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RPAツールでExcel(エクセル)業務効率化!マクロ、Pythonとの違いや自動化導入事例も解説

作成者: ヒューマンリソシア編集チーム|Aug 29, 2025 10:47:51 AM

                                                                                                                                                                                  2025.08.29-          


Excel業務では、「作業に時間がかかる」「マクロが属人化して引き継ぎできない」といった課題が頻繁に挙げられます。

多くの企業で活用されるExcelですが、運用方法によっては非効率の原因となる可能性があります。

本記事では、Excel業務の課題を整理した上で、RPAを活用した自動化の方法や、導入事例、注意点までを詳しく解説します。


目次


 

 

Excel(エクセル)業務効率化の課題

Excelを使った業務を効率化するためには、マクロやVBAといった自動化機能の活用が有効ですが、使いこなすには一定のスキルが必要です。

また、複数人で同じExcelファイルを扱う場合には、バージョン管理の煩雑さや入力ミスの発生といった新たな課題が生じる可能性があるため、注意が必要です。

本章では、Excel業務効率化を目指すうえで直面しがちな、マクロ・VBAの制約、Excel自体の機能面の限界、そして複数人での作業における課題について詳しく解説します。

 

マクロ・VBAを使いこなすにはスキルが必要

Excel業務の自動化には、マクロやVBAを活用する方法もあります。

実際、繰り返し作業や複雑な処理をマクロで記録し実行することで、業務効率が大きく向上するケースも少なくありません。
しかし、業務に本格的に活用するには、一定のスキルが求められます。

特に、複数のファイルからのデータ抽出や、条件分岐を含むような処理を行う場合は、VBAというプログラミング言語の習得が必要です。
ただし、VBAは短期間で習得できるものではありません。

参考書やオンライン講座を活用すれば学習は可能ですが、仕事と並行して独学を進めるのは簡単ではなく、継続的な学習が求められます。
また、習得した知識を実務でどのように応用するかに加え、エラー発生時の対処法や、自ら解決に導く力も重要です。

マクロやVBAでは他ツールとの連携が難しい

ExcelのマクロやVBAは、日々の業務を効率化するための強力な自動化手段です。
しかし、他のツールや外部システムとの連携においては限界があります。

マクロやVBAは、特にExcelと親和性が高くよく利用されていますが、ExcelなどのOfficeアプリの自動化を意図して開発された言語であるため、他のシステムとの連携が必要な業務には対応が難しいケースもあります。

たとえば、Excelでレポートを作成し、Gmailで自動送信する業務フローを考えてみましょう。

マクロやVBAで実現しようとすると、Gmailとの連携や添付ファイルの自動生成や送信処理など、Excelの範囲を超えた複雑な対応が必要になります。

マクロを使用したものは引継ぎが難しい

Excelマクロは、作成者の頭の中にある処理の流れをコード化しているため、作成者本人以外が内容を理解し、修正するのが難しいという特性があります。

特に業務マニュアルなどの補足情報がない場合、何のために、どのような処理をしているのか把握できず、マクロがブラックボックス化しやすくなります。
さらに、マクロの内容を読み解ける人材が限られていると、担当者の異動や退職が発生しただけで運用がストップしてしまうことも少なくありません。

マクロに詳しい人材がいない組織では、作成したマクロが十分に活用されず、一から作り直す必要が生じるなど無駄な工数が発生します。
結果として、業務効率化という本来の目的から外れてしまう可能性があるため注意が必要です。

Excelの自動化タブの活用には限界がある

Excelの自動化タブでは、Officeスクリプトの作成・管理・実行ができます。
OfficeスクリプトはExcelの様々な操作を自動化できる便利な機能であり、Officeスクリプトは、Web版のExcel(Excel for the Web)とデスクトップ版のExcelの両方で利用可能です。

Officeスクリプトで自動化する最大のメリットは、Web版のExcelも操作できる点です。
また、VBAとは異なり、スクリプトがファイルに保存されないため、バージョン管理がしやすいという利点もあります。
一方、デメリットは、VBAが他のOfficeソフトと連携できるのに対し、Officeスクリプト単体では、OutlookやTeamsなど、他のアプリとの連携がほぼできない点です。
また、同じExcel内でも他のブック(ファイル)とは連携ができない点や、クラウド上に保存されるため、インターネット環境がなければ利用できない点もデメリットです。

より複雑な自動化を行うには、RPA(Power Automate)との連携が前提となりますが、実際に活用する上では、業務や環境に合うかどうかを事前に確認することが重要です。

複数ファイルやバージョン管理が大変

Excelファイルの数が増えたり、ファイルのバージョンが頻繁に更新されたりすると、業務効率は一気に低下します。
複数人で同じファイルを扱う中で、どれが最新か分からなくなるといった事態が起こりやすいためです。

たとえば、Excelでバージョン管理やファイル統合を手作業で行っている場合、以下のような課題が発生しやすくなります。

・誤って古いデータを使用してしまう
・上書き保存により最新データを失ってしまう
・ファイル名や保存場所のルールが統一されておらず、探すのに時間がかかる

上記の状態では、どのファイルが正しいのかを判断するだけで余計な工数が発生し、業務のミスや情報の食い違いにつながる可能性があります。

結果として、全体の生産性が著しく低下してしまいます。

ヒューマンエラーが発生しやすい

Excel業務では、ヒューマンエラーが発生しやすいという課題があります。
特に、以下のような繰り返し発生する定型作業では、ミスが起こりやすく注意が必要です。

・データのコピー&ペースト
・手入力による数値や文字情報の更新
・計算式の修正

たとえば、経理部門では、請求金額のミスや勘定科目の入力誤りが発生すると、顧客や営業部門など、社内外の関係者に多大な影響を与える可能性があります。

エラーを防ぐため、チェックリストの活用やダブルチェックなどの対策を講じている企業も多く見られますが、ヒューマンエラーを完全にゼロにすることは非常に難しいのが現実です。

複数名で同時にひとつのExcelファイルを更新できない

デスクトップ版のExcelでは、社内サーバなどローカル上の共有フォルダに保存されたファイルを複数人で同時に編集することはできません。

1人がファイルを編集中に他の人が開くと「読み取り専用」と表示され、編集や保存ができないことがあります。

その結果、以下のようなリスクが生じます。

・誰の編集内容が反映されたのかわからない
・一部の更新が消えてしまう
・データの破損や消失によって復元できなくなる可能性がある

一方、Web版のExcel(Excel for the Web)を利用すれば、クラウド上でファイルを共有し、複数人がリアルタイムで共同編集することが可能です。

ただし、実現するにはMicrosoft 365の契約が必要であり、導入にあたってはコストや社内運用体制の見直しも検討する必要があります。

出典:Microsoft 公式サイト Excel ブックの共同編集を使用して同時に共同作業を行う

 

 

RPAを活用することで自動化ができる

Excel業務を効率化したいと考えたとき、「どの業務を自動化できるのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本章では、RPAがExcel業務の自動化にどのように役立つのか、特に得意とする領域について具体的に解説します。

複雑な関数やVBAを使った一連の動作を可視化できる

Excelでよく使用される関数やVBAは、繰り返し作業や計算処理を自動化できる便利な機能です。

しかし、処理内容がコードや数式で記述されているため、現在どのような処理が行われているのかを一目で把握するのは難しいという課題があります。

一方、RPAは処理の流れをフローチャートのように視覚的に表示できるため、非エンジニアでも全体のプロセスを直感的に理解できる点が特徴です。

また、エラーが発生した際には、どこで処理が停止したのか、どの操作で問題が発生したのかを画面上で確認できるため、原因の特定や修正がスムーズに行えます。

複雑な業務プロセスを可視化し、チームで共有しやすくなるため、チーム全体の生産性を高める上でも効果的です。

繰り返し処理に強い

大量のデータ入力や転記、集計作業など、同じ手順を繰り返す定型業務は、RPAが得意とする分野です。

人が手作業で処理する場合、どうしても時間がかかるうえに、ヒューマンエラーが発生するリスクも伴います。

たとえば、請求金額の入力ミスや集計ミスが起きれば、顧客の信頼を損ねたり、社内での確認作業が増えるなど、業務全体に支障をきたす可能性があります。

RPAを活用することで、繰り返し作業を高速かつ正確に自動処理ができ、エラーのリスクを大幅に削減することが可能です。

単調な業務

データのコピー&ペーストなどの単調な業務は日々の実務で頻繁に発生します。

特に人手不足の企業では、定型業務に貴重な時間を割くことが難しくなっており、業務効率化の必要性が高まっています。

また、経営者にとっても、単純作業のために新たな人材を雇用するのはコスト面で非効率です。

そこで注目されているのがRPAです。

RPAを導入することで、以下のような繰り返し発生する単純作業を自動化でき、業務の精度向上と時間削減を同時に実現できます。

・Excelデータのコピーや貼り付け作業の自動化
・日付の追加などルールに基づいたファイル名の自動変更
・指定フォルダへのファイル移動や分類作業の自動化

定型業務をRPAで自動化することで、担当者はより付加価値の高い業務に集中できる環境が整います。

なお、VBAも同じ手順を繰り返す業務は得意としていますが、Excel内での処理が主となります。一方RPAはExcelだけでなく、Webシステムや、メールソフト、基幹システムなどの複数のツールを横断した作業も一元的に自動化できる点が大きな違いです。

時間のかかる業務

大量のデータ処理や複数のシステム間をまたいで行う業務は、手作業では多くの時間がかかります。

さらに、作業時間は担当者のスキルや経験に左右されやすく、業務の属人化や非効率の原因となることも少なくありません。

たとえば、同じ業務でも新入社員が1時間かかるのに対し、ベテラン社員は30分で終えるといったように、作業速度には大きな差が生じます。

しかし、RPAを導入すれば、あらかじめ設定したルールに従い、Excelの作業を短時間かつ正確に実行できます。

 

 

そもそもRPAとは?

RPAとは、データ入力や書類作成などの定型業務を、ソフトウェアロボットが自動で代行してくれる技術です。

近年、限られたリソースで多くの業務をこなす必要があり、バックオフィス業務の効率化が急務となっています。

人が手作業で行っていた業務をルールに従って再現することで、業務の効率化やヒューマンエラーの削減が可能です。

たとえば、以下のような事務作業を自動化できます。

・売掛金や入金情報を会計システムへ自動入力
・買掛金や支払い情報を自動で処理し、登録
・請求書を自動で作成し、取引先へ送信

RPAを活用することで、定型業務にかけていた時間を削減でき、担当者はより付加価値の高い業務に集中できるようになります。

 

 

RPAとExcelマクロ(VBA)、Pythonの自動化の特徴と違い

Excel業務を効率化・自動化する方法として、RPA、マクロ(VBA)、Pythonといった手法があります。

しかし、各手法には特徴や得意、不得意な領域があり、業務内容に合わないツールを導入してしまうと使いこなせないといった課題に直面するため注意が必要です。

本章では、Excel業務の自動化に使われる代表的な3つの手法を比較し、それぞれの特徴や違いについてわかりやすくご紹介します。なお、本コラムでは、Excelに組み込まれたPython in Excel機能とは異なる、一般的なプログラミング言語であるPythonについて解説します。

ツール 主な作業範囲 プログラミング知識の必要性 他システムとの連携 コスト
RPA ルール化された定型業務をツール上で自動操作 基本的に必須ではない 画面操作ベースで他システムとも連携可能 ツールによって初期費用や月額コストが発生
VBA(マクロ) Excel内で完結する業務の自動化 中級程度の知識が必要 Microsoft製品内での連携は可能 追加費用なし(Excelに標準搭載)
Python 多種多様な業務に対応し、外部API連携やWeb自動化も可能 本格的な知識が必要 API連携が可能 開発環境は無料で構築可能

 

作業範囲

RPA、Excelマクロ(VBA)、Pythonはいずれも業務自動化に活用できるツールですが、それぞれ得意とする領域や適した用途には違いがあります。

RPAは、画面操作やアプリケーション間のデータ転記など、人が行う手順を再現する自動化に強みがあり、ノーコードで扱える点も特徴です。

VBAはExcel内の作業に特化しており、集計やレポート作成など、Excel操作を中心とした自動化に適しています。

Pythonは、高度なデータ分析や機械学習、API連携など柔軟かつ複雑な処理が求められる業務に対応できます。

業務の性質や現場のスキルに応じて、最適なツールを選定・組み合わせて活用することが重要です。

プログラミング知識の必要性

業務自動化ツールは、扱う人のスキルにより向き不向きがあります。

RPAはドラッグ&ドロップで操作できるのが主流であり、プログラミング知識が基本的に不要であるのが強みです。

Excelマクロ(VBA)は型(データ型)や文法(構文)や関数など、一定のコーディング知識が必要で、属人化のリスクもあります。
Pythonはより高度な自動化が可能ですが、プログラミングや環境構築の知識が求められます。

導入時には、目的と使用者のスキルを見極めたツール選定が欠かせません。

他システムとの連携

業務自動化ツールの選定では、他システムとの連携性が重要です。

RPAはAPIの知識がなくても他のシステムと連携できますが、画面構成に変更があるとシナリオ通りに処理されないという弱点があります。

Excelマクロ(VBA)はOutlookなどMicrosoft製品との連携に強い一方、外部クラウドサービスとの連携は不得意です。

PythonはAPIやデータベース連携など自由度が高く、複雑な連携が可能ですが、プログラミングスキルが必要です。また、APIが利用できないシステムを自動化する場合にこそRPAは真価を発揮するため、自社の環境や担当者のスキルに合ったツールを選ぶことが成功の鍵となります。

コスト

業務自動化ツール選定で重要なのがコストです。

RPAは定型業務の自動化が可能ですが、無料で使えるツールから有料ライセンスが必要なものまで、費用や機能に違いがあります。

Excelマクロ(VBA)はMicrosoft 365があれば追加コストなしで使えるため、小規模な自動化に向いています。
Pythonは導入コストがほぼゼロで、外部システム連携やAI活用も可能ですが、開発にはエンジニアのスキルが必要です。

予算や体制に応じたツール選定が重要です。

Excel(エクセル)を自動化できる無料RPAはあるか

Excel業務の自動化に無料ツールを使いたいと考える方も多いでしょう。これまでに触れたとおり、無料で使用できるRPAはありますが、それぞれのツールには特徴があり、自社の状況に合わせた選定が重要です。例えば、RPAの無料版でも簡単なExcel操作は可能ですが、機能制限が多く、業務規模が大きいと限界があります。

また、VBAはExcelがあれば追加コストなしで使えますが、文法の習得にややハードルがあります。

Pythonは無料で高機能な自動化が可能ですが、開発にはVBA以上に一定の技術力が必要です。

このように、Excel業務の自動化には、RPAの無料版、VBA、Pythonなど、無料または低コストで導入できる複数の手法が存在します。ツールを検討する際には、単に無料かどうかだけでなく、自動化したい業務の複雑さ、自社のITスキルレベルや将来的な拡張性などを考慮し、最も適した選択肢を見極めると良いでしょう。


より詳しくRPAとExcelマクロの違いや特徴、活用シーンを知りたい方は、こちらの記事もご参考ください。

業務自動化とは?メリット、デメリットやRPAツールを含む自動化の方法、作業例もご紹介

RPAとマクロの違いとは?共通点や特徴・活用シーンを比較

 

 

RPAでExcel業務を自動化するメリット

RPAの導入を進めるには、経営層から承認を得るためにも、Excel業務を自動化するメリットを把握し、分かりやすく説明できることが重要です。
本章では、RPA導入によってExcel業務の自動化がもたらす具体的な効果やメリットについてご紹介します。

コア業務に人間が注力できる

定型的なデータ入力やExcelでの集計作業に多くの時間が割かれ、分析や企画立案などのコア業務に手が回らないという課題は、多くの企業で見られます。
特にExcel業務は、人によって入力や処理方法が異なりやすく、属人化を招きやすい業務です。

たとえば、請求書の数値にミスがあると、上司がチェックに追われ、本来取り組むべき業務が後回しになることも少なくありません。

Excel上の定型業務は、RPAで数値チェックや不一致の検出を自動化することで、確認作業の時間を大幅に削減できます。
その結果、管理職や担当者はコア業務に集中しやすくなり、全体の生産性向上にもつながるでしょう。

ヒューマンエラーの防止につながる

Excelを使った入力やコピー&ペースト作業は、人の手で行う以上、金額の入力ミスや転記ミスといったヒューマンエラーが起こりやすくなります。
たとえば、請求書の金額を誤って記載すれば、顧客対応や修正作業に追われ、業務全体に悪影響を及ぼしかねません。

RPAを活用すれば、Excelの特定セルからデータを正確に取得し、システムへの入力や別ファイルへの転記もシナリオ通りに自動で実行可能です。
人間の判断を挟まず、定型処理を繰り返せるため、入力ミスを大幅に削減できます。

さらに、ダブルチェックの工数や精神的負担も軽減され、従業員がより働きやすい環境を作ることが可能です。

作業スピードの向上につながる

Excelを使ったデータ処理や集計業務は、手作業だと時間がかかりやすく、作業の属人化や業務の遅延を招くリスクがあります。
特に新人や不慣れな従業員の場合、処理に時間を要し、その結果、上司の確認作業が増えたり、残業の原因になったりすることも少なくありません。

そこで、Excel業務をRPAで自動化すれば、あらかじめ設定したルールに従って、データ集計や転記といった処理を高速かつ正確に実行できます。

たとえば、売上データをもとに毎月の集計表を作成する作業も、RPAに任せることで処理時間が大幅に短縮されます。
結果として、現場では残業時間の削減や業務負荷の軽減につながり、管理側も少人数で効率的に業務を回せる体制が実現しやすくなるでしょう。

 

 

RPAで自動化できないExcel(エクセル)業務の特徴

Excel業務を自動化する上で便利なRPAですが、すべての業務に適しているわけではありません。
本章では、RPAによる自動化が難しいExcel業務の特徴について、具体例を交えてご紹介します。

人の思考や判断が必要な資料やデータの作成

RPAはルール化された定型業務の自動化に優れていますが、人の判断が求められる業務には不向きです。
たとえば、請求データ集計後の督促対応や売上データの分析、営業報告資料の構成作成などは、状況や目的に応じた柔軟な判断が必要です。

RPAで自動化できるのは、データ収集やフォーマットへの入力といった作業に限られます。

RPA導入時には、自動化に適した業務と人が対応すべき業務を見極め、役割分担を明確にすることが重要です。

高度なデータ分析やシミュレーション

RPAは、定型操作やルールに従った処理の自動化に適したツールです。

一方で、将来の売上予測や複雑な条件を含むシミュレーションなどの高度なデータ分析は、RPA単体では対応が難しいのが実情です。

たとえば、売上データから売れ筋や今後の売上を予測する場合は、大量のデータを効率的に処理する統計分析や機械学習モデルの構築が求められます。このような業務には、Pythonのようなプログラミング言語やBI(ビジネスインテリジェンス)ツールをはじめ、高度な分析や可視化を実現する専用ツールの活用が不可欠です。

RPAはあくまで決まった操作の自動化が得意なため、分析用データの収集・整形といった前処理の支援に活用し、分析自体は人や専門ツールが担うといった役割分担を意識することが重要です。

 

 

RPAとExcel(エクセル)連携におけるRPA自動化導入事例

RPAの導入を社内で円滑に進めるためには、Excel業務を自動化した具体的な事例を把握し、関係者に提案できることが重要です。
本章では、RPAとExcel(エクセル)を連携させて自動化を実現した事例をご紹介します。

マクロからRPAに切り替えることでエラーの抑制と工数削減を実現

営業拠点ごとの売上データをExcelマクロで集計している企業も多くありますが、処理中にエラーが発生することもあり、修正にはVBAの知識が必要なため、属人化しやすい点が課題です。

RPAであれば、ドラッグ&ドロップの簡単な操作でITに詳しくない現場担当者でも扱えます。

たとえば、各拠点から集まったExcelファイルを所定のフォルダに保存するだけで、RPAがファイルを開き、必要なセルから売上データを抽出・集計し、レポートに反映させることが可能です。
エラー対応や集計にかかっていた作業時間を削減できるだけでなく、ミスの発生も抑えられます。

正確性と効率性を両立できるRPAは、現場の業務負担軽減に大きく貢献します。

Excel(エクセル)へのデータの入力と転記(コピー&ペースト)

日々の業務では、他システムやWebサイトから取得したデータをExcelに入力・転記する作業が多く発生します。
定型業務は手間と時間がかかり、人的ミスの原因にもなりますが、RPAを活用すれば自動化が可能です。

RPAならWebサイトからのデータ抽出、Excelへの入力、他ファイルへの転記から保存までを一連で処理でき、正確かつ高速に業務を進められます。

実際に、八千代エンジニヤリング株式会社様では、年間2,000分の作業時間削減に成功しています。
より詳細に事例を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。


年間2,000分の削減効果。RPAの全社展開を見据えた、ある工夫とは。/八千代エンジニヤリング株式会社様

データの抽出

経理や事務の現場では、大量のデータから特定の条件に合致する情報を抽出してリスト化する作業が日常的に行われています。

たとえば、入金データの中から未入金の顧客だけを抽出してリスト化したり、経費精算データから承認待ちの申請のみを抽出するといった業務です。

データ抽出をExcelで手作業で行うと、時間がかかる上にヒューマンエラーのリスクも高まります。
しかし、RPAを活用すれば、条件に応じたデータ抽出を自動化できます。

あらかじめ抽出条件を設定しておくことで、正確かつスピーディーにリスト化が可能となり、担当者は次の意思決定や対応に専念できるようになります。
定型業務をRPAで自動化することで、業務効率の向上と人的ミスの削減が実現できます。

Excel(エクセル)での集計の自動化

Excelによる集計業務は多くの企業で行われていますが、支店や部署ごとに提出されるファイルを本部が手作業で集計する場合、作業負担が大きくミスのリスクも高まります。
特に、複数のExcelファイルをまとめて処理する作業には多くの工数がかかります。

上記のような課題に対して、RPAを活用すれば、各支店のファイルから必要なデータを自動で取得し、集計やレポート作成までを効率的に行えます。

RPAは、Excel(エクセル)での集計の自動化に効果的な選択肢です。

グラフ作成

RPAとExcelを連携させることで、集計データや抽出条件に基づいたグラフ作成から、報告資料への自動貼り付けまで一括で自動化できます。

たとえば、経営会議用の資料では売上推移を視覚的に示すグラフが必要ですが、毎回手作業で作成し、貼り付けるのは手間がかかり、ミスも発生しやすくなります。

RPAを活用すれば、Excelからグラフを自動生成し、PowerPointなどの決まったフォーマットに正確に挿入可能です。資料作成の工数削減に大きく貢献します。

 

 

RPAの動かし方の基本

RPAがExcel業務の自動化に役立つことがわかっても、実際にどのように動くのか、仕組みをイメージしにくいと感じる方も少なくありません。
本章では、RPAを動かす一般的な手順や考え方の基本についてご紹介します。

RPAでExcel業務を自動化するやり方

RPAでExcel業務を自動化したいものの、何から始めればよいのかわからないという声はよく聞かれます。
スムーズに導入を進めるために、以下の7つのステップを参考にしてみましょう。

ステップ 内容 補足
① 業務の洗い出し 現在の作業内容や課題を整理 業務の流れを見える化する
② 自動化範囲の決定 単純な作業から優先して着手 一度にすべての業務を自動化するのではなく段階的に進める
③ RPAツール選定 自社に合ったツールを選ぶ ・デスクトップ型
・サーバ型
・クラウド型
④ シナリオ作成 自動化手順を設定 手順を整理してから作成すると円滑に進められる
⑤ テスト実行 実データで試験運用 想定外のエラーが発生しないか確認が必須
⑥ 本番運用 実際の業務で稼働開始 トラブル時の対応ルールも整備
⑦ メンテナンス 定期的に見直しと更新 内容変更やエラー原因の改善

 

 

 

RPAでExcel業務を自動化するコツ

RPAでExcel業務を自動化するためには、あらかじめ知っておくと役立つポイントがあります。
本章では、RPAでExcel業務を自動化するためのコツをご紹介します。

タスクマイニングで業務の可視化

RPA導入時によくある悩みの一つに、どの業務を自動化すればよいかわからないという声があります。
解決策として有効なのが、タスクマイニングです。

タスクマイニングとは、従業員のパソコン操作を自動的に記録・分析し、業務プロセスを可視化する技術のことです。
たとえば、経理担当者のExcel作業を記録し分析することで、時間のかかる処理や繰り返し行われている操作を把握できます。

タスクマイニングの導入も検討することで、自動化すべき業務の優先度をデータに基づいて判断でき、無駄のないRPA導入につながります。

ショートカットキーを活用する

RPAを導入する企業では、作業の再現性や操作の安定性といった課題を抱えることが多くあります。
課題の解決策として有効なのが、ExcelのショートカットキーをRPAに組み込む方法です。

ショートカットはマウス操作よりも画面構成の影響を受けにくく、同じ処理を高速かつ安定して実行できます。

たとえば、毎月の請求書(PDF)からExcelへ必要なデータを転記する場合、「Ctrl + C(コピー)」や「Ctrl + V(貼り付け)」といった操作を使えば、正確かつ効率的な自動化が実現可能です。

ショートカット活用により、RPAの効果を最大限に引き出すことができます。


関数を活用する

RPAは定型作業の自動化が得意ですが、条件分岐や複雑なデータ処理には弱いという課題があります。
そこで有効なのが、Excel関数との組み合わせです。

たとえば、IF関数で未入金の顧客をExcel側で判定し、結果をもとにRPAが該当データを別シートへ転記することで、効率的な処理が実現できます。

役割を分担することで、RPAの弱点を補いながら柔軟な自動化が可能になります。

テンプレートを作成する

RPAを安定して動かすには、Excelファイルの入力ルールや書式が統一されていることが不可欠です。

たとえば、取引先名の表記が人によって異なると、RPAが同一データとして認識できず、処理エラーの原因になります。
トラブルを防ぐには、あらかじめ入力規則を設定したテンプレートを使うことが効果的です。

「株式会社」の表記統一や「YYYY/MM/DD」の日付形式、カンマや小数点を含まない数値入力などをルール化することで、RPAの誤作動を防ぎ、正確な処理を実現できます。

フローチャートの作成

RPAで業務を自動化するには、業務プロセスの標準化が不可欠です。
作業手順が従業員ごとに異なると、RPAが正しく動作せず、エラーが発生しやすくなります。

たとえば、請求書処理でExcelの入力順や保存先がバラバラだと、RPAのシナリオ作成が複雑になり、属人化のリスクが高まります。
問題を防ぐには、業務フローを整理・可視化し、誰でも同じ手順で作業できる状態にしておくことが重要です。

フローチャートなどで視覚的にまとめることで、RPA導入の成功率が高まります。また、導入のみならず、保守性にも大きく寄与します。定型業務をRPAに任せることで、従業員がその業務に疎くなりやすい傾向があるため、事前に標準化・マニュアル化しておくことで、導入後の運用・保守の大きな助けになります。

簡単なExcelの自動化には操作を記録する機能を使用する

RPAを社内に定着させるには、誰でも簡単に使えることが重要です。
しかし、現場ではシナリオ作成に戸惑う社員からRPA推進担当者へ質問が相次ぎ、業務が中断してしまうといった課題も発生します。

そこで活用したいのが、RPAツールに搭載された操作記録機能です。

ユーザーのマウスやキーボード操作を記録し、自動でシナリオを作成してくれるため、専門知識がなくてもExcel業務の自動化が可能です。
たとえば、請求データの転記や並び替えなど、繰り返し作業を簡単に自動化できます。

スモールスタートで実施する

RPAは業務効率化に効果的ですが、導入方法を誤ると、現場に混乱や不信感を与えてしまう可能性があります。
特に、一度に多くの部署へ展開すると、エラーや操作ミスが多発し、かえって手間が増えたといった印象を持たれることもあるため注意が必要です。

成功のポイントは、スモールスタートで実施することです。

たとえば、経理業務にRPAを導入する場合は、まず1人の担当者に試験的に使ってもらい、問題なく運用できるかを確認します。

小さな成功体験の積み重ねが、現場の信頼獲得につながります。

業務効率化の成果を振り返る

RPAを導入した後に自動化の成果を定着させるには、導入後の振り返りが欠かせません。
削減できた時間やコストなど業務効率化の成果を振り返り、評価・改善することで、さらなる効率化に繋げることができます。

また、作業時間はどれだけ短縮されたか、どのようなエラーが発生しその原因は何かといったポイントを確認することも重要です。
振り返りを行わず使い続けていると、誤った処理が繰り返され、他部署への展開もうまく進まなくなる恐れがあります。

たとえば、入金金額の表記ゆれが原因でエラーが発生した場合は、Excelの書式を統一するといった改善策を講じることで、RPAの精度向上につながります。

 

 

RPAでExcel業務を自動化する際の注意点

Excel業務を自動化するためにRPAを活用する際は、導入時の注意点を把握し、より高度な自動化を見据えた計画を立てることが大切です。
本章では、RPA導入時に留意すべきポイントや、より高度な自動化を目指す上でのコツをご紹介します。

 

iPaaSと連携することでより自動化できる

RPAは定型業務の自動化に優れていますが、クラウドサービスや基幹システムなど、複数のシステムをまたぐ処理には限界があります。

たとえば、Excelの請求データを基幹システムに反映したい場合、画面操作に対応していないシステムではRPAだけでの自動化が困難です。

そこで活用したいのがiPaaSです。

iPaaSは異なるアプリ間のデータ連携をAPIで自動化でき、RPAと組み合わせれば複雑な業務フローも一括自動化が可能になります。

費用対効果があるか確認する

RPA導入では、ツールの費用と得られる効果を比較し、投資対効果を把握することが重要です。

たとえば、Excel業務に毎月50時間かかっている場合、以下のように試算できます。

・従業員:時給1,000円 × 3人
・作業時間:月50時間
・月間コスト:1,000円 × 3人 × 50時間 = 15万円
・RPAツールの月額費用:10万円
・月間削減効果:15万円 − 10万円 = 5万円

RPA導入により、コスト削減だけでなく、作業負担の軽減や生産性向上も期待できます。
継続的な効果測定と改善が成功のカギです。

サポートが充実し、メンテナンスが容易であるか確認する

RPAを導入しても、シナリオがうまく動作しないことがあります。
特に社内にITスキルの高い人材がいない場合、誰でも簡単に操作や修正できるツールであることが重要です。
また、困った時に迅速な対応が受けられるサポート体制も不可欠です。

ツール選定時には以下も確認しましょう。

チェック項目 内容のポイント
サポート体制 ・平日だけでなく土日祝も対応しているか
・メール、チャット、電話対応の有無
操作性 ・ノーコード対応か
・ドラッグ&ドロップ操作が可能か
・非エンジニアでも扱いやすいか
テスト環境の有無 ・検証用のテストモードがあるか
・本番に影響を与えずに動作確認できるか
マニュアル・FAQ ・画像付きの手順書や動画マニュアルがあるか
・初心者でも迷わず操作できる内容か

 

 

 

まとめ

本コラムでは、Excel業務におけるRPA活用のメリットや注意点、具体的な自動化事例、導入のポイントなどをご紹介しました。

マクロやVBAでは対応が難しい業務も、RPAならプログラミング知識がなくても効率的かつ正確に自動化できます。
Excel業務の負担軽減やミスの削減、生産性向上を目指す上で、RPAは非常に有効な手段と言えるでしょう。

ただし、業務内容によってはRPAのシナリオが複雑化し、保守やメンテナンスの負担が増大するケースもあります。
そうした場合は、帳票作成やデータ変換など特定の処理を効率化できるツールの併用も効果的です。

自社でのRPA導入を検討されている方には、ヒューマンリソシアが提供する無料トライアルやオンラインセミナーの活用もおすすめです。

導入から運用まで安心して始められるサポート体制が整っていますので、ぜひご利用ください。

 

 


【よくあるご質問】

RPAとExcelマクロ(VBA)の違い

Q. RPAとExcelマクロ(VBA)の主な違いは何ですか?  

A: RPAはExcelだけでなく、Webシステムやメールソフトなど複数のツールを横断した作業を自動化できるのに対し、マクロ(VBA)はExcel内での処理が主となります。 
 
A: RPAはプログラミング知識が基本的に不要ですが、マクロ(VBA)を本格的に活用するにはVBAというプログラミング言語の習得が必要です。

RPAによるExcel業務自動化のメリット

Q. RPAを使ってExcel業務を自動化するメリットは何ですか?  

A: データ入力などの定型業務をRPAに任せることで、担当者は分析や企画立案といった付加価値の高いコア業務に集中できます。 
 
A: 人間の判断を挟まずに定型処理を繰り返せるため、入力ミスなどのヒューマンエラーを大幅に削減でき、作業スピードの向上にもつながります。

RPAでの自動化が難しい業務

Q. どのようなExcel業務がRPAでの自動化に不向きですか?  

A: 売上データの分析や営業報告資料の構成作成など、状況や目的に応じた人の思考や柔軟な判断が求められる業務は不向きです。  

A: 将来の売上予測や複雑な条件を含むシミュレーションといった、高度なデータ分析はRPA単体では対応が難しいです。

RPA導入を成功させるコツ

Q. RPAでExcel業務の自動化を成功させるには、どのようなコツがありますか?  

A: 一度にすべての業務を自動化するのではなく、単純な作業から優先するなど、スモールスタートで実施することが成功のポイントです。

A: RPAが正しく動作するよう、あらかじめ入力規則を設定したテンプレートを作成したり、業務フローを整理・可視化したりすることが重要です。



本コラム内容について
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※「WinActor®」は、NTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。


出典

出典:いちばんやさしいRPAの教本 人気講師が教える現場のための業務自動化ノウハウ(インプレス出版)もとに作成

出典:絵で見てわかる RPAの仕組み(翔泳社)もとに作成

出典:Microsoft の公式Learn
(https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/dev/scripts/testing/platform-limits?tabs=business)をもとに作成

出典:Microsoft の公式サイト
(https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/business/compare-all-microsoft-365-business-products
)をもとに作成