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RPA化とは?向いている業務5選と導入4ステップを解説|業務自動化の事例付

作成者: ヒューマンリソシア編集チーム|Jan 19, 2026 7:46:26 AM

                                                                                                                                                                                  2026.1.19-          


RPA化に興味はあるものの、「どの業務から自動化すべきか」「失敗しない進め方は何か」で迷う方は多いのではないでしょうか。
特に毎月の締め作業や膨大なデータ集計に追われていると、「残業や入力ミスへのプレッシャーを減らせないか」と考えたくなるものです。
とはいえ、やみくもにRPAを導入しても、現場が混乱する可能性があります。

本記事では、RPA導入を任された方、業務の自動化を検討中の方に向けて、RPA化に向いている業務を見極める5つの基準と、失敗を防ぐための導入4ステップ、そして部門別の具体的な活用事例をまとめてご紹介します。

 

目次 



 

RPA化とは?「業務の自動化」の基本

RPA化とは、PC上で行っている定型的な業務を「RPAツール(Robotic Process Automation)」を用いて自動化することを指します。
RPAは「ソフトウェアロボット」と呼ばれ、人間がマウスやキーボードで行う操作を記録し、それを正確に再現します。
たとえば、毎月の売上データをExcelから基幹システムへ転記する作業や、複数のシステムから情報を集めてレポートを作成する作業など、手順やルールが決まっている業務をロボットが代行してくれるのです。

RPA化によって、これまで何時間もかけていた作業がわずか数分で完了するようになり、転記ミスもゼロになります。
実際の活用シーンでは、経理部門をはじめとするバックオフィス業務では、月次の締め作業や伝票入力、消込作業などで大きな効果を発揮しています。

RPA・ITシステム・AIとの違いは?

では、私たちが普段使っている「ITシステム」や、近年話題の「AI」とは、具体的に何が違うのでしょうか。
RPA、ITシステム、AIはそれぞれ異なる役割を持っています。混同されやすいこれらの違いを理解しておきましょう。

RPAは「手足」の役割
あらかじめ設定されたルールや手順に従って、PC上の操作を忠実に実行します。人間が行うマウスのクリックやキーボード入力、データのコピー&ペーストなどを自動で繰り返すイメージです。

ITシステムは「基盤」の役割
業務全体のデータを一元管理し、企業活動を支える土台となるものです。基幹システムや会計システムなど、業務プロセス全体を支える仕組みを指します。

AIは「頭脳」の役割
データから学習し、自ら判断を下せる点がRPAと大きく異なります。画像認識や音声認識、予測分析など、人間の思考を模倣した複雑な処理が可能です。

つまり、RPAはあくまで「決められた通りに動く手足」であり、AIのように自分で考えて判断することはできません。しかし、この「忠実に繰り返す」特徴こそが、定型業務の自動化において大きな強みとなっています。

 

 

RPA導入による3つのメリットとデメリット

RPA導入を検討する際、メリットだけでなくデメリットも正しく理解しておくことが重要です。

本章では、実際に導入した企業の声をもとに、両面から解説します。
適切な対策を知ることで、安心して導入を進められるようになります。

RPA導入がもたらす主なメリット

RPA導入の最大のメリットは、担当者目線で実感できる「働きやすさの向上」にあります。

まず、作業時間を大きく削減できることです。
毎月の締め作業や大量の伝票入力といった繰り返し業務をRPA化すれば、担当者が残業して対応していた作業の一部をロボットに任せられます。

次に、「ミスの削減による安心感」です。
たとえば、月末の締め作業で何百件もの伝票を入力する際、一件のミスが全体の数字に影響することもあります。RPAは設定した手順通りに処理を行うため、ヒューマンエラーを大幅に減らすことができます。

また、精神的負担の軽減も重要なポイントです。
単調な入力作業を何時間も続けるのは、想像以上にストレスがかかります。
ロボットに任せることで、その時間を分析業務や改善提案など、より創造的な仕事に充てられるようになります。

コア業務に集中できる環境が生まれることで、経理部門であれば経営分析や予算管理といった本来の専門性を発揮できる業務に時間を割けるようになり、また、業務量のピークを乗り切れるといった効果も期待できます。

知っておくべきデメリットと対策

一方で、RPA導入にはデメリットやリスクも存在します。ただし、多くは適切な運用ルールや、体制の整備によって軽減・回避が可能なものです。

①システム変更で止まるリスク
RPAは画面の位置やボタンの配置を記憶して動くため、基幹システムのバージョンアップや画面レイアウトの変更があるとシナリオを修正しない限り動かなくなることがあります。対策としては、システム変更時にRPA担当者へ必ず連絡する社内ルールを作り、事前にシナリオを確認・修正しておくことが重要です。

②野良ロボット化(ブラックボックス化)のリスク
担当者が異動や退職した後、誰もメンテナンスできないロボットが放置されてしまう状況を指します。これを防ぐには、ロボット作成時に必ずドキュメント化を行い、管理台帳などで全ロボットを一元管理する体制を整えることが有効です。

③業務停止のリスク。
ロボットが停止した時に、誰も手作業でカバーできない状態になっていると、かえって業務が滞ってしまいます。手作業での代替手順を残しておくことや、エラー発生時に通知を受け取れる仕組みを設定しておくことが大切です。

このように、RPA化に伴うリスクは「運用ルールの整備」と「ガバナンス体制の構築」によって十分に管理できます。
デメリットを理由に導入を見送るのではなく、適切な対策を講じながら活用していくことが成功への道です。

 

 

RPA化に向いている業務とは? 5つの選定基準

「うちの業務はRPA化できるのか?」という疑問を持つ方は多いはずです。

本章では、RPA化に適した業務を見極めるための5つの選定基準をご紹介します。自部門の業務と照らし合わせながら、RPA化の候補を整理してみてください。

1. 定型化されたPC作業

RPAが最も得意とするのは、判断が不要で手順が固定されている定型作業です。

毎日・毎週・毎月など定期的に発生し、やり方が決まっている業務こそRPA化の候補となります。たとえば「毎朝9時にシステムAからデータをダウンロードし、Excelで加工して、システムBにアップロードする」といった一連の流れは、RPAに任せやすい典型例です。

マニュアル化できるかどうかが判断のポイントになります。
「この画面を開く」、「このボタンを押す」、「このデータをコピーして貼り付ける」といった手順を明確に書き出せる業務は、RPA化に向いています。

2. データ収集・加工 ルールが明確な業務

Webサイトやシステムからデータを集め、Excelにまとめるような「収集・加工」作業はRPAの得意分野です。

具体例を挙げると、複数の取引先サイトから毎日の受注情報を確認し、Excelの一覧表に転記する作業。人間が行うと1時間以上かかる作業でも、RPAなら短時間で完了させることが可能です。

ECサイトの価格調査、競合他社の商品情報収集、求人サイトからの情報取得なども自動化できます。手作業では時間がかかりすぎて諦めていたデータ収集も、RPA化によって日次・週次で継続的に実行できるようになります。

情報収集の頻度が上がることで、より迅速な意思決定が可能になり、ビジネスチャンスを逃しにくい体制を作ることができます。

3. ルールが明確な業務

「AならB、CならD」といった条件分岐が明確な業務は、RPAで自動化しやすい特徴があります。

請求書処理を例にすると、「金額が一定額以上なら上長承認、それ以上なら部長承認」といったルールがあれば、RPAはそのルールに従って自動で処理を振り分けられます。

また、一例として、経理の消込作業でも「入金額と請求額が一致していれば自動消込、不一致なら担当者に通知」といった判断ルールを設定できます。

重要なのは、ルールが文書化されており、例外処理のパターンもある程度明確になっていることです。暗黙知や属人的な判断が多い業務は、まずルールを明文化してからRPA化を進めるとスムーズです。

4. 複数システム・アプリ間でのデータ転記

「Excelから基幹システムへ」「メールからSFAへ」など、システムをまたぐ転記作業こそRPAの真骨頂です。

従来のITシステムでは、システム間のデータ連携に多額の開発費用がかかることもありました。しかし、RPAなら人間が画面を操作する手順をそのまま自動化できるため、システム改修なしで連携を実現できるケースも多くあります。

営業部門では、顧客からのメール内容をSFAに転記する作業、経理部門では、請求書データを会計システムに入力する作業など、部門を問わず転記作業は存在します。

複数のシステムを行き来する作業は、ミスも発生しやすく時間もかかるため、RPA化によって、正確性とスピードを同時に向上させやすい領域です。

5. 大量のデータ処理

手作業ではミスが出やすい大量データの処理も、RPAなら高速かつ安定して実行できます。

月次の売上集計で何千件ものデータを扱う場合、人間が処理すると数日かかることもありますが、RPAを活用することで大幅な時間短縮が期待できます。給与計算における全社員分の勤怠データ集計、在庫管理における商品マスタの更新作業、顧客データベースの重複チェックと統合処理なども、大量データを扱う典型的な業務です。

処理件数が多いほどRPA化の効果は大きくなります。「データ量が多すぎて手が回らない」と感じている業務こそ、RPA化の優先候補として検討する価値があります。

RPA化候補業務の簡易チェック例
自部門の業務をRPA化できそうかどうか判断する際は、次のような観点でチェックしてみると整理しやすくなります。

業務例
定型性 データ量 ルールの
明確さ
RPA化
候補度
売上データの集計・レポート作成
売掛金の消込作業
経費精算データの取りまとめ
新規取引先の情報収集・一覧化
クレーム内容の判断・対応方針の決定

※「◎:非常に向いている」「:向いている」「△:慎重に検討が必要」といったイメージです。
このような観点で洗い出しておくと、後述の「業務可視化」やRPA化対象の選定がスムーズになります。

 

 

注意!RPA化に向いていない業務 4つの特徴

RPA化に向いている業務がある一方で、避けるべき業務も存在します。
無理に自動化を進めると、かえって手間が増えてしまうこともあります。
本章では、RPA化に不向きな業務の特徴を4つご紹介しますので、導入前の判断材料としてください。

1. 人間の「判断」が必要な業務

クレーム対応の判断や、手書き文字の判読など、人の思考が必要なものはRPAには不向きです。

「このお客様の状況なら、こう対応すべき」といった経験に基づく判断や、「この問題は複雑だから、別の方法を考えよう」といった柔軟な思考はRPAにはできません。

顧客との交渉、企画立案、問題解決といった創造的な業務は、引き続き人間が担う領域です。RPAに定型業務を任せることで、こうした付加価値の高い業務に時間を使えるようになる、という役割分担を意識しましょう。

2. 業務ルールや画面仕様の変更が頻繁な業務

修正コストがかさむため、ルールが固まっていない業務はRPA化を急がない方が賢明です。

RPAのシナリオ(ロボットへの指示)を作成するには一定の工数がかかります。せっかく作っても、すぐに業務ルールが変わってしまえば、そのたびに作り直しになってしまいます。

新規事業や実験的なプロジェクトの業務、法改正の影響を受けやすい業務など、変更頻度が高いものはRPA化を見送る判断も必要です。

まずは業務が安定し、ルールが固まっている領域からRPA化を進めることで、投資対効果を高めやすくなります。

3. 例外処理が多すぎる業務

イレギュラー対応ばかりの業務は自動化の効果が薄くなります。

「基本的にはAだが、取引先Bの場合はC、商品Dの場合はE...」と例外パターンが無数にある業務では、すべてのパターンをRPAに設定するのに膨大な時間がかかります。

100件の処理のうち、90件が定型処理で10件が例外処理という業務なら、まずは定型部分だけRPA化し、例外処理は人間が対応するという使い分けも有効です。

一方で、例外処理の割合が高すぎる業務は、RPA化より業務標準化を優先した方が良いケースもあります。まず業務プロセスを整理し、例外を減らしてからRPA化を検討すると良いでしょう。

4. PC上で完結しないオフライン業務

紙の書類整理や電話対応など、物理的な作業はRPAの管轄外です。

RPAはあくまで「PC上の操作」を自動化するツールであり、郵便物の開封、書類のファイリング、来客対応、電話での問い合わせ対応などはできません。

ただし、紙の書類をスキャンしてデータ化した後の処理や、電話の内容をシステムに記録する作業など、「デジタル化した後の工程」はRPA化できます。

業務全体を見渡して、どこからどこまでがPC作業なのかを整理し、自動化できる部分とできない部分を切り分けることが大切です。紙ベースの業務が多い場合は、まず電子化を進めることがRPA化への第一歩となります。

 

 

【部門別】RPA活用事例

実際にどのような業務でRPAが活用されているのか、部門別の具体例を見ていきましょう。

経理、人事・労務、営業・マーケティング、総務の各部門で、どんな作業が自動化され、どのような効果が出ているのかをご紹介します。

【経理部門】売上集計・伝票入力・消込作業

経理部門はRPA化の効果が最も大きい部門の一つです。毎月の締め作業や消込など、具体的な苦労を解決できる場面が数多くあります。

売上集計業務では、複数の販売システムからデータを抽出し、Excelで集計して会計システムに転記する一連の流れを自動化できます。
従来は担当者が夜遅くまで残業していた作業が、RPAによって早朝に自動実行され、出社時には結果を確認するだけで済むようになる、といった活用も可能です。

伝票入力業務も大きな負担です。営業部門から上がってくる売上伝票を一件ずつ基幹システムに入力する作業は、件数が多い月末ほど大きな負担になります。RPAなら決まったフォーマットのExcelから自動で読み取り、システムに入力させることができます。

消込作業は特に神経を使う業務です。入金明細と売掛金台帳を照合し、一致するものを消し込んでいく作業では、金額が合わないケースや入金が複数に分かれているケースなど、確認作業に時間がかかります。RPAを活用すれば、単純な一致パターンを自動処理し、不一致のものだけ担当者に通知することで、確認すべき件数を大きく減らすことができます。

ある企業では、月次決算の締め作業にかかる時間が3日から1日に短縮され、担当者の精神的負担も大きく軽減されたと報告されています。

経理業務でのRPA活用についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのコラム記事もご覧ください。
▶経理業務向けRPA導入事例!自動化ツールを導入した業務効率化の成功事例を紹介!

【人事・労務部門】勤怠管理・給与計算 

人事・労務部門では、全社員分のデータを扱う業務が多く、RPA化による効果が大きい領域です。

勤怠管理業務では、毎月の勤怠データを勤怠システムからダウンロードし、残業時間の集計や有給休暇の残日数計算、過重労働対象者の抽出などを自動化できます。一定時間を超える残業社員を自動検知し、上長にアラートメールを送る仕組みは、働き方改革の推進にも貢献しています。

給与計算業務では、勤怠データと連動した残業代計算、交通費精算データの取り込み、給与明細の作成と配信などをRPA化できます。全社員分のデータを処理するため、手作業では膨大な時間がかかりますが、RPAを活用すれば短時間で処理できるようになります。

採用業務でもRPA化が進んでいます。求人サイトからの応募者情報を採用管理システムに登録する作業や、面接日程調整のメール送信、選考状況の更新など、定型的なやり取りを自動化することで、採用担当者は候補者とのコミュニケーションにより多くの時間を割けるようになります。

【営業・マーケティング部門】見積作成・情報収集・レポート集計 

営業・マーケティング部門では、顧客対応の時間を増やすためにRPAが活用されています。

見積作成業務では、顧客情報と商品マスタから自動で見積書を生成し、PDFで出力する作業を自動化できます。従来は営業担当者が一件ずつExcelで作成していた見積書が、ボタン一つで完成するイメージです。

SFAへのデータ入力も自動化の対象です。名刺交換した情報をSFAに登録する作業、商談後の報告書を入力する作業など、営業担当者にとって負担だった事務作業をRPAが代行します。
営業は本来の顧客対応に時間を使えるようになります。

市場調査や情報収集の自動化は、マーケティング業務において非常に効果的です 。たとえば、Web上の公開情報を定期的に確認して一覧にまとめたり、自社SNSへの反響を集計したりする定型作業は、RPAが得意とする領域のひとつです。

週次・月次レポートの自動作成も効果的です。複数のシステムから売上データや顧客データを収集し、PowerPointやExcelで定型レポートを作成する作業を自動化できます。
毎週金曜日の夕方に自動実行され、月曜朝には最新レポートが完成している、という運用も可能です。

【総務部門】取引先の情報確認・書類作成

総務部門では、コンプライアンスチェックや定型書類の作成でRPAが活躍しています。

取引先の与信管理では、新規取引先の企業情報をWebサイトから収集し、信用調査会社のデータベースと照合する作業を自動化できます。反社チェックや財務状況の確認など、コンプライアンス上重要な業務を正確かつ迅速に実行できます。

契約書や定型書類の作成も自動化の対象です。社内の申請情報をもとに契約書の雛形に自動で情報を埋め込み、PDF化して関係者にメール送付するまでの一連の流れをRPAで処理できます。

備品管理や施設予約の管理業務でも、申請内容のシステム登録や確認メールの送信などを自動化し、総務担当者の手間を減らすことができます。

 

 

 

 

 

「業務のRPA化」を成功させる導入4ステップ

RPA導入を成功させるには、正しい手順で進めることが不可欠です。
プロジェクトの期間目安として、単一の小規模業務であれば、準備から運用開始まで数週間から数か月ほどかけるケースが多く見られます。ただし、具体的な期間は対象業務の複雑さや社内体制により変動します。

進める際に、無理のないスケジュールを設定し、関係者間で共有しておくことが大切です。

本章では、準備から保守・管理まで、実践的な4つのステップを解説します。
初めてRPAに取り組む方でも、この流れを参考に進めることで、成果を出しやすくなります。

ステップ1. 準備:業務の洗い出しとRPA化対象の選定

このステップはRPA化成功のために最も重要なフェーズです。

まずは部門内の全業務を洗い出しましょう。「誰が、いつ、どんな業務を、どのくらいの時間をかけて行っているか」を可視化します。
業務棚卸シートを作成し、業務名、担当者、頻度(日次/週次/月次)、所要時間、使用システムなどを記録していきます。

次に、RPA化する業務の優先順位を決めます。選定の主な基準は以下の通りです。

  • 定型化されており手順が明確
  • 処理件数や頻度が多い
  • 複数システムをまたぐ転記作業がある
  • 現在の所要時間が長く、削減効果が大きい
  • ルール変更の頻度が低い

最初は「小さく始めて成功体験を積む」ことが大切です。いきなり複雑な業務に挑戦するのではなく、シンプルで効果が見えやすい業務からRPA化を進めていきましょう。

業務可視化についてさらに詳しく知りたい、業務の洗い出し方法で悩んでいるという方は、以下のホワイトペーパーをご覧ください。
RPA化すべき対象業務の選定ポイントや業務可視化のメリット、さらに、業務整理に役立つ「業務棚卸し・シナリオ作成準備シート」もついています。ぜひご活用ください。

▶RPA化対象業務選定のポイントと業務可視化のメリットとは:資料はこちら

ステップ2. 設計・開発:RPAツール選定とシナリオ作成 

次に、RPAツールの選定とシナリオ作成を行います。このステップでは、現場が使い続けられるツールかどうかが重要です。

RPAツールには、プログラミング不要で使えるもの、クラウド型とオンプレミス型など、様々な種類があります。自社の環境や予算、担当者のスキルレベルに合わせて選びましょう。

特に、以下のような点を確認しておくと安心です。

・日本語のマニュアルやサポート体制が充実しているか
・トライアル期間で実際に触ってみて使いやすいか
・社内で利用しているシステムとの相性に問題がないか

シナリオ作成とは、ロボットへの指示出しのことです。

「このボタンをクリックする」「このデータをコピーする」「この画面に貼り付ける」といった一連の操作手順を設定していきます。

初めてのシナリオ作成では、経験豊富なパートナー企業のサポートを受けることをおすすめします。基本的な作り方を学べば、その後は自社でメンテナンスできるようになっていきます。

RPA化にかかる費用も検討しよう

RPA化の検討時には、費用面も気になるポイントです。実際の金額は、選ぶツールやRPA化する業務の規模によって大きく変わります。

RPA化を実現するためには何に、どのくらいの費用がかかるのか、詳しく知りたい方は、以下のコラムをご覧ください。RPAの導入費用の相場や主なRPAツールの価格比較、選び方のポイントを詳しく解説しています。

▶RPAの導入費用(コスト)相場はどれくらい?自動化RPAツール価格比較や選び方をご紹介

ステップ3. 運用・実行:スモールスタートと効果検証

運用を開始する際は、いきなり全社展開せず、小さな業務から始めて成功体験を積む「スモールスタート」をおすすめします。

まずは1つの業務でテスト運用を始めましょう。最初の1〜2週間は、ロボットの処理結果を人間がダブルチェックし、正確に動いているか確認します。

エラーが発生したら原因を分析し、シナリオを修正していきます。この試行錯誤のプロセスが、社内にRPA運用のノウハウを蓄積していくことにつながります。

あわせて、効果検証も忘れずに行いましょう。削減できた作業時間、ミスの件数、担当者の残業時間などを数値で記録します。成果を可視化することで、経営層への報告や他部門への展開がスムーズになります。

成功事例ができたら、社内で共有し、「自部門でもRPA化に取り組んでみたい」という声を引き出していきましょう。

ステップ4. 保守・管理:メンテナンスとガバナンス体制 

RPA化は、ロボット(シナリオやフロー)を作って終わりではありません。作りっぱなしにせず、継続的に運用・改善していく体制づくりが必要不可欠です。

システム変更やルール変更があった際に、誰がシナリオを修正するのかを明確にしておきましょう。担当者の異動や退職に備えて、複数名で管理できる体制を作ることも大切です。

ロボット管理台帳を作成し、全ロボットの情報(業務名、作成者、更新日、利用システム、実行スケジュールなど)を一元管理することで、野良ロボット化を防げます。

あわせて、以下のようなドキュメントも整備しましょう。

・シナリオの処理フロー図
・エラー発生時の対応手順
・手作業への切り戻し手順

また、定期的な棚卸も重要です。半年に一度を目安に「このロボットはまだ必要か」「効果は出ているか」を確認し、不要になったものは停止するといった見直しも必要です。

 

 

RPA導入で失敗しないための3つのポイント

せっかくRPA化に取り組んでも、ツールがうまく活用されず、使われなくなってしまう企業も少なくありません。

本章では、RPA導入で失敗しないために押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
導入前に理解しておけば、社内に定着し、継続的に効果を生み出せる体制を作りやすくなるため、参考にしてください。

ポイント1. 導入目的を明確にする 

まず「RPA導入」自体を目的にせず、「何の課題を解決するか」を忘れないようにしましょう。

具体例を挙げると、「残業時間を月20時間削減する」「月次決算を2日早める」「ミスによる修正作業を減らす」など、できるだけ具体的なイメージを持つ数値目標を設定することが大切です。

目的が曖昧なまま導入すると、「とりあえず何か自動化しよう」となり、効果の薄い業務ばかりRPA化してしまいがちです。経営層や現場と目的を共有し、全員が同じゴールを目指せる状態を作りましょう。

導入後も定期的に目的に立ち返り、「当初の課題は解決できているか」「新たな課題は見えてきていないか」を確認することで、RPA活用の方向性を見失わずに済みます。

ポイント2. 現場を巻き込み、ブラックボックス化を防ぐ

RPA化を成功させている企業の多くは、情報システム部などのIT関連部署任せにせず、業務を知る「現場」を巻き込んで推進しています。

なぜなら、どの業務をどう自動化すれば効果的かは、実際に業務を行っている現場の人が一番よく知っているからです。

システム部門は技術面を支え、現場の意向がシナリオにスムーズに反映されるような連携体制を築くことが、RPA化への成功の鍵です。また、教育や環境整備を通じて、現場主導での運用が可能になれば、業務のブラックボックス化や、属人化のリスクも防げます。

ポイント3. 導入・運用支援に強いパートナーを選ぶ

RPA化を成功させるには、ツール販売だけでなく、教育やシナリオ作成支援まで伴走してくれるパートナー選びも重要です。

RPA導入で失敗する企業の多くは、「ツールを買って終わり」になってしまうケースです。ツールを買っても、使いこなせなければ意味がありません。

たとえば、次のようなサポートの提供があるかどうか確認してみましょう。

  • 導入前の業務分析と対象業務の選定支援
  • 初期のシナリオ作成の代行や共同作成
  • 社内のシナリオ作成者を育成する研修プログラム
  • 運用開始後のトラブル対応やメンテナンス支援
  • 他社の成功事例の共有と横展開の提案

単なるツールベンダーではなく、「業務改革のパートナー」として長期的に伴走してくれる企業を選ぶことで、導入後の定着率や満足度が大きく変わってきます。

 

 

ヒューマンリソシアのRPA導入事例

最後に、実際にヒューマンリソシアが支援したRPA導入事例を3社ご紹介します。

それぞれ異なる業種・規模の企業が、どのような課題を抱え、どう取り組み、どんな成果を得たのか。具体的なプロセスから、成功のヒントが見えてくるはずです。

事例1. カンロ株式会社様

課題となっていたこと 
「カンロ飴」などで知られるカンロ株式会社様では、変化の激しい経営環境の中で「仕事の仕方・質・スピードの改革」が求められていました。
業務棚卸や残業分析、現場ヒアリングを実施した結果、部門間の壁による転記・二重入力の発生、残業の増加、業務の属人化といった課題が明らかになりました。

導入するにあたって実施した取り組み内容 
まず「自らやってみよう」という姿勢でRPAの無料トライアルからスタート。システム部門が推進組織を作りつつも、現場主導でロボットを開発・運用できる体制を目指しました。現場担当者にとっての「導入のしやすさ」を重視し、最終的にWinActorを採用しました。ベンダー選びでは、単なるツール提供にとどまらず、教育・サポート体制の充実度を重視し、「総合力」と「パートナーとして長期的に伴走してくれるか」を基準にヒューマンリソシアを選定いただきました。

導入プロセスで特筆すべきは、「人材育成」と「業務標準化」への注力です。初級研修や実践トレーニング、eラーニング、成果発表会などを通じて現場のスキルアップを図るとともに、自動化の前工程として業務フローの可視化・標準化を徹底しました。

導入後の効果 
業務改革推進室を中心に、部門を超えたRPA活用が進展しました。
例えば経理部では、家賃支払い関連の伝票起票など12業務を自動化し、年間232時間の業務削減を実現。拠点ごとに異なっていた処理ルールもRPA化を機に全社で統一され、業務品質が向上しました。 
また、単純作業や繰り返し作業から解放されたことで、社員の心理的なストレスが軽減され、モチベーション維持にもつながっています。また、手厚いサポートと育成プログラムにより、社内にRPA活用のノウハウが蓄積され、継続的な業務効率化を推進できる体制が整いました。

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事例2. 八千代エンジニヤリング株式会社様

課題となっていたこと 
建設コンサルタント会社である八千代エンジニヤリング株式会社様では、限られた人員で入札・契約関連の対応を行っており、発注件数が多い時期や年度末を中心に残業時間が増大する傾向にありました。全社的な「働き方改革」が進む中、現場担当者の負担を減らすため、単純作業や定型作業の削減が急務となっていました。

導入するにあたって実施した取り組み内容 
まず実務者へのヒアリングを行い、日頃の単純作業や定型作業を洗い出して、RPA化の候補業務をリストアップしました。

その中から、管理者側で効果が見込める業務を選定し、試験運用を開始。プログラミング知識がなくても使える点、日本語マニュアルが充実している点を評価してWinActorを導入しました。

本格展開にあたっては、各実務者が日常業務の中でシナリオ作成時間を確保できるよう、少人数制の「ワーキンググループ」を組織。月1回、シナリオ作成に専念できる場を設けるとともに、作成したシナリオの一部をテンプレートとして共有スペースにストックするなど、社内全体で効率よく開発スキルを高める仕組みを構築しました。

導入後の効果 
営業企画課の事例では、Webからのデータ収集・加工業務において年間2,000分の作業時間を削減。単純な繰り返し作業から解放されたことで、ケアレスミスの撲滅と担当者の精神的な負担軽減を実現しました。ワーキンググループによる育成と、テンプレート活用により、現場の不安を払拭しながらスムーズな定着を実現。事務部門だけでなく、技術部門への展開も視野に入れた継続的な自動化拡大の基盤が築かれています。

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事例3. 一般財団法人 国際医学情報センター様

課題となっていたこと 
医学・薬学分野の情報を扱う国際医学情報センター様では、取り扱う情報量が急激に増加し、いかに効率良く正確に情報を処理するかが課題となっていました。当初はAI技術の活用を検証していましたが、専門性が高くハードルが高いことから、より着実に財団全体で取り組める手段を模索していました。

導入するにあたって実施した取り組み内容 
財団の50周年を契機に、専門組織として「Business Technology Team(BT)」を発足させ、財団全体でのRPA推進をスタートしました。ツール選定においては、技術的ハードルが低く、プログラミング知識がなくても積み木を積み上げる感覚でシナリオを作成できるWinActorを採用しました。

導入にあたり、BTチームは「原則、現場主導」の方針を掲げ、「BTはシナリオを作りません」と宣言。
その代わり、Googleサイトを活用したナレッジ共有、類似性の高いサンプルシナリオや管理テンプレートの提供、業務効率化事例を共有する「RPA報告会」の開催など、現場職員が自走するための手厚い支援体制を構築しました。
また、ヒューマンリソシア提供の「業務棚卸シート」や「eラーニング」も活用し、導入初期のハードルを下げました。

導入後の効果
人々の健康を支える医学情報の処理には、極めて高い正確性が求められます。
RPAの導入により、手作業による不確実性を排除できたことが最大の成果です。 これにより、職員は「人の目が必要な最重要業務」に注力することが可能になりました。また、報告会などを通じて他部署の取り組みに「気付く」機会が増え、財団全体のITリテラシー向上にもつながっています。

詳細はこちら

 

 

まとめ|業務のRPA化は専門家への相談が成功の鍵

RPA化を成功させるうえで重要なのは、適切な「業務選定」と信頼できる「パートナー選び」です。

本記事で解説した通り、RPA化に向いているのは

・定型化された業務
・ルールが明確な業務
・複数システム間のデータ転記
・大量データの処理

といった、特徴を持つ業務です。まずは自部門の業務を洗い出し、小さく始めて成功体験を積み重ねることが大切です。

導入ステップは「準備→設計・開発→運用→保守」の4段階。特に最初の「業務の洗い出しと対象選定」が最重要フェーズです。現場主導で進め、ブラックボックス化を防ぐ運用ルールを整備しましょう。

「どの業務から始めればいいか分からない」「ツール選びで迷っている」「社内に推進できる人材がいない」といったお悩みがある方は、専門家に相談することで、最適な進め方のヒントが得られます。

ヒューマンリソシアでは、業務分析からツール選定、シナリオ作成、運用定着まで、一貫して貴社の課題に寄り添い、伴走型でサポートいたします。
他社の成功事例も踏まえながら、貴社の状況に合わせたRPA化の進め方をご提案することが可能です。
業務のRPA化についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。



【よくあるご質問】

RPA化の定義と役割

Q. RPA化とは具体的にどのようなことを指しますか? 

A:PC上で行っている定型的な業務を「RPA(Robotic Process Automation)ツール」を用いて自動化することを指します。

A:RPAは「ソフトウェアロボット」と呼ばれ、人間がマウスやキーボードで行う操作を記録し、それを正確に再現します。

RPAとAIの明確な違い

Q. RPAとAIにはどのような違いがありますか?

A:RPAはあくまで「決められた通りに動く手足」であり、AIのように自分で考えて判断することはできません。

A:AIはデータから学習し、自ら判断を下せる点がRPAと大きく異なります。

RPA化に向いている業務の判断基準

Q. どのような業務がRPA化に向いていますか?

A:判断が不要で手順が固定されている定型作業です。

A:「Excelから基幹システムへ」「メールからSFAへ」など、システムをまたぐ転記作業こそRPAの真骨頂です。

RPA導入における主なメリット

Q. RPAを導入することで得られる最大のメリットは何ですか?

A:担当者目線で実感できる「働きやすさの向上」にあります。

A:RPAは設定した手順通りに処理を行うため、ヒューマンエラーを大幅に減らすことができます。

導入を成功させるための進め方

Q. RPA導入で失敗しないための進め方のコツを教えてください。

A: いきなり全社展開せず、小さな業務から始めて成功体験を積む「スモールスタート」をおすすめします。

A:「RPA導入」自体を目的にせず、「何の課題を解決するか」を忘れないようにしましょう。

 

 

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※「WinActor®」は、NTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。

出典:WinActorの公式Webサイト(https://winactor.biz/)をもとに作成
出典:いちばんやさしいRPAの教本 人気講師が教える現場のための業務自動化ノウハウ(インプレス出版)もとに作成