理などの「現場のプロ」がRPAを学ぶのも良い対策です。実際に、2ヶ月という短い期間で即戦力人材へ成長した事例も公開されており、さらに、RPA導入による自動化で、10人分のコスト削減と業務効率化(生産性向上)を実現し、業務品質の向上につながっています。
ここまで、RPA運用に向いている人の代表的な特徴を見てきました。
しかし、実際に社内から適任者を選抜する際、「具体的に何を基準に評価すればよいのか」と頭を悩ませる担当者の方も少なくありません。
適性判断にはいくつかの観点がありますが、最初からすべての項目を完璧に満たしている人材は稀です。そのため、導入の成功率(確度)を高めるには、一度の面談などで結論を出すのではなく、担当候補者の「潜在的な伸びしろ」を確認するための“ミニトライアル”を実施するのも一案です。
たとえば、次のような小さな課題を1〜2週間ほど試してみることで、現時点の知識量だけでなく、RPA運用に不可欠な「論理的に業務を整理する力」や「改善を継続する姿勢」を把握しやすくなります。
業務の3分説明:担当業務を「目的・入力・処理・例外・出力」の順で簡潔に説明してもらう
手順書の整理:複雑な作業手順を、10ステップ以内の明確なアクションにまとめてもらう
例外条件の特定:自動化の妨げになりそうな「イレギュラーなケース」を3つ書き出してもらう
自動化候補の選定:日常の「面倒な繰り返し作業」を記録し、自動化したい優先順位を付けてもらう
このように実際にアウトプットを依頼することで、合否を決めるだけでなく、「どこが強みで、どの部分を教育で補えばよいか」という育成の方向性も見えやすくなります。
人選の最終確認として、以下のチェックリストもあわせてご活用ください。
| 【 】 |
業務のムダに気づき、自ら効率化を提案する姿勢があるか |
| 【 】 | 複雑な作業手順をステップごとに分解し、他者に説明できるか |
| 【 】 | 現場の課題解決のために、粘り強く試行錯誤を繰り返せるか |
| 【 】 | 他部署の担当者とも円滑に意思疎通を図るコミュニケーション能力があるか |
| 【 】 | 新しいITツールや技術を学ぶことに対して、知的好奇心を持っているか |

RPA人材を確保する手段は、大きく分けて「社内人材の育成」と「外部リソースの活用」の2つのルートがあります。
どちらのルートを選択すべきかは、導入の緊急度や予算、将来的に自社でどこまで運用を内製化したいかという目標によっても異なるでしょう。
また、人材の確保・選定にあたっては、単なる業務命令としてではなく「社員自身のキャリアパスを広げる機会」として提示することが重要です。
RPAスキルを習得することは、DX人材としての市場価値を高めるだけでなく、単調な入力作業から解放され、よりクリエイティブな企画・改善業務へシフトできるという、働き方そのものの質を変える大きなメリットがあるためです。
企業側がこうした「個人にとっての価値」を明確に示すことで、社員の学習モチベーションが向上し、結果として組織全体のDX推進を加速させることにつながります。
本章では、それぞれのルートが持つ特徴やメリットについて詳しく解説します。
RPA人材を育成する観点から、現場の業務を熟知している既存社員がRPA人材としてのスキルを習得し、新たな役割を担う方法があります。このルートの最大のメリットは、社内の業務プロセスに精通しているため、実務に即した効率的な自動化が進みやすい点です。
また、外部ベンダーの「認定制度」や「eラーニング」を活用し、標準化されたカリキュラムで育成すれば、スキルのバラつきが防げます。長期的に運用コストを抑えたい企業におすすめのルートといえるでしょう。
ただし、単に操作方法を教えるだけでは十分ではありません。現場が自発的に改善を続ける「仕組み」を構築することが、DX成功への最短ルートとなります。一部のスキル保持者に依存せず、組織としてノウハウが蓄積される体制を目指しましょう。
教育がバックボーンにあるヒューマンリソシアの教育支援サービス
とはいえ、「自社でゼロから研修を立ち上げるのはハードルが高い」と感じる企業様も少なくありません。
総合人材サービスとして「教育」をバックボーンに持つヒューマンリソシアでは、未経験者でも着実にステップアップできる多様なプログラムを提供しています。
これまで1,700社、13,500名以上の方にご受講いただき、受講者の88%(※)から「研修内容に満足」との回答をいただくなど、確かな実績と信頼を築いてきました。
自社のリソースを最適化しつつ、質の高い教育体制を整えたい場合は、ぜひ以下のサービスをご活用ください。
WinActor 操作研修をはじめとした研修サービス
レベルに合わせた実践的なカリキュラムで習得をサポートします。貴社の課題に合わせたカスタマイズ研修にも対応可能です。
WinActor eラーニング講座
自分のペースで、場所を選ばず基礎から応用まで学習が可能です。
Power Automate for desktop 研修
Microsoft製品との連携を深め、業務効率化を加速させたい企業におすすめです。
※当社実施「WinActor操作研修」受講者アンケート結果より (調査対象:WinActor操作研修受講者、回答数:736件、集計期間:2024年7月1日~2025年6月16日)
もう一つのルートが、キャリア採用や人材派遣、アウトソーシングサービスを活用して外部からプロを招き入れる方法です。即戦力を確保できるため、導入初期の体制構築をスピーディーに進めたい場合におすすめです。プロの技術を社内に取り入れられるので、プロジェクト全体の質を高める効果も期待できます。
自社でRPA人材を育成しようと考えている企業も、最初からすべて自社でやろうとする必要はありません。導入初期は、シナリオ開発や運用ルールの整備といった技術的な土台作りを派遣やアウトソーシングに任せることで、プロジェクトを確実に立ち上げることができます。
現場にプロの技術を取り入れつつ、社内人材はそれを活用した社内展開の推進に注力し、徐々に全体を「内製化」へシフトするハイブリッド型の進め方を実践すれば、効率よくRPA導入が実現できます。
近年では、将来的な自走(内製化)を見据えて、初期段階のみプロの「伴走支援」を受ける企業も増えています。自社の規模や業界に合った支援会社を選ぶことで、失敗のリスクを最小限に抑えられます。
RPAの内製化支援サービスについては以下の記事もご覧ください。
【関連記事】 RPA内製化支援サービス5選!企業規模・業界別に最適な選び方を解説
社内人材のスキルレベルを客観的に評価するには、資格取得を推奨するのも一案です。なかでも、RPA技術者検定の「アソシエイト」は基本知識の証明に活用できます。
具体的な資格の概要や合格に向けたロードマップを知りたい方は、本コラムの別記事にある「WinActor資格(RPA技術者検定)アソシエイトのおすすめ勉強方法7選!合格する方法を徹底解説」を、ぜひご覧ください。
WinActor資格(RPA技術者検定)アソシエイトのおすすめ勉強方法7選!合格する方法を徹底解説
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本記事では、RPA人材に求められるスキルや役割、そして効率的な育成・確保の手法について解説いたしました。
RPA導入をはじめ、DX推進を成功に導く鍵は、ツールの導入そのものではなく、それを使いこなせる「人」の育成と確保にあります。しかし、研修でのスキル習得や、あるいは人を採用するといった「点」の施策だけでは、組織全体のDXを加速させるのは困難です。
重要なのは、現場が自発的に改善を続ける「仕組み」を組織内に構築することです。
ヒューマンリソシアでは、RPA人材の育成から、即戦力人材の派遣、内製化に向けた伴走支援まで、お客様のフェーズに合わせた総合的なDX支援を行っています。
「何から手をつければよいかわからない」「育成がうまくいかない」とお悩みの際は、ぜひ一度ご相談ください。豊富な実績に基づいたアプローチで、貴社の自動化体制の構築を強力にサポートいたします。
【よくあるご質問】
Q. RPA人材には具体的にどのような役割が求められますか?
A: RPA人材に求められる主な役割は、業務の洗い出しと可視化、シナリオ開発と運用保守、社内展開と教育推進(横展開)の3つです。
A: 導入フェーズから運用、さらには他部署への横展開まで、多岐にわたるフェーズで重要な役割を担うのがRPA人材のスキルとして必要です。
Q. RPA人材に欠かせないスキルは何ですか?
A: 業務プロセス設計力と論理的思考力、現場の課題を発見し分析する能力、円滑な導入を支えるコミュニケーション能力、ITリテラシーと基礎的なプログラミング知識、変化に対応し学び続ける柔軟性の5つです。
A: 専門的なコードを書く必要はありませんが、論理構造を把握するための基礎知識が、高品質な開発に影響する可能性が高いです。
Q. どのような社員がRPAの担当に適していますか?
A: 「もっと楽に、正確に仕事をしたい」という強い改善意欲を持つ人は、RPA担当に最適です。
A: 事務作業の細部を正確に把握できる人は、精度の高いシナリオを作成することが可能です。
Q. RPA人材を確保するための効果的なルートはありますか?
A: RPA人材を確保する手段は、大きく分けて「社内人材の育成」と「外部リソースの活用」の2つのルートがあります。
A: 導入初期は派遣やアウトソーシングを活用して土台を作るのも良い対策といえるでしょう。
本コラム内容について
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