2026.05.26-
「毎日のデータ入力やメール対応に時間を取られている」「人手不足でなかなか業務が回らない」といったお悩みを抱えていませんか。
近年は生成AIの進化により、これまで人手で対応していた事務作業の一部を、AIで支援・効率化できる場面が増えてきました。
本記事では、事務の現場で活用しやすいAIでの効率化事例8選を中心に、RPAとの使い分けや、導入を進める際のステップを整理して解説します。
AIを業務に取り入れることで、チームの働き方や業務の進め方がどのように変わるのか、具体的なイメージをつかんでみてください。
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目次
労働力不足が進むなか、AIによる事務作業の自動化は、単なる効率化にとどまらず、企業が安定して業務を進めるための重要な取り組みになりつつあります。
これまでは、RPAなどによる定型業務の自動化が中心でしたが、生成AIの登場により、文章作成、要約、問い合わせ内容の分類など、これまで人が対応していた事務作業の一部も支援しやすくなっています。
ただし、AIはすべての業務を自動化できる万能なツールではありません。
業務内容や利用するデータ、社内ルールに合わせて、人が確認・判断する範囲を整理しながら活用することが大切です。
多くの事務現場では、請求書のデータ入力や帳票作成といった定型業務に加え、問い合わせへの回答案作成、資料の要約、申請内容の確認など、状況に応じた判断が必要な業務も発生しています。
こうした多様な業務を少人数で対応しなければならない状況では、担当者に負担が集中しやすく、ミスや対応遅れの原因にもなりかねません。
AIを活用することで、情報整理や文書作成のたたき台づくり、内容の分類といった作業を効率化できます。その結果、担当者は確認や判断、業務改善など、人が担うべき業務に時間を使いやすくなることが期待できます。
AIを導入することで、これまで時間をかけていた情報整理や文書作成、問い合わせ対応の準備などを、より短時間で進めやすくなります。
たとえば、長文資料の要点を整理したり、過去の回答例をもとにメール文面のたたき台を作成したりすることで、ゼロから作業する負担を軽減できます。また、申請内容や問い合わせ内容を分類する業務では、AIを活用することで確認すべきポイントを整理しやすくなり、対応のスピードや品質の安定化にもつながります。
これにより、担当者は単純作業にかかる時間を減らし、確認・判断が必要な業務や、業務改善に向けた取り組みに時間を使いやすくなります。
ただし、AIが出力した内容には誤りや不自然な表現が含まれる可能性もあります。そのため、業務で活用する際は、AIの出力をそのまま使うのではなく、最終確認を人が行う運用を前提にすることが重要です。
従来のITツールやRPAは、あらかじめ決められた手順に沿って処理を行うことを得意としていました。
そのため、データの転記や定型的な集計、決まったフォーマットへの入力など、ルール化しやすい業務で効果を発揮してきました。
一方、生成AIは文章の作成、要約、分類、アイデア出しなど、自然言語を扱う業務を支援できる点に特徴があります。
これにより、メール文面の作成、議事録の整理、社内資料の要約、問い合わせ内容の仕分けなど、事務職の日常業務でも活用しやすい場面が広がっています。
つまり、生成AIの登場によって、事務作業は「決められた作業を自動化する」だけでなく、「人の判断や文章作成を支援する」方向へと広がりつつあります。
RPAなどの自動化ツールと組み合わせることで、定型業務と非定型業務の両面から、業務効率化を進めやすくなるでしょう。
事務作業の自動化を検討する際、AIとRPA(Robotic Process Automation)のどちらを選ぶべきか迷うケースは少なくありません。
両者は混同されることもありますが、特性や得意分野は異なります。わかりやすく整理すると、RPAは「決められた手順を正確に実行する手」、AIは「情報を整理し、判断や生成を支援する脳」に近い役割といえます。
それぞれの特徴を理解し、自社の課題に合わせて適切に使い分けることが、業務効率化を進めるうえで重要です。
RPAは、Excelから基幹システムへデータを転記するといった、手順が決まった定型作業に向いています。人が行っていたクリック操作や入力作業を自動化できるため、繰り返し作業の効率化に効果を発揮します。
一方、AIは、文章の要約、問い合わせ内容の分類、回答案の作成、大量のテキストから傾向を整理するなど、ルール化しにくい作業の支援に向いています。
| 項目 | AI(脳) | RPA(手) |
| 得意なこと | データの整理、判断支援、予測、文章生成 | 定型作業の高速・正確な実行 |
| 対応業務 | 非定型業務の支援 | 定型業務の実行 |
| 柔軟性 | 状況に応じた整理・生成がしやすい | 想定外の挙動には調整が必要 |
AIとRPAを組み合わせることで、自動化の対象範囲を広げやすくなります。
たとえば、AIが請求書の記載内容を読み取り、その結果をもとにRPAがシステムへ入力する、といった連携が可能です。これにより、従来は人手による確認や入力に頼っていた工程の一部まで、自動化の対象に含めやすくなります。
なお、こうした連携を導入する際は、AIの読み取り精度や、RPAの動作条件を踏まえた運用設計が前提となります。完全な自動化を目指すよりも、「人がどこを確認するか」をあらかじめ決めておくことが、安定運用のポイントとなります。
自社の業務が「決まった手順を繰り返すもの」なのか、「内容を理解して整理・判断する必要があるもの」なのかを見極めることで、適したツールを選びやすくなります。
AIとRPAの違いや、使い分けの判断ポイント、両者を組み合わせた業務効率化の事例についてさらに詳しく知りたいという方は、以下の記事もご覧ください。
【関連記事】RPAとAIの違いとは?メリットや組み合わせによる活用事例を解説
AIは、事務作業のさまざまな場面で活用できます。
一口にAIといっても、紙やPDFの書類を読み取るAI-OCR、文章作成や要約を支援する生成AI、問い合わせ対応を支援するチャットボット、社内ナレッジを検索・整理する仕組みなど、活用する技術やツールは業務内容によって異なります。
従来のOCRにAIを組み合わせた書類処理から、生成AIによる文章作成や要約、問い合わせ対応の支援まで、活用の幅は広がっています。
本章では、日常業務に取り入れやすい代表的な8つの活用シーンをご紹介します。
自社やチームで抱えている業務と照らし合わせながら、活用イメージを整理してみてください。
請求書や領収書の処理では、金額や日付、取引先名などを確認しながら、会計システムや管理表へ転記する作業が発生します。
このような書類処理では、AI-OCRが役立ちます。
近年は、レイアウトが異なる帳票や、手書き文字を含む非定型の書類にも対応しやすいAI-OCRもあり、紙やPDFの書類から必要項目を読み取り、データ化したうえで入力用の形式に整理しやすくなっています。
たとえば、複数のフォーマットで届く領収書や請求書をAI-OCRで読み取り、CSVやExcel形式に出力することで、手入力や転記作業の負担を軽減できます。
さらに、読み取ったデータをRPAや後続システムと連携すれば、会計システムへの入力準備や管理表の作成まで効率化しやすくなります。
人が最終確認を行う前提ではあるものの、手入力の削減や確認作業の効率化、帳票処理の標準化が期待できます。
会議後の議事録作成では、発言内容を書き起こすだけでなく、決定事項や次のアクションを整理する手間がかかります。
音声認識AIや生成AIを活用すれば、音声データやメモをもとに議事録のたたき台を作成し、要点や担当者ごとのタスクを整理しやすくなります。
ゼロから議事録を書く負担を減らし、会議後の情報共有を進めやすくする活用例です。ただし、発言の意図や決定事項の解釈に誤りがないかは、人が確認することが大切です。
事務業務では、日程調整、回答依頼、お詫び、進捗確認など、似たような文面を何度も作成する場面があります。
こうした文章作成の場面では、生成AIによる下書き作成が有効です。
目的や相手に応じてメール文面のたたき台を作成したり、表現を整えたりする支援に向いています。
送信前に人が確認する運用を前提にすれば、文章作成の時間短縮だけでなく、文面のばらつきを抑えることにもつながります。
社内資料や報告書、マニュアルが増えると、必要な情報を探すだけでも時間がかかります。
生成AIや社内ナレッジ検索の仕組みは、長文資料から必要な情報を探したり、要点を整理したりする場面で役立ちます。
たとえば、会議前に関連資料の概要を把握したい場合や、複数資料の共通点を確認したい場合などに活用しやすい領域です。
また、社内規程や業務マニュアルをもとに、必要な手順や確認事項を探しやすくすることで、担当者ごとの確認時間の差を減らし、情報共有の効率化にもつながります。
総務・人事・営業事務などの部門には、日々さまざまな問い合わせが寄せられます。
問い合わせ対応では、生成AIやチャットボットを組み合わせることで、内容の分類や一次回答案の作成を支援できます。
FAQや過去回答をもとに回答案を作成し、担当者が最終確認する流れにすれば、対応時間の短縮や回答品質の平準化にもつながりやすくなります。
たとえば、問い合わせ内容を「勤怠」「経費精算」「契約手続き」「システム利用」などに分類し、関連する社内ルールや過去の回答例をもとに回答案を作成する、といった使い方が考えられます。
契約書や申請書、社内規程の確認では、必要項目の抜け漏れや条件の見落としがないかを丁寧に確認する必要があります。
生成AIや文書解析に対応したAIツールは、文書の中から確認すべき項目や不足情報を洗い出し、チェックの観点を整理する補助として利用できます。
たとえば、契約期間、金額、支払条件、押印欄、申請理由、添付書類の有無など、確認すべき項目を一覧化することで、担当者がチェックすべきポイントを把握しやすくなります。
ただし、法務判断や最終的な承認をAIに任せるのではなく、人が確認すべきポイントを早く把握するための支援として位置づけることが重要です。
出張申請書や旅費精算書など、社内申請の確認業務にAIを取り入れることも考えられます。
こうした業務では、記入漏れや規程違反の有無を確認し、不備があれば差戻しや修正依頼を行う必要があります。そのため、担当者の負担が大きくなりがちです。
AI-OCRで申請書や領収書の内容を読み取り、生成AIやRPAなどと組み合わせて、必要項目の記入漏れ、金額・日付の不一致、社内ルールに照らして確認が必要な箇所を整理することで、担当者は確認すべきポイントを把握しやすくなります。
たとえば、申請された経路や料金を外部の経路検索結果と照合し、差額や不自然なルートがある場合だけ担当者に確認を促す、といった運用も考えられます。
すべてを自動で承認するのではなく、確認が必要なものだけ人が見る仕組みにすることで、現場でも安心して導入しやすくなります。
社内規程や各種手続きに関する問い合わせ対応でも、AIの活用が期待できます。
たとえば、就業時間、有給休暇、各種申請方法など、総務部門や人事部門に繰り返し寄せられやすい質問に対して、チャットボットや社内ナレッジ検索に対応したAIツールが、関連情報を参照しながら回答案を提示する形です。
定型的な問い合わせへの対応負荷を軽減しながら、回答のばらつきを抑え、社内対応の標準化にもつなげやすくなります。
ここまでご紹介したように、AIは書類の読み取り、文書作成、問い合わせ対応、申請確認など、事務作業のさまざまな場面で活用できます。
まずは、定型的な問い合わせ対応や申請確認、文書作成のたたき台づくりなど、対象を絞って取り組みやすい業務から検討するとよいでしょう。
ここまで、事務作業で活用しやすいAIの事例を8つご紹介しました。
実際の現場では、こうした活用を通じて、これまで多くの時間を要していた転記や照合、資料整理、問い合わせ対応などの負担軽減が期待できます。
重要なのは、AIがすべての業務を置き換えるのではなく、人と役割分担しながら業務の進め方を見直していくことです。
AIが下書き作成や情報整理、一次判断の補助を担い、人は最終確認や例外対応、改善に集中する。そのような形で業務フローを再設計することで、現場全体の生産性向上につながりやすくなります。
具体的な変革のイメージとして、ヒューマンリソシアが取り組んだ「求人原稿の作成業務」の事例をご紹介します。
従来、この業務には「採用ターゲットのペルソナ設計」や「求職者に響く訴求ポイントの整理」といった、担当者の経験や判断が求められる工程が含まれており、すべてを定型的に処理することは難しい業務でした。
そこで、AIエージェント基盤サービス「つなぎAI Powered by Dify」とRPAを連携させ、業務フローを「AI前提」で再設計しました。
AIが求人情報から訴求ポイントを自動で抽出し、ドラフト(下書き)を作成。人間はその内容を「最終確認・微調整」する役割へとシフトしました。
その結果、1件あたり20分かかっていた作業が14分へと短縮。品質のばらつきを抑えながら、組織全体で月400時間の工数削減につながっています。
単なる時短にとどまらず、担当者が「より魅力的な表現を磨く」「求職者に伝わりやすい内容へ整える」といった、人が担うべき付加価値の高い業務に時間を割きやすくなった点も大きな変化です。
AIとRPAをどのように組み合わせ、どのような手順で「判断の自動化」を進めたのか、
その詳細については以下の別記事をぜひご覧ください。
【関連記事】【実録】RPA×生成AIで月400時間を削減!「人の判断」を自動化した求人作成業務の変革事例
事務現場でAIを活用することで、作業時間の短縮にとどまらず、さまざまな副次的なメリットも期待できます。
単純な入力作業や確認作業の一部をAIに任せられるようになると、業務コストの低減につながるだけでなく、担当者がより付加価値の高い業務に取り組みやすい環境を整えやすくなります。
本章では、事務作業でAIを活用することで得られる主なメリットを3つに分けて整理します。
データ入力や確認作業は、件数が増えるほど担当者の負担が大きくなり、確認漏れや入力ミスが発生しやすくなります。
AIを活用することで、必要項目の抽出や確認ポイントの整理を支援できるため、人がひとつひとつ確認する負担を軽減できます。
ただし、AIの出力が常に正しいとは限りません。人的ミスを完全になくせるものではなく、確認作業を支援し、ミスを抑制しやすくするものとして活用することが大切です。
事務業務では、「この処理は特定の担当者しかわからない」「過去の対応履歴を探すのに時間がかかる」といった属人化が課題になることがあります。
AIを社内マニュアルやFAQ、過去の対応履歴と組み合わせて活用すれば、必要な情報を探しやすくなり、担当者ごとの知識差を補いやすくなります。
これにより、担当者不在時の対応や、新任者への引き継ぎも進めやすくなります。
AIが文章作成のたたき台づくりや情報整理を支援することで、担当者はゼロから作業する時間を減らしやすくなります。
その分、顧客対応の質を高める、業務フローを見直す、社内の改善提案を行うなど、人が考えるべき業務に時間を使いやすくなります。
AIを「業務を奪うもの」と捉えるのではなく、担当者の負担を軽減し、より価値の高い業務に集中するためのパートナーとして活用する視点が大切です。
現在、多くの事務現場で導入が進んでいるAIツールは、ITの専門知識がなくても直感的に操作できるものが増えています。
特に、普段から使い慣れているオフィスソフトとシームレスに連携できるツールは、学習コストを抑えつつ、すぐに業務効率化の実感を得られるのが特徴です。
本章では、文章作成、情報整理、資料作成、社内データの活用などに使いやすい代表的なツールをご紹介します。
それぞれの強みや自社環境との相性を踏まえて、最適な選択肢を検討してみてください。
ChatGPTは、OpenAIが提供する代表的な生成AIサービスです。企画書の骨子作成、メール文の下書き、文章の要約、アイデア出しなど、対話形式で幅広い事務作業を支援できます。
・特徴
自然な対話形式でやり取りできるため、専門的な知識がなくても利用しやすい点が特徴です。テキスト生成だけでなく、画像生成、データ分析、ファイルの読み込みや要約など、さまざまな機能を備えています。
また、法人向けには「ChatGPT Business」や「ChatGPT Enterprise」も提供されており、入力・出力データを標準ではモデルの学習に利用しない仕組みや、管理者向けのセキュリティ・管理機能なども用意されています。
・活用に向いている場面
「ゼロからの文書作成」やブレインストーミング、長文資料の要点整理など、定型化しにくい業務での活用に向いています。
プロンプト(指示文)の与え方によって、メール文の作成、議事録の整理、FAQのたたき台作成など、さまざまな用途に応用しやすい点が強みです。
Microsoft 365 Copilotは、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsなど、Microsoft 365の各種アプリケーションと連携して利用できるAI機能です。
普段からMicrosoft 365を利用している企業では、既存の業務環境と組み合わせて活用しやすい点が特徴です。
・特徴
Microsoft 365のアプリケーション上で、文書作成、データ分析、メール作成、会議内容の整理などを支援できます。
Wordでの文書作成、Excelでのデータ整理、PowerPointでの資料作成、Teamsでの会議内容の要約など、日常的に利用している業務ツール上でAIを活用できる点が特徴です。
・活用に向いている場面
Excelでのデータ集計や分析、Wordでの文書作成、PowerPointでの資料作成、Teams会議の内容整理など、Microsoft 365を中心に業務を進めている場合に活用しやすいツールです。
また、社内のメールや資料、会議情報などをもとに業務を整理したい場合にも向いています。既存のMicrosoft 365環境を活かしながら、事務作業の効率化を進めたい企業に適しています。
Google Workspace with Geminiは、Googleドキュメント、スプレッドシート、Gmailなどの各アプリ上で、GoogleのAI「Gemini」を活用できる機能です。
普段からGoogle Workspaceを利用している企業では、文章の作成・推敲、データ整理、メール文面の作成、資料確認などを、日常業務の流れの中で進めやすい点が特徴です。
・特徴
Gmail、Googleドライブ、Googleドキュメント、スプレッドシート、Google Meetなど、Google Workspaceの各アプリと連携して利用できます。
クラウド環境での情報共有や同時編集と相性がよく、チームで同じ資料を確認・編集しながら、AIによる文章作成や要約、情報整理の支援を受けやすい点が特徴です。
また、ユーザーがアクセスできる範囲の情報をもとに支援を受けられるため、Google Workspace上の資料やメールを活用しながら業務を進めたい場合にも活用しやすいでしょう。
Google Workspace向けのGeminiでは、組織のデータやユーザーの入力内容が、許可なくGoogleの生成AIモデルのトレーニングに利用されないとされています。業務利用を検討する際は、管理者設定やデータ保護の内容もあわせて確認しておくことが大切です。
・活用に向いている場面
普段からGoogle Workspaceを利用しているチームに向いています。
たとえば、Googleドキュメントでの共同執筆、Gmailでのメール文面作成、Googleドライブ内の資料確認、スプレッドシートでのデータ整理など、クラウド上で情報を共有しながら進める事務作業で活用しやすいツールです。
複数人で資料を作成・確認する機会が多いチームや、Google Workspace上に業務情報が集約されている企業では、既存環境を活かしながらAI活用を進めやすいでしょう。
なお、各ツールで利用できる機能や管理機能、料金は、契約プランや利用環境によって異なります。
導入を検討する際は、利用人数、既存の業務環境、セキュリティ要件、管理機能の必要性などを整理したうえで、各社の公式サイトで最新情報を確認することが大切です。
AI導入を成功させるためには、ツールありきで進めるのではなく、現場の状況に合わせた段階的なアプローチが大切です。
焦って全社規模で導入しようとすると、操作の習得やルールの整備が追いつかず、現場に混乱を招いたり、思わぬセキュリティリスクを抱えたりする恐れがあります。
本章では、AIを社内に定着させるためのステップと、運用上のポイントを解説します。
まずは、現在どのような業務があり、それぞれにどれくらいの時間がかかっているのかを棚卸しします。
すべての業務を一度に変えるのではなく、頻度が高い業務、作業時間が長い業務、担当者の負担が大きい業務などから優先順位をつけることが大切です。
AIに向いている業務、RPAに向いている業務、人が対応すべき業務を整理することで、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。
AIは、いきなり全社導入するのではなく、特定の部署や業務から小さく始めることをおすすめします。
たとえば、議事録作成、メール文面のたたき台作成、社内問い合わせの一次回答案作成など、効果を確認しやすい業務から試すとよいでしょう。
実際に現場で使ってみることで、ツールの使い勝手や改善点、運用上の課題を早い段階で把握できます。
AIから安定した回答を得るには、指示文であるプロンプトの整備が重要です。
うまくいったプロンプトや活用例を社内で共有し、誰でも一定の品質で使えるようにしておくと、属人的な活用にとどまりにくくなります。
また、入力してよい情報、入力してはいけない情報、出力内容の確認方法などもあわせて整理しておくことが大切です。
AIを業務で利用する際は、社外秘情報や個人情報の取り扱いに注意が必要です。
機密情報を入力しない、利用できるツールを限定する、出力内容を必ず人が確認するなど、社内ルールを明確にしておきましょう。
特に、契約書、社内規程、顧客情報などを扱う場合は、利用範囲や確認フローを慎重に設計する必要があります。
AI導入時には、「仕事が奪われるのではないか」「使いこなせるか不安」といった声が出ることもあります。
そのため、AI導入の目的を「人員削減」ではなく、「負担の大きい作業を減らし、より価値の高い業務に時間を使うため」と丁寧に伝えることが大切です。
現場の声を聞きながら、研修やマニュアル整備、相談できる体制づくりを進めることで、AI活用を定着させやすくなります。
AIによる事務作業の自動化は、特定の先進企業だけの取り組みではなく、さまざまな現場で活用が進みつつあります。
適切な手順で導入し、RPAなどと組み合わせて活用することで、チームの生産性を高めながら、担当者がより付加価値の高い業務に向き合いやすい環境を整えやすくなります。
本記事の重要ポイント:
AIを「人と協働するパートナー」として位置づけることで、事務作業の負担を軽減し、担当者が確認・判断・改善といった業務に時間を使いやすくなります。
一方で、AI活用を進める際には、対象業務の選定やデータの整理、セキュリティルールの整備、現場への定着支援など、事前に検討すべきポイントも少なくありません。
ヒューマンリソシアでは、AI活用・DX推進に向けた課題整理から、活用テーマの選定、導入・開発、研修、定着支援まで、お客さまの状況に合わせた伴走支援サービスを提供しています。
生成AI活用研修やハンズオン研修など、多様な研修コンテンツを通じて、AIを「知っている」状態から、実務で活用できる状態へと、つなげる体制づくりを支援いたします。
AIによる事務作業の効率化や、AI・DX活用の進め方にお悩みの方は、ぜひ以下のページをご覧ください。
【よくあるご質問】
Q. 事務職のAI自動化とはどのようなものですか?
A. 生成AIやAI-OCRなどの技術を活用し、これまで人が行っていた書類作成、要約、データ分類、情報抽出などの事務作業を効率化・自動化する取り組みを指します。
従来のツールでは対応しにくかった、文章の文脈を踏まえた要約や回答案の作成、問い合わせ内容の分類などを支援できる点が特徴です。ただし、AIの出力が常に正しいとは限らないため、業務で活用する際は人による確認や判断を組み合わせることが大切です。
Q. 既存のRPAとAIはどう使い分ければいいですか?
A. 基本的には、手順が決まっている定型作業はRPA、文章作成や要約、分類、判断支援が必要な作業はAIが向いています。
たとえば、データの転記や決まった画面操作はRPA、問い合わせ内容の分類やメール文の下書き作成、資料の要点整理はAIが活用しやすい領域です。実際の業務では、AIが情報を整理し、その結果をもとにRPAが後続処理を行うなど、両者を組み合わせることで効率化できる範囲を広げやすくなります。
Q. AIに社内データを入力しても大丈夫でしょうか?
A. 社内データをAIに入力する場合は、利用するAIサービスのデータ保護方針や契約内容を確認したうえで、社内ルールに沿って慎重に活用することが大切です。
法人向けプランでは、入力データを標準ではAIモデルの学習に利用しない仕組みや、管理者向けのセキュリティ機能が用意されている場合があります。機密情報や個人情報の入力範囲、出力内容の確認フローをあらかじめ定めたうえで利用しましょう。
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