2026.02.27- 
多くの企業において、データ入力業務は生産性向上を阻む大きなボトルネックとなっています。請求書の転記、顧客情報の登録、経費精算のチェック…。
こうした定型業務に多くの工数を割くことは、人件費の増大だけでなく、コア業務へのリソース不足や従業員のモチベーション低下を招く要因となります。
本記事では、データ入力の自動化を実現する10のツールと方法を徹底解説します。自社の業務特性に最適なツール・手法を選定し、コスト削減と生産性向上を両立させるための「失敗しない5つの導入ステップ」についてもご紹介します。
組織全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、持続可能な業務基盤を構築するためのガイドとしてご活用ください。
目次

データ入力の自動化とは、これまで人の手で行ってきたデータ入力や転記作業を、デジタル技術や外部リソースに置き換える取り組みです。
具体的には、紙書類の内容を読み取ってシステムへ登録する、あるいは複数のシステム間でデータを同期させるといった動作を、ソフトウェアが自動的に実行します。これは「デジタルな労働力」を導入するようなものであり、24時間365日、一定の精度で業務を継続できる体制の構築を意味します。
自動化の方法はExcelマクロやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、SaaS連携やAI-OCRで紙の書類をデータ化する方法、あるいは作業そのものを外部の専門業者に委託するBPOまで、多岐にわたります。
重要なのは「自動化=完全に人手が不要になる」という考え方ではなく、「人がやるべきこと」と「ツールに任せられること」を適切に分け、単純作業をデジタルツールに任せ、人は「判断」や「分析」といった付加価値の高い仕事に注力できる環境を整えることです。

データ入力業務を人手に頼り続けることは、現場の作業負担を増やすだけでなく、現代の組織運営における「アジリティ(機敏性)」を損なう要因となります。 デジタル化を推進する競合他社との格差を広げないためにも、現状のプロセスに潜むリスクを正しく理解する必要があります。
本章では、実務上の観点から避けては通れないデータ入力業務における3つの課題を解説します。
データ入力は、1件あたりの工数はわずか数分であっても、件数が数千、数万と積み重なることで膨大な時間となります。 特に月末月初などの繁忙期に発生する慢性的な残業代は、経営を圧迫する固定費となり、無視できないコストです。
残業代の増加はもちろん、本来なら新規プロジェクトや顧客対応に使えたはずの貴重な時間が消えていくのです。
労働人口の減少により人手不足が叫ばれる今、限られた人材をこうした定型業務に縛り付けておくことは、企業にとって大きな機会損失と言えます。
人手によるデータ入力は、どれだけ注意を払ってもミスのリスクを完全に排除するのは難しいのが実情です。
特に、件数が多い・締め切りが迫っている・作業が単調であるといった条件が重なるほど、ミスのリスクは高まります。
実際、手入力のプロセスでは一定の割合で誤りが発生し得ることが、さまざまな調査や現場報告で指摘されています。
仮にたった1件の入力ミスがあったとしても、請求書の金額間違いや納期の遅れに繋がれば、企業の信用を著しく損なう恐れもあります。さらに、ミスが発覚した後の確認や、修正作業、関係各所への連絡といった、「手戻り」にかかるコストは、当初の入力作業の数倍に及ぶケースも珍しくありません。
これは個人のスキルの問題ではなく、繰り返しの単純作業を人手で行う「仕組み」そのものの課題です。 自動化によってこの不確実性を排除することは、業務品質を一定に保つための有効な手段となります。
特定の担当者しか手順を把握していない「属人化」が進行すると、その担当者の欠勤や退職に伴う業務停止リスクが高まります。
また、単調な入力作業を毎日繰り返すことは、従業員のモチベーション低下にもつながります。優秀な人材ほど「自身の専門性やスキルを活かせていない」と感じて離職するリスクが高まり、結果として組織の競争力低下を招くことになります。
単純作業を自動化し、従業員がよりクリエイティブな仕事に挑戦できる環境を提供することは、人材の定着(リテンション)を促進するうえでも不可欠な要素です。
組織全体で見れば、チームの士気が下がり、イノベーションが生まれにくい環境になってしまうのです。

自動化によって得られるメリットは、単なる「時間短縮」だけではありません。組織全体にポジティブな変化をもたらします。
特にデータ品質の向上やリソースの最適化は、企業のDXを加速させる強力な推進力となります。
ロボットやシステムは疲れを知らず、集中力も落ちません。
一度正しく設定すれば、何千件、何万件の処理でも同じ精度で作業を続けられます。転記ミスや入力漏れといったヒューマンエラーが劇的に減少し、データの品質が安定します。
確認作業や修正作業に費やしていた時間も削減でき、結果として顧客満足度の向上にもつながるでしょう。「正確なデータが当たり前にある」という状態を作ることが、次のステップへの土台となります。
浮いた時間で、本当にやるべき仕事に取り組めます。
データ分析による改善提案、顧客との関係構築、新しいプロジェクトの企画など、人にしかできない創造的な業務や、判断を伴う業務にリソースをシフトできるのです。
たとえば、毎日2時間かかっていた入力作業が自動化されれば、その時間を使って月次レポートの分析や、業務改善の提案書作成に充てられます。チーム全体のスキルアップにも時間を使えるようになるでしょう。
残業時間が減れば、残業代も削減できます。
繁忙期に一時的な増員を繰り返している企業なら、そのたびに発生する採用や教育のコストをカットできます。効率化によって少ない人数で同じ業務量をこなせるようになれば、人手不足に悩まされない組織づくりが可能です。
中長期的な視点では、人的コストを抑えつつ、より多くの業務を高品質に遂行できる体制が整います。 削減したコストを新規事業やR&Dといった成長分野へ再投資することで、企業としての好循環を生み出すことが可能になります。
自動化は個人だけでなく、チーム全体に良い影響を及ぼします。
単純作業から解放された従業員は、やりがいのある仕事に集中でき、モチベーションが向上します。「自分の時間を有効に使えている」という実感が、組織への貢献意欲を高めるのです。
また、業務の標準化が進むことで、担当者の不在時でも業務が回る体制が整い、休暇も取りやすくなるなどワークライフバランスの改善に直結します。働きやすい環境が整うことで、離職率の低下や優秀な人材の定着にもつながるでしょう。

自動化の選択肢は豊富ですが、業務の内容や組織の状況によって最適解が異なります。
本章では、導入の容易なものから本格的なツール導入、外部委託まで、10の方法を詳しくご紹介します。
ツールを導入する前に、まず扱うデータの「整理整頓」から始めましょう。
半角・全角の表記ゆれ、日付の形式がバラバラ、部署名の略称が人によって違うなど、こうした入力ルールの不統一が、後々の集計やシステム連携の障害になります。
プルダウンメニューでの選択式にする、入力例を明記する、必須項目を明確にするなど、誰が入力しても同じ形式になる仕組みを作ることが大切です。テンプレートを整備し、チーム全体で共有すれば、それだけで入力ミスは大幅に減ります。
ツールを活用する前に、まず「誰が入力しても同じ形式になる」土台作りを優先することが、もっともコストパフォーマンスの高い改善となります。 また、 データの形式が揃っていることは、RPAやAIが正しく認識するための大前提であり、ここを疎かにすると自動化後のエラー率が高まる原因となります。
「入力されたものをデータ化する手間」そのものをなくす、上流工程での改善方法です。
紙の依頼書や申込書を、Googleフォームや kintone® などのWebフォームへ移行すれば、最初からデータとして受け取れます。相手が入力した瞬間に、自動的にデータベースへ格納される仕組みです。
「紙→スキャン→入力」という工程そのものが不要になり、保管場所の削減にもつながります。このように、後工程の自動化を検討する前に、まずは「入り口」である入力業務そのものをデジタル化できないか検討することが重要です。
リモートワークにも対応しやすく、どこからでもアクセスできる環境が整います。
追加のツール費用を抑え、即座に開始できるもっとも身近な手法です。
VLOOKUP関数を用いたデータ参照や、マクロ(VBA)による自動集計は、新たなツールを導入せずとも、既存のExcelのみで十分に実現可能です。 小規模な部署内での集計業務や、特定のフォーマットへの転記など、今日からでも始められる効率化が数多く存在します。
ただし、マクロは作成者が限定されることによる属人化(ブラックボックス化)のリスクがあるため、作成手順のドキュメント化やチーム内での共有を並行して行うことが推奨されます。 まずは身近なツールを徹底して使いこなすことから始めることで、自動化の効果をいち早く体感し、次なる展開への土台を築くことが可能です。
PC上の操作を記憶して代行するソフトウェアが、RPAです。
システムの改修が不要で、今使っている画面操作のまま自動化できる「手軽さと万能さ」が最大の魅力です。たとえば「メールから添付ファイルを開く→データを抽出する→別のシステムに入力する」という一連の流れを、ロボットが24時間365日休まずに実行してくれます。
複数のシステムをまたぐ作業や、判断基準が明確な反復作業に特に強く、経理、人事、営業など様々な部門で活用されています。
国内シェアの高いWinActorなどは、日本語のサポートが充実しており、プログラミング未経験者でも扱いやすく定着しやすいツールといえます。 システム間のデータの「橋渡し」を自動化することで、転記ミスのないシームレスな業務フローを実現できます。
また、WinActorをはじめ、近年では生成AIなどのAIと連携した機能を備えたRPAも登場し、日々機能が進化しています。
RPAの概要、何ができるか・どのように効率化できるのか、さらに知りたい方はこちらもご覧ください。
▶RPAでできること・できないことを徹底解説!
▶【簡単に解説】RPAとは?初心者向けに事例・仕組み・導入手順を解説
AIが手書き文字や非定型なPDFを高い精度で読み取り、テキストデータ化する技術です。
従来のOCRでは読み取りが難しかった手書き文字も、学習済みのAIが高い精度で認識します。 請求書、契約書、アンケート、申込書など、紙でしかやり取りできない書類がある現場でも、デジタル化の道が開けます。
RPAと組み合わせれば「紙をスキャン→AI-OCRで読み取り→RPAがシステムへ自動入力」という完全自動化も実現可能です。「紙の書類がどうしても無くせない」という現場にとって、さらなる業務自動化への突破口となるでしょう。
データ入力の自動化をさらに進めたい方は、弊社、ヒューマンリソシアの「DX Suite」のサービスサイトをぜひご覧ください。AI-OCRとRPAを組み合わせた総合的なソリューションを提供しています。
異なるクラウドソフト同士を「中継ツール(ハブ)」で繋ぎ、データを自動同期させる手法です。
たとえば、Salesforceで登録した顧客情報を、自動的に kintone やSlackへ連携させる。オンラインショップの受注データを、在庫管理システムと会計ソフトへリアルタイムで反映させる。こうした「Aに入力した瞬間にBにも書き込まれる」仕組みを、プログラミング不要で構築できます。
システム間の壁を取り払い、シームレスなデータ連携を実現することで、組織全体で常に最新の情報を共有できるようになります。
複数のSaaSツールを使っている企業にとって、手動での二重入力から解放され、また、クラウドサービスを多用する現代のビジネス環境において、非常に拡張性の高い手法です。
kintone やSalesforceなど、最新のクラウドソフトには標準で連携設定や入力支援機能が備わっているものもあります。
住所の自動入力、郵便番号からの変換、過去データの自動参照など、「今あるソフトの設定を見直すだけ」で実現できる低コストな手法です。
意外にも既存ツールの機能を十分に使いこなせていないケースは多いため、まずはマニュアルを確認し、標準機能を設定し直すことから始めましょう。 設定一つで入力の手間を半減できる機能が隠れていることも少なくありません。
また、API連携に優れた最新SaaSへの乗り換え自体が、複雑なツールを自前で構築するよりもはるかに低コストで、効率化の最短距離になる場合も多くあります。
自社の業務フローをツールの標準機能に寄せることで、メンテナンス性の高い自動化環境を維持できます。
Google Workspace環境下で、スプレッドシートやGmail、Googleドライブを連携・自動化するスクリプト手法です。
追加料金なしで利用でき、非常に強力な自動化を実行できるため、Google環境をメインとする企業にとって極めてコストパフォーマンスの高い選択肢です。 JavaScriptベースのコードで柔軟なカスタマイズが可能です。
フォームの回答内容を自動で集計してレポートを作成し、特定のメンバーに通知を送るなど、現場の細かなニーズに合わせた小回りのきく自動化を内製で実現するのに非常に適しています。
サーバを立てる必要がなく、ブラウザ上で開発が完結するため、導入のハードルが低い点も大きなメリットです
生成AIやAIエージェントを使って、非定型なデータの分類や要約などを自動化する、近年注目されている手法です。
先に自動化手法の一つでもご紹介したRPAは「決められた手順を正確に実行する」ことが得意でしたが、AIは「判断して実務をこなす担当者」のような存在になりつつあります。
たとえば、バラバラの形式で届いた領収書を適切な勘定科目に仕分けし、システムに登録する。不足している情報があれば、自ら過去のデータから推測したり、確認を促したりする自律性を備えつつあります。
「RPAに知能が備わったようなイメージ」と考えると分かりやすいでしょう。
これにより、これまでツールでは対応できなかった高度なデータ処理や非定型業務への応用が可能になりつつあります。
昨今は、AIが自ら手順を考えて実行する「AIエージェント」も登場し、その活用は自動化のカバー範囲を飛躍的に広げ、人間に近い判断業務の一部をデジタル化する可能性を秘めています。
ヒューマンリソシアがおすすめしている「つなぎAI Powered by Dify」は、ノーコード・ローコードで直感的に開発ができる、「AIエージェント開発プラットフォーム」です。現場主導で様々なアプリや、システムをつないで、独自の業務専用AIエージェントを開発することができます。
AIを活用したデータ入力自動化や、AIエージェントの活用に、ご興味のある方は、以下のページもご覧ください。
つなぎAI Powered by Dify ヒューマンリソシアのサービスページはこちら
作業そのものを外部の専門業者へ委託する選択肢です。
「ツールを導入・管理するITリソースや人材が社内に全くない」「即効性を重視して確実に成果を出したい」という状況における、もっとも確実な解決策となります。プロの視点で業務フローを整理・構築するため、品質とスピードが担保されます。
データ入力代行サービスでは、専門のオペレーターが入力を行うため極めて精度が高く、自社のリソースを100%コア業務に集中させることができます。
また、繁忙期だけスポットで依頼することも可能で、自社のリソースを本業に集中させられるメリットがあります。
自動化への移行期間として、まずはBPOを活用し、業務プロセスを最適化・標準化したうえでツール導入を進めるという段階的なアプローチも有効でしょう。
ヒューマンリソシアでは、これまで培ってきた豊富な実績とノウハウに基づき、お客様の課題に合わせた最適なBPOサービスをご提案しています。データ入力業務のアウトソーシングをお考えの方は、参考として、弊社の「BPOサービスページ(行政・自治体様向け)」もぜひご覧ください。

前章でご紹介した10の自動化手法の中でも、特に導入企業が増えているのがRPAです。
プログラミング不要で画面操作を記録できる手軽さと、既存システムを変更せずに導入できる柔軟性から、業種や規模を問わず注目を集めています。
本章では、実際の現場でRPAがどのように活用されているのか、職種ごとの具体例をご紹介します。「うちの部署でも使えそう」と感じる事例があれば、ぜひ参考にしてください。
毎月届く大量の請求書や領収書を、一枚一枚確認しながら会計ソフトへ入力する作業は、RPAとAI-OCRの得意分野です。
AI-OCRで請求書をスキャンしてデータ化し、RPAが自動的に会計システムへ転記します。
取引先名、金額、日付、消費税といった項目を自動で読み取り、仕訳まで完了できます。
これにより、月初に集中していた経理担当者の入力工数を大幅に削減し、月次決算の早期化に大きく貢献します。
また、金額の照合自動化により、支払いミスや二重払いを未然に防ぐガバナンス強化の側面も持ち合わせています。 経理担当者は、数字の入力作業ではなく、資金繰りの管理や財務分析といった、より経営に直結する業務へシフトできます。
勤怠データの集計や給与システムへの入力、従業員情報(住所変更・扶養家族情報など)の登録・更新は、定型的な転記作業が多く、負担になりやすい業務です。
たとえば、勤怠管理システムから必要データを自動で取得し、給与計算ソフトへ連携・転記することで、集計から入力までの手作業を減らせます。あわせて、各種申請フォームの内容を人事システムへ自動反映する仕組みを整えれば、更新漏れや入力ミスの抑制にもつながります。結果として、差し戻し対応や従業員からの問い合わせ対応にかかる時間の削減も期待できます。
名刺交換後の情報登録や、問い合わせフォームから届いた見込み客データをSalesforceや kintone などの管理システムへ手入力する作業は、営業部門で発生しがちな定型業務です。
名刺をスキャンしてOCRで読み取り、RPAが会社名・担当者名・電話番号などの項目を自動的にCRMへ登録します。Webサイトからの問い合わせについても、決められたフォーマットで届いたメール情報を、RPAが指定された項目ごとに抽出し、顧客管理システムへ自動入力できます。
営業担当者は入力作業から解放され、商談や提案書作成といった本来の営業活動に集中できます。
Google広告やFacebook広告の運用データをExcelへ集約してレポート作成する作業や、アンケート結果の入力・集計作業は、マーケティング部門で頻繁に発生する定型業務です。
RPAを活用すれば、各広告プラットフォームへ自動ログインし、データを取得してExcelやBIツールへ集約できます。
アンケート結果についても、Googleフォームなどから自動集計され、分析用のダッシュボードへリアルタイムで反映される仕組みを構築可能です。
手作業での集計時間がゼロになり、データ分析や施策立案といったコア業務に時間を使えるようになります。

自動化プロジェクトは、最初から大規模な導入を目指すと、想定外の課題に直面したり、現場の抵抗にあったりして、計画通りに進まないケースが少なくありません。
成功の秘訣は、まずは小さな一歩から始めて、成功体験を積み重ねながら着実に拡大していくことです。
本章では、失敗を避けて確実に成果を出すための5つのステップをご紹介します。各ステップを丁寧に進めることで、自動化の効果を最大限に引き出せるでしょう。
まず「何のために自動化するのか?」を最初に明確にしましょう。
残業時間の削減なのか、ミスの撲滅なのか、それとも人手不足の補完など、目的によって優先すべき業務が変わるためです。
次に、現状の業務を洗い出し、可視化します。誰が、いつ、どんな作業を、どのくらいの時間かけて行っているのか、業務フローにしてボトルネックや例外パターンまで整理できると、導入後の想定外対応による停止リスクを下げられます。現場担当者へのヒアリングも行い、実際の運用手順を含めて把握しておきましょう。
自動化ツールを活用する際の対象業務の選び方や、業務の可視化を進める際のポイントをまとめた資料もご用意しています。業務整理に使えるシート付きですので、よろしければご活用ください。
▶資料ダウンロード「RPA化対象業務選定のポイントと業務可視化のメリットとは」
次に、「どの程度の効果が見込めるか」を整理します。
自動化できそうな業務が複数ある場合は、反復頻度が高く、ルールが明確で、既存システムの改修が不要な業務から優先的に取り組むのが鉄則です。投資対効果(ROI)を試算する際には、「このツールを導入すれば、年間で何時間削減できるか」「人件費換算でどれくらいのコスト削減になるか」「何ヶ月で投資を回収できるか」を具体的な数字で示しましょう。
ツール選定では、導入のしやすさ、サポート体制の充実度、将来的な拡張性が可能かどうかについて、特に確認するとよいでしょう。多くのツールは無料トライアルを提供していますので、実際の業務で試してから判断することをおすすめします。
最初から全社展開を目指さず、小さく始めて成功体験を積み重ねましょう。
データ入力の自動化では、想定外の例外(入力値の揺れ、画面変更、承認待ち、ファイル欠損など)が出やすいため、早い段階で「つまずきポイント」を洗い出すことが重要です。
この段階では、削減できた時間だけでなく、運用面の負担(手直しの頻度、エラー対応にかかる時間、担当者の引き継ぎの難しさ)などもあわせて確認するとよいでしょう。
成功事例を社内で共有すれば、他部署からの協力も得やすくなります。小さな成功が、次の自動化への推進力になるのです。
スモールスタートで得られたデータをもとに、効果を定量・定性の両面で評価します。
たとえば、作業時間の削減量、ミスの減少、処理スピードの安定化、繁忙期の負荷軽減などです。数字で示せる成果があれば、関係者(上司や経営層)とも認識を揃えやすくなります。
効果が確認できた場合は、他部署への展開や、対象業務の拡大を検討します。一方で、期待した効果が出なかった場合も、すぐに失敗と決めつける必要はありません。前提データの整備不足、業務ルールの曖昧さ、例外の多さなど原因を切り分けたうえで、業務プロセスの見直しやツール選定の再検討につなげることが現実的です。
自動化は「導入して終わり」ではありません。
誰がロボットや、自動化フローをを管理するのか、エラーが出たときの対応手順、定期的なメンテナンス体制など、運用ルールを明確にしましょう。
また、データ入力業務では入力ルールやマスタ管理が成果を左右します。表記ゆれのルール、必須項目、例外の判断基準なども含めて整備し、属人化しない形で共有しましょう。
定期的に効果測定を行い、改善を続けることが大切です。自動化を組織文化として定着させることで、継続的な業務改善につながります。

ここまで、データ入力自動化の手法や導入ステップについて解説してきましたが、「実際に導入した企業はどんな成果を上げているのか」が最も気になるポイントではないでしょうか。
理論だけでなく、実際の導入事例を知ることで、自社での適用イメージが具体的になります。
本章では、業種や規模が異なる3社の成功事例をご紹介します。それぞれの企業が直面していた課題、選択した解決策、そして得られた成果を通じて、データ入力自動化の効果を具体的にイメージしていきましょう。
「カンロ飴」で知られるカンロ株式会社様では、「仕事の仕方・質・スピードの改革」をミッションに、業務改革推進室を設置しました。
業務棚卸や残業分析を通じて、部門間の壁や転記・二重入力といった課題を特定。「導入のしやすさ」を重視してWinActorを選定し、システム部門で推進組織を立ち上げたうえで、現場主導でロボットを開発していく体制を構築しました。
具体的には、経理部の「家賃等支払依頼伝票」の起票業務において、不動産賃借料の一覧表から会計システム取込用Excelへデータを転記し、CSV化して会計システムに取り込む作業(16拠点分)を自動化しています。
導入後は、社内で自走できる体制が整い、継続的な業務改善が実現しています。数値的な成果だけでなく、「現場が自ら改善に取り組む文化」が育った点も、成果のひとつと言えるでしょう。
詳細はカンロ株式会社様の事例ページをご覧ください。
建設コンサルタントの八千代エンジニヤリング株式会社様では、働き方改革の一環として、残業時間削減を目指しRPAを導入しました。
実務者への事前アンケートで単純作業をリストアップし、最も効果の高い業務を選定。
営業企画課では、Web上の国土交通省「中長期発注見通し」データを出力し、Excelシートへ入力したうえで社内サーバに保存し、完了後に担当者へメール連絡する一連の作業を自動化しました。
運用試験を経て本運用に移行した結果、年間約2,000分の工数削減を達成し、作業時間が大幅に削減されました。正確性も維持できることが確認されています。
また、ワーキンググループによるシナリオ作成者の育成も行い、社内にRPAスキルを持つ人材が育つ体制を整えています。
詳細は八千代エンジニヤリング株式会社様の事例ページをご覧ください。
大阪の淀川キリスト教病院様では、コロナ禍で業務負担が増大する中、RPA導入を進めました。
コロナに係る診療報酬請求業務は単調だが大量にあり、RPAに適していると判断。60日間の無料トライアルから開始し、ヒューマンリソシアの技術サポートを利用して5つのシナリオを作成しました。
具体的には、「二類感染症患者入院診療加算」を医事会計システムへ入力する業務や、COVID-19公費登録に必要な公費番号・公受給者番号を入力する業務などを自動化しています。
導入の結果、6時間かかっていた作業が完全自動化され、医療現場の負担が大幅に緩和。職員が患者ケアや重要な業務に集中できる環境が整い、業務の質も向上しました。
詳細は淀川キリスト教病院様の事例ページをご覧ください。

データ入力の自動化は、データ入力の自動化は、残業の抑制や入力ミスの削減など、日々の業務負荷を減らすための有効なアプローチです。一方で、いきなり大きく進めようとすると、例外処理や運用面の課題が表面化し、手戻りにつながることもあります。
まずは、本記事でご紹介した方法の中から、自社に合った手法を1つ選び、スモールスタートで効果を確認してみてください。Excelの標準機能やマクロの活用、入力フォームの導入でも構いません。大切なのは、現状業務を洗い出し、どこに負荷やミスが発生しているかを整理したうえで、優先順位をつけて取り組むことです。
ヒューマンリソシアでは、データ入力自動化を含めた総合的なDX支援を提供しています。RPA・AI-OCR・AI活用、各種SaaS連携を含む自動化の設計から、導入・運用定着まで一貫して支援しています。業務整理の進め方や、自動化対象業務の選び方でお悩みの場合も、状況に合わせて進め方をご提案可能です。
「どこから着手すべきか相談したい」「自社の業務で自動化できる範囲を知りたい」という方は、お気軽にお問い合わせください。
データ入力自動化のご相談、トライアルのお申し込み、導入事例の詳細など、お気軽にお問い合わせください。
【よくあるご質問】
Q. データ入力の自動化とは具体的にどのようなことですか?
A: これまで人の手で行ってきたデータ入力や転記作業を、デジタル技術や外部リソースに置き換える取り組みです。
具体的には、紙書類の内容を読み取ってシステムへ登録する、あるいは複数のシステム間でデータを同期させるといった動作を、ソフトウェアが自動的に実行します。
Q. データ入力を自動化することで、業務にどのような良い影響がありますか?
A: 転記ミスや入力漏れといったヒューマンエラーが劇的に減少し、データの品質が安定します。
A: 削減したコストを新規事業やR&Dといった成長分野へ再投資することで、企業としての好循環を生み出すことが可能になります。
Q. データ入力を自動化・効率化するにはどのような方法がありますか?
A: 自動化の方法はExcelマクロやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、SaaS連携やAI-OCRで紙の書類をデータ化する方法、あるいは作業そのものを外部の専門業者に委託するBPOまで、多岐にわたります。
Q. 自動化ツールの導入で失敗しないための秘訣はありますか?
A: 成功の秘訣は、まずは小さな一歩から始めて、成功体験を積み重ねながら着実に拡大していくことです。
本コラム内容について
各コラムの内容は、執筆時点での情報を元にしています。
製品バージョンアップなどにより、最新ではない場合がありますので、最新の情報は、各社の公式Webサイトなどを参考にすることをおすすめいたします。
各コラムの内容は、利用することによって生じたあらゆる不利益または損害に対して、
弊社では一切責任を負いかねます。
一つの参考としていただき、利用いただく際は、各社のルール・状況等に則りご活用いただけますと
幸いです。
※「WinActor®」は、NTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
※「RPA技術者検定®」は、株式会社NTTデータの登録商標です。
※「DX Suite」は、AI inside株式会社の登録商標です。
※「kintone」は、サイボウズ株式会社の登録商標です。
※「Salesforce」は、Salesforce, Inc.(または salesforce.com, inc.)の商標または登録商標です。
※「Slack」は、Slack Technologies, Inc.の商標または登録商標です。
※「ChatGPT」および「OpenAI」関連の名称・ロゴは、OpenAIの商標または登録商標です。
※Google、Google Workspace、Gmail、Google ドライブ、Google スプレッドシート、Google フォーム等は、Google LLC の商標または登録商標です。
※Microsoft Excel は、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※Facebook は、Meta Platforms, Inc.の登録商標です。
※「つなぎAI」は日本国内における日本電子計算株式会社の登録商標です。
※「Dify」は米国LangGenius社の登録商標です。
※「JavaScript」は、Oracle Corporation およびその関連会社の商標または登録商標です。
※その他、本文中に記載されている会社名・製品名・サービス名は、各社の商標または登録商標です。