人事評価にAIを活用するには?メリット・デメリット、活用例、導入時の注意点

 2026.08.27- 
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人事考課を含む人事評価では、評価者によって判断のばらつきが生じたり、評価データの集計や部門間の調整に多くの時間がかかったりすることがあります。
また、評価基準や評価結果に納得できないと感じる従業員も少なくありません。

パーソル総合研究所の「人事評価と目標管理に関する定量調査」※ によると、自社の評価制度に不満を感じている人の割合は38.3%でした。また、評価会議による調整を実施している企業は68.1%にのぼり、多くの企業で評価結果の確認や調整が行われていることがわかります。

こうした評価のばらつきや業務負担、従業員の納得感に関する課題に対応する手段の一つとして、AI活用が注目されています。

本記事では、人事評価にAIを活用するメリット・デメリットをはじめ、具体的な活用例や導入手順、安全に運用するための注意点について解説します。

なお、本記事では、企業によって「人事考課」または「人事評価」と呼ばれる一連の評価業務を、原則として「人事評価」と表記します。

出典:パーソル総合研究所「人事評価と目標管理に関する定量調査」

 

目次 

 

 

なぜ今、人事考課・人事評価にAIが求められているのか

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人事評価では、評価者の経験や価値観によって評価結果に差が生じることがあります。

また、評価シートの回収やデータ集計、評価会議用資料の作成など評価に伴う周辺業務にも多くの時間が必要です。

評価の公平性を高めながら業務負担を軽減することが求められる中、評価データの整理や分析、コメント作成などを支援できるAIへの関心が高まっています。

評価者によって判断基準や評価にばらつきが生じる


人事評価では、同じ評価制度や基準を設けていても評価者ごとの経験や価値観、解釈の違いによって評価結果に差が生じることがあります。

たとえば、成果を重視する管理職とプロセスを重視する管理職では、同じ行動に対する評価が異なる場合があります。
評価のばらつきがあると従業員が評価に対して不公平感を抱く要因になりやすく、モチベーションや組織への信頼低下につながりかねません。

そのため、評価基準に対する解釈をそろえ、評価プロセスを見直すことが求められます。

評価データの集計・調整に多くの時間がかかる


人事評価では、評価結果の集計だけでなく、各部門から評価シートを回収する作業も発生します。

営業や経理、カスタマーサポートなど複数の部署へ提出を依頼しても期日までに評価情報が集まらないため、個別にリマインドが必要になるケースも少なくありません。

また、以下のような業務にも時間がかかります。

・評価データの集計や確認
・評価者による評価のばらつきの確認や調整
・評価会議用の資料作成

従業員数や評価対象者が増えるほど業務負担は大きくなり、人事担当者は集計や調整作業に多くの時間を費やすことになります。

その結果、本来注力したい人材育成やフィードバック支援、評価制度の改善に十分な時間を確保できない場合があります。

評価理由を説明し、従業員の納得感を高める必要がある


人事評価は、従業員の成果や行動を評価するだけでなく、期待される役割や今後の目標を共有し、成長を支援する重要な機会でもあります。

しかし、評価結果だけを伝えても評価の根拠が十分に共有されなければ不満や不信感につながる可能性があります。
特に昇進や昇給に関わる評価では、どのような基準で判断されたのかを明確に説明することが重要です。

評価への納得感が得られない状態が続くと仕事への意欲やモチベーションの低下を招き、従業員が離職を検討する要因のひとつになる可能性もあります。
公平性だけでなく、評価プロセスの透明性や説明責任を高める取り組みが求められています。

 

 

人事評価のAI化とは?人事におけるAI活用の基本

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人事評価へのAI活用に関心は高まっていますが、AIで何ができるのかやどの業務に活用できるのかがわからない人事担当者も少なくありません。

また、AIが評価そのものを自動化する仕組みと捉えられることもありますが、主に評価データの分析やコメント作成などを支援するツールとして活用されます。

本章では、従来型AIと生成AIの違いやAIに任せやすい業務と人間が担うべき業務についてご紹介します。

従来型AIと生成AIでできることの違い


AIにはさまざまな種類があり、従来型AIは一定量のデータを分析し、部署ごとの評価傾向や評価の偏りを可視化する用途などに活用されます。

一方、生成AIは人間が入力した指示や情報をもとに新しいコンテンツを生成できるAIです。
人事評価では、評価コメントの要約や目標設定の添削、情報整理などに活用できます。

このように、人事評価においては、従来型AIは主に評価データの分析、生成AIは文章作成や情報整理を支援する役割を担います。

AIに任せやすい業務と人間が判断すべき業務


人事評価では、以下のような業務はAIを活用しやすい領域です。

・評価コメントの要約
・評価データの分析
・評価会議用資料案の作成
・目標設定案の作成支援

一方で、従業員の成長可能性や組織への貢献度を踏まえた最終的な評価判断は、人間が行う必要があります。
AIを活用する際は、AIに任せる業務と人間が判断する業務をあらかじめ明確にしておくことが重要です。

AIと人間の役割を適切に分けることで、人事担当者や管理職は定型業務の負担を軽減し、従業員との対話やフィードバックにより多くの時間を充てやすくなります。

AIは「評価者」ではなく「評価業務の支援者」


人事評価にAIを活用する際は、AIが従業員を自動的に評価するものではないことを理解しておく必要があります。

AIは評価材料の整理や情報分析、文章作成などを支援するツールです。
AIの出力が常に正しいとは限らず、評価コメントや分析結果が実態と異なる可能性もあります。

内容を十分に確認せず従業員へ伝えると評価に対する不信感につながる恐れがあるため注意が必要です。
最終的な評価判断や従業員への説明は人間が責任を持って行うことが重要です。

AIは評価者ではなく、評価者の判断や説明を支援するツールとして位置付ける必要があります。

 

 

人事評価にAIを活用する3つのメリット

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人事評価にAIを活用することで、評価材料の整理やデータ分析、コメント作成などにかかる負担の軽減が期待できます。

AIは評価業務そのものを代替するものではありませんが、適切に活用することで、人事担当者や管理職が評価やフィードバックに取り組みやすい環境を整えられます。

本章では、人事評価にAIを活用する3つのメリットを紹介します。

評価材料を整理し、判断のばらつきを抑えやすくなる


人事評価では、以下のような評価材料をもとに従業員の成果や行動を判断する必要があります。

・目標達成率
・自己評価
・上司の評価コメント
・1on1の記録
・360度評価

しかし、従業員数が多い組織では、これらの情報をすべて確認するだけでも多くの時間がかかり、評価会議や評価調整の場面では一部の情報に着目した判断になりかねません。

AIを活用することで、目標達成状況や自己評価などの評価材料から従業員ごとの成果や課題を要約したり、項目別に整理しやすくなります。

結果として、評価者は複数の情報を効率的に整理し確認できるようになり、判断時の情報の抜け漏れを防ぎやすくなります。

評価データの集計やコメント作成を効率化できる


人事評価では、各部署から集めた評価データの集計や従業員への評価コメントの作成などに多くの時間がかかります。

利用するAIや分析ツールによっては、評価データや面談記録などの情報を整理し、目標達成率や評価点、上司評価などの確認や、部署ごとの評価傾向を把握するための資料作成を支援できます。
また、評価コメントや面談メモを要約し、コメントのたたき台を作成することも可能です。

人事担当者や管理職は定型業務にかかる時間を抑え、フィードバックや人材育成に時間を充てやすくなります。

評価者や部門ごとの傾向を把握しやすくなる


AIを用いた分析では、一定量の評価データをもとに、評価者や部門ごとの評価傾向を把握できます。

たとえば、評価者ごとの平均評価点やA評価、B評価の割合を比較することで、特定の評価者がほかの評価者より高い評価を付ける傾向がないかを確認することが可能です。
また、部署ごとの評価分布を分析することで評価基準の運用に違いが生じていないかを把握でき、評価会議や評価調整の場面における判断材料として活用できます。

さらに、高い評価を受けている従業員に共通する行動や成果の傾向を把握することで、人材育成や目標設定、評価制度の改善に役立てることもできます。
ただし、分析で得られた共通傾向をそのまま望ましい人物像や評価基準とみなさず、参考情報として扱うことが重要です。

 

 

AIによる人事評価のデメリット・リスク

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AIは人事評価業務の効率化に役立つ一方で導入や運用にあたって注意すべき点もあります。
十分に理解しないまま活用すると評価の公平性や説明責任、情報管理などの面で問題が生じる可能性があります。
また、人事担当者としては導入後に発生し得るリスクを事前に把握し、経営層や関係部門からの質問にも対応できるようにしておくことが重要です。

本章では、AIによる人事評価の主なデメリットやリスクについて解説します。

過去データや入力情報の偏りがAIの出力に反映される


AIの出力は、モデル自体の学習データに加え、分析対象として入力・連携した情報の影響を受けます。
過去の評価データや評価基準に偏りがある場合、その影響がAIの出力に反映される可能性があります。

たとえば、目標達成率などの客観的な指標だけでなく、評価者の経験や価値観によって評価結果に差が生じていた場合、AIの分析結果にも偏りが生じかねません。
また、特定の評価基準ばかりが重視されることで、本来評価されるべき成果や取り組みが十分に評価されなくなる恐れもあります。

AIの分析結果は参考情報として活用し、人間による確認を行う姿勢が求められます。

AIの出力根拠がわかりにくい場合がある


AIは分析結果や評価コメントの作成を支援できますが、利用するAIや分析手法によっては、なぜその結論に至ったのかを十分に説明できない場合があります。

評価者が出力の根拠を理解しないまま、AIの出力内容をそのまま従業員へ伝えると、評価結果について質問や反論を受けた際に根拠を説明できず、評価への信頼を損なう恐れがあります。

従業員への説明責任を果たすためにも、AIの出力だけに依存せず、評価者が内容や根拠をあらかじめ確認しておく必要があります。

人事データや個人情報の漏えいリスクがある


人事評価では、評価結果や面談記録などの機密性が高い人事データを扱います。
AIにデータを入力する際は、個人情報や機密情報の取り扱いに注意が必要です。

たとえば、評価コメントの要約にAIを活用する場合でも、従業員名や個人を特定できる情報を入力してよいかどうかは事前に確認する必要があります。

利用するAIサービスによってデータの管理方法は異なるため、情報漏えいを防ぐためにも社内ルールやセキュリティポリシーを確認したうえで活用することが重要です。

AIの出力を正しいと思い込む可能性がある


生成AIは、事実と異なる内容を生成することがあります。
たとえば、面談記録や評価コメントをもとに要約や文章生成を行う際、実際には記載されていない内容を付け加えたり、従業員ごとの成果や課題を正確に反映できなかったりする場合があります。

また、AIが作成した評価コメントをそのまま従業員へ伝えると、実際の成果や行動を正確に反映していない内容まで伝えてしまい、評価に対する納得感や信頼を損ないかねません。

AIの出力は原案として活用し、事実関係に誤りがないかを確認しながら、評価者自身が自身の言葉で補足していくことが欠かせません。

「AIに評価される」という従業員の不安を招く


人事評価へのAI活用を十分に説明しないまま導入すると、AIが評価を決めているのではないかと従業員が不安を感じる可能性があります。

AIは評価データの整理や分析を支援できますが、従業員の成長過程や将来への期待、組織への貢献度などを、AIだけで適切に判断することは難しいといえます。

評価への納得感を高めるためには、AIは評価業務を支援するためのツールであり、最終的な評価判断は人間が行うことを明確に伝えることが重要です。

 

 

人事評価におけるAI活用の具体例

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AIは、目標設定や評価コメントの作成、業務記録の整理、評価データの分析など、評価の前後に発生するさまざまな業務に活用できます。
ただし、AIが人事評価を自動で決定するのではなく、評価者の情報整理や文章作成を支援する用途で活用することが基本です。

本章では、人事評価におけるAI活用の具体例をご紹介します。

目標設定の具体性や妥当性をAIで確認する


人事評価の目標設定では、売上を増やすといった抽象的な目標になりがちです。
しかし、目標が曖昧なままでは達成基準が人によって異なり、適切な評価が難しくなりかねません。
そこで、AIを活用することで目標の具体性や達成基準の明確さを確認できます。

たとえば、以下のような観点で壁打ちを行いながら目標を整理できます。

・何を達成するのか
・達成したかをどのように判断するのか
・難易度は適切か

その結果、売上を増やすという目標を3ヵ月以内に売上目標を100%達成するといった評価しやすい具体的な目標へ落とし込みやすくなります。

評価コメントの表現や客観性を見直す


評価コメントは、評価結果を伝えるだけでなく、従業員の納得感やフィードバックの質にも影響します。
しかし、「主体的に行動してほしい」「協調性を高めてほしい」といった抽象的なコメントでは、従業員が何を改善すればよいのかわからない場合があります。
AIを活用することで、評価コメントに含まれる曖昧さや伝わりにくい表現を見直せます。

たとえば、抽象的な表現を、期待する行動が伝わる具体的な表現に言い換えることが可能です。

【AIを活用した評価コメントの改善例】

修正前:
「今後は、より主体的に行動してほしい」

修正例:
「担当業務を期限内に完了するだけでなく、進捗上の課題を早めに共有し、改善案を提案する行動を期待します」

このように、期待する行動を具体的に示すことで、評価者の意図が伝わりやすくなり、従業員も今後どのように行動すればよいかを理解しやすくなります。

ただし、AIの出力をそのまま利用するのではなく、最終的には評価者自身が内容を確認し、自身の言葉で補足することが重要です。

業務記録から評価材料や考課コメントの原案を作成する


日報や週報、1on1の記録などには、評価に役立つ情報が蓄積されています。

しかし、人事評価の際に記録をひとつずつ確認するには、多くの時間がかかります。
AIを活用することで、日報や面談記録などの情報を要約し、成果や課題を評価材料として整理できます。

また、考課コメントの原案作成にも活用できるため、評価者の負担軽減につながります。
ただし、個人情報や機密情報を扱う場合は、会社が利用を認めたAI環境で利用することが重要です。

評価者や部門ごとの評価傾向を分析する


AIを活用することで、大量の評価データを分析し、評価者や部門ごとの評価傾向を把握しやすくなります。
たとえば、評価者ごとの平均評価点や評価分布を比較することで、評価基準の運用状況を確認しやすくなります。
分析業務は、人手で行うと多くの時間や専門的な知識が必要になるため、十分に実施できていない企業もあります。

AIを活用することで、評価データの整理や傾向分析を効率化でき、評価基準の見直しや、人材育成・評価制度の改善に役立てることが可能です。

AIとRPAで評価データの集計・入力を効率化する


人事評価では、売上実績や目標達成率などの評価データが複数のシステムに保存されていることがあります。
RPAを活用することで、評価データをあらかじめ設定した手順に沿って収集・集計し、人事システムへ入力する作業を効率化することが可能です。
また、AIは集計したデータの整理や分析を支援できるため、評価に必要な情報を整理しやすくなります。

人事担当者は集計や入力作業の負担を軽減し、評価や人材育成により多くの時間を充てやすくなります。

人事・総務業務では、人事評価以外にも、勤怠管理や採用事務、入退社手続きなど、RPAを活用できる定型業務があります。

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RPAで人事・総務業務を自動化!活用事例12選と導入を成功させる5つの手順

 

 

人事評価業務をAI・RPA・人にどう分担するか

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人事評価へのAI活用を検討する際、どの業務をAIに任せるべきかや、人間が担うべき業務は何かと悩むことがあります。
また、AIやRPAを導入してもすべての業務を自動化できるわけではありません。
業務内容に応じて役割を適切に分担することが重要です。

AIは情報の整理や分析、文章作成を支援し、RPAはデータ収集や入力などの定型業務を自動化することが可能です。
一方で、最終的な評価判断やフィードバック、従業員との対話は人間が担う必要があります。

人事評価では、目標設定から評価材料の収集、評価、フィードバック、運用改善まで、複数の工程が発生します。
それぞれの工程におけるAI・RPA・人の役割分担の例は、以下のとおりです。

人事評価の工程 AIが支援できること RPAが自動化できること 人が担うこと
目標設定 目標案の作成、具体性や表現の確認 目標シートの配布、未提出者への通知 目標の妥当性を判断し、本人と合意する
評価材料の収集 面談記録や日報の要約、成果や課題の整理 複数のシステムから実績データを収集・転記 評価に必要な情報を選定し、事実関係を確認する
一次評価 考課コメントやフィードバックコメントの原案作成 評価シートへの実績データの入力 成果や行動、役割を踏まえて評価する
評価調整 評価分布や評価者ごとの傾向分析 評価会議用データの集計、資料への転記 部門間や評価者間の差異を確認・調整する
フィードバック コメントの表現や具体性の見直し 面談案内の送信、面談記録の保存 評価理由を説明し、今後の目標について対話する
運用改善 評価データやコメントの傾向整理 定期レポートの作成、データ更新 評価制度や評価基準、運用ルールを見直す

AIやRPAの活用範囲は、企業の評価制度や利用しているシステムによって異なります。
まずは、評価結果への直接的な影響が小さい資料の要約やコメントの添削、データの集計などから試し、出力内容や運用上の課題を確認しながら対象範囲を広げることが重要です。

以下では、AI・RPA・人が担う業務について、それぞれ詳しく解説します。

AIに向いているのは評価材料の整理・分析・文章作成


AIは、評価業務に必要な情報の整理や分析、文章作成を支援できます。
たとえば、日報や1on1の記録を要約して評価材料として整理したり、評価データを分析して評価傾向を把握したりすることが可能です。
また、考課コメントやフィードバックコメントの原案作成にも活用できます。

従業員数が多い企業では、評価材料の確認やコメント作成に多くの時間がかかるため、AIを活用することで評価者や人事担当者の負担軽減につながります。

ただし、AIは評価を決定するものではなく、評価者が判断しやすくするための支援ツールとして活用することが重要です。

RPAに向いているのはデータ収集・転記・通知などの定型業務


RPAは、ルールが決まっている定型業務の自動化に適しています。
たとえば、以下のような業務を自動化できます。

・評価データの集計
・人事システムへのデータ入力
・未提出者へのリマインド通知

人事評価では、各部署から評価シートや評価データを集めたり、複数のシステムへ同じ評価データを入力したりする作業に多くの時間がかかる場合があります。
RPAを活用することで繰り返し作業にかかる負担を軽減できるため、業務効率化や入力ミスの防止につながります。

結果として、人事担当者は評価や人材育成など、より重要な業務に時間を充てることが可能です。

評価判断・フィードバック・対話は人間が担う


AIやRPAを活用しても、最終的な評価判断や処遇の決定は人間が担うべきです。
従業員の成長過程や将来への期待、組織への貢献度などはデータだけで適切に判断できるものではありません。
また、評価理由の説明やフィードバック、キャリアに関する対話も人間に求められる重要な役割です。

従業員は、なぜこの評価になったのかを知りたいと考えることが多く、評価者にはその理由を説明する責任があります。
評価に対する納得感は、従業員の成長やモチベーションにも影響するため、AIやRPAで業務を効率化しながら、人との対話を通じて評価の質を高めることが重要です。

ヒューマンリソシアの自社事例から考えるAI・RPA・人の役割分担

人事評価そのものの事例ではありませんが、ヒューマンリソシアでは、人材サービスに関わる求人原稿作成業務に、生成AIとRPAを活用しています。

従来は、月間約4,000件の求人原稿を作成するために多くの時間を要していました。
そこで、文章案の作成など、人による判断や表現が必要だった工程を生成AIが支援し、システムへの入力などの定型作業をRPAで自動化する仕組みを構築しました。

その結果、1件あたりの作業時間を約3割短縮し、年間約4,800時間の削減効果を見込んでいます。

この事例では、すべての工程をAIに任せるのではなく、以下のように役割を分けています。

・生成AI:求人原稿案の作成
・RPA:データの取得やシステムへの入力
・人:内容や表現の確認、最終判断

人事評価業務でも同様に、評価材料の要約や考課コメントの原案作成はAI、評価データの収集や転記、未提出者への通知はRPA、最終的な評価やフィードバックは人が担うといった役割分担が考えられます。

AIやRPAのどちらか一方ですべてを自動化しようとするのではなく、業務工程ごとに適した手段を組み合わせることが重要です。

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【実録】RPA×生成AIで月400時間を削減!「人の判断」を自動化した求人作成業務の変革事例

 

 

人事評価へAIを導入する5つのステップ

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人事評価へのAI活用に関心はあっても、何から始めればよいのかわからず、導入を進められていない企業もあります。
また、十分な準備を行わずに導入すると、期待した効果が得られなかったり、運用上の課題が発生したりする可能性があります。
AIを効果的に活用するためには、課題の整理や対象業務の選定、試験運用などを段階的に進めることが重要です。

本章では、人事評価へAIを導入する5つのステップをご紹介します。

ステップ1:人事評価における課題を明確にする


AI導入を検討する際は、まず人事評価業務のどこに課題があるのかを明確にすることが重要です。

AIで解決できる範囲を整理せずに導入すると、期待した効果が得られない可能性があります。

たとえば、評価コメントの作成に時間がかかっている場合は、課題の内容や作業時間、関与人数などを整理することで現状の業務負荷を把握しやすくなります。

以下は課題を整理する際の一例です。確認項目を用意し、課題を可視化することでAIを活用すべき業務を判断しやすくなります。

確認項目 確認内容
課題 評価コメント作成に時間がかかる
作業時間 半期評価ごとに20時間
関与人数 人事3名、管理職10名
改善候補 AIによるコメント作成支援

人事評価における課題は、評価データの集計負担が大きい場合や評価基準の運用にばらつきがある場合など、組織によって異なります。

まずは現状の業務フローを整理し、改善したい業務や負担の大きい作業を洗い出すことが重要です。

ステップ2:AIに任せる業務の範囲を決める


課題を整理した後は、AIに任せる業務の範囲を決めます。

AIは評価材料の整理やデータ分析、評価コメントの作成支援などに活用できますが、最終的な評価判断や処遇の決定は人間が行うべきです。
任せたい業務が複数ある場合は、まず評価結果への直接的な影響が小さく、効果を確認しやすい業務から始めることが重要です。

たとえば、目標設定のアイデア出しや評価コメントの添削など、最終的な評価判断を伴わない業務は比較的導入しやすいといえます。
また、対象業務を決める際は、人事担当者だけで判断するのではなく、実際に業務を行う管理職や現場担当者とも相談しましょう。

現場の課題や運用実態を把握することで、AIを活用する優先度や期待できる効果を検討しやすくなります。
複数の候補がある場合は、導入効果や優先順位を整理しながら活用範囲を検討することが重要です。

ステップ3:利用する評価データと評価基準を整理する


AIを活用する前に、利用する評価データや評価基準を整理することが重要です。

評価データに誤りや偏りがある場合、AIの分析結果や出力内容にも影響する可能性があります。

また、評価基準が曖昧で評価者ごとに判断が異なる場合、評価にばらつきが生じかねません。

たとえば、営業担当者が個人目標を100%達成していても、個人の成果とチーム全体の成果のどちらを重視するかによって評価結果が変わる場合があります。
評価基準が曖昧な状態では、AIを活用しても期待する分析結果や支援を得にくくなります。

目標達成率や評価コメントなど、どの情報を活用するのかを明確にするとともに、評価基準が統一されているかを確認する必要があります。

ステップ4:一部の部署や業務で試験運用する


AIを導入する際は、最初から全社展開するのではなく、一部の部署や業務で試験運用することが重要です。
たとえば、評価コメントの作成支援や評価データの分析など、影響範囲が限定される業務から始めることで、運用上の課題や改善点を把握しやすくなります。
また、複数の部署や従業員が同時に利用を開始すると、利用ルールやデータの取り扱いにばらつきが生じる可能性があります。
個人情報や機密情報の入力ルールが十分に共有されていない場合は、情報管理上のリスクにつながりかねません。

まずは小規模で運用しながら課題を確認し、段階的に活用範囲を広げていくことが重要です。

ステップ5:結果を検証し、運用ルールを見直す


試験運用後は、業務効率化や作業時間の削減効果だけでなく、出力内容の品質や運用上の課題も確認します。
AIの活用によって想定した効果が得られているかを検証し、必要に応じて利用ルールや対象業務を見直すことが重要です。
たとえば、AIの回答が期待した内容と異なったケースや利用時に戸惑った点があれば記録しておきましょう。
また、誰がどの業務でAIを活用し、どのような成果や課題があったのかをチーム内で共有することで、運用ルールの改善につなげやすくなります。

活用結果を振り返らずに運用を続けると、同じ課題や失敗を繰り返しかねません。

継続的に改善を行うことで、人事評価業務におけるAI活用の効果を高めやすくなります。

 

 

人事のAI活用を安全に進めるための運用ルール

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人事評価では、評価結果や面談記録などの機密性が高い情報を扱うため、AI活用に不安を感じている人事担当者も少なくありません。
特に、情報漏れや不適切な利用を防ぐためには、利用ルールや管理体制を整備することが重要です。
AIは適切に運用することで業務効率化に役立ちますが、ルールが曖昧なまま利用すると思わぬトラブルにつながる可能性があります。

本章では、人事のAI活用を安全に進めるための運用ルールをご紹介します。

最終的な評価や査定は人間が行う


AIは、評価材料の整理や分析、評価コメントの作成などを支援できますが、最終的な評価や査定は人間が行うことが重要です。
AIの出力は必ずしも正確とは限らず、そのまま評価結果に反映すると実態に合わない判断につながったり、従業員の納得感を損なったりする可能性があります。
また、従業員の成長過程や将来への期待、組織への貢献度といった要素は、データだけで正確に判断できるものではありません。

さらに、従業員から評価の理由や根拠について説明を求められる場合もあります。
評価者自身がAIの出力内容を確認し、判断の根拠を説明できる状態にしておく必要があります。

AIはあくまで人事評価業務を支援するツールとして活用し、最終的な判断と責任は人間が担うことが不可欠です。

AIが利用するデータと目的を明確にする


AIを活用する際は、どのデータを利用し、何を目的として活用するのかを明確にしておきましょう。

たとえば、活用目的によって必要となるデータは異なります。

・評価コメントの作成支援:過去の評価コメント
・評価傾向の分析:評価結果や評価シート
・面談内容の整理:1on1や面談の記録

目的が曖昧なまま運用すると、不要な情報を扱ってしまったり、期待した効果が得られなかったりする可能性があります。
利用するデータと活用目的を事前に整理し、関係者間で共有したうえで運用することが大切です。

利用できるAIツールと入力情報を限定する


AIの利用範囲を明確にするためには、利用を認めるAIツールや入力してよい情報を事前に定めておくことが重要です。
会社が利用を認めていないAIツールに評価情報や面談記録を入力すると、データの保存先や利用条件を把握できず、情報漏えいにつながる可能性があります。
特に人事評価で扱う情報には個人情報や機密情報が含まれる場合があるため、十分な注意が必要です。

利用するAIツールを選定したうえで、入力可能な情報や禁止事項をルール化し、関係者へ周知する必要があります。
また、共有フォルダや社内ポータルなどでルールを確認できる状態にしておくことも大切です。

評価者向けのAI活用ルールと教育体制を整える


AIを安全かつ効果的に活用するためには、評価者向けのルール整備と教育体制の構築が欠かせません。
人事部門や評価者が協議し、AIの利用方法や入力時の注意点、出力内容の確認方法などをあらかじめ定めておきましょう。
また、AIの出力内容を確認する手順や注意点を共有することで、利用者ごとの運用のばらつきを防ぐことができます。

出力結果を過信せず、適切に活用するためにも、定期的な研修や情報共有の機会を設けることが重要です。

AIの出力に偏りや誤りがないか確認する


AIは入力されたデータをもとに分析や文章生成を行うため、誤った情報や偏ったデータが含まれていると出力結果にも影響を及ぼす可能性があります。
たとえば、目標達成率のみを入力し、チームへの貢献度や面談記録を反映していない場合、実態とは異なる分析結果が出力されることがあります。
また、AIは事実と異なる内容を生成する場合もあるため、出力結果をそのまま評価に利用することは避ける必要があります。

AIの出力はあくまで参考情報として扱い、評価者が内容や根拠を確認したうえで、必要に応じて修正することが重要です。

従業員にAIの利用目的と範囲を説明する


人事評価にAIを活用する場合は、従業員に対して利用目的や利用範囲を事前に説明しておくことをおすすめします。

十分な説明がないまま導入すると、AIが評価を決めているのではないかと不安を感じる従業員もいるかもしれません。
また、AIがどのような場面で活用されているのかや、最終的に誰が評価を判断しているのかがわからないと、評価制度や会社に対する不信感につながる可能性があります。

AIは評価業務を支援するためのツールであり、最終的な評価判断は人間が行うことを明確に伝えることが大切です。
あわせて、AIの活用によって、評価材料の確認漏れや判断のばらつきを抑え、評価業務の効率化を目指していることを説明することで、従業員の理解を得やすくなります。

評価結果について説明・再確認できる体制を整える


人事評価では、評価結果に対する質問や確認の機会を設けることも重要です。
従業員が評価内容について相談したり、評価の理由について説明を求めたりできる体制を整えることで、評価結果への理解が深まり、納得感のある運用につながります。

たとえば、評価面談の実施や相談窓口の設置により、評価結果に関する疑問を相談しやすくなり、認識のずれの解消につながります。

また、評価者が評価の根拠や判断理由を説明できる状態にしておくことで、AIを活用した場合でも評価プロセスの透明性を確保することが可能です。

 

 

まとめ|人事評価へのAI活用で対話の時間を生み出そう

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人事考課・人事評価へのAI活用は、評価コメントの作成やデータ分析などの業務負担を軽減し、評価業務の効率化につながります。
また、RPAを組み合わせることで、評価シートの回収や集計などの定型業務の効率化も期待できます。
一方で、AIの出力内容をそのまま利用するのではなく、評価者が内容や根拠を確認し、最終的な評価判断を行うことが重要です。

AIやRPAによって生まれた時間は、従業員との1on1や具体的なフィードバック、キャリアや成長について対話する時間に充てることができます。
対話は、評価結果への理解や納得感を高めるだけでなく、従業員の成長を支援するうえでも重要です。

AIやRPAは人に代わって評価を決めるためのものではなく、人事担当者や管理職が本来取り組むべき従業員の成長を支援する業務を支えるためのツールです。

AIを適切に活用しながら従業員一人ひとりと向き合う時間を確保することで、フィードバックや対話の質を高め、従業員の納得感向上につなげることができます。

人事評価業務の効率化を進める際は、AIだけですべてを解決しようとするのではなく、評価材料の整理や文章作成はAI、データの収集や転記はRPA、最終的な評価や対話は人が担うなど、業務ごとに役割を分けることがポイントです。

ヒューマンリソシアでは、AIやRPAなどのデジタルツールの提供に加え、対象業務の整理や導入支援、研修、導入後の活用・定着まで、お客さまの状況に応じた支援を行っています。

人事業務をはじめ、自社のどの業務にAIやRPAを活用できるかわからない場合は、以下のページもご覧ください。



人事評価・人事考課へのAI活用に関するよくあるご質問

人事考課や人事評価をAIにすべて任せることはできますか?


AIに人事評価のすべてを任せることは適切ではありません。
AIは、評価材料の要約や評価データの分析、考課コメントの原案作成などを支援できます。
一方、従業員の成長過程や組織への貢献度などを踏まえた最終的な評価判断や、評価理由の説明は人間が行う必要があります。
AIは評価者の代わりではなく、評価業務を支援するツールとして活用することが重要です。

AIを活用すれば人事評価の公平性は高まりますか?


AIを活用することで、複数の評価材料を整理したり、評価者や部門ごとの評価傾向を分析したりできるため、判断のばらつきを確認しやすくなります。
ただし、過去の評価データや入力情報に偏りがある場合、その影響がAIの出力にも反映される可能性があります。AIを導入するだけで公平性が保証されるわけではないため、評価基準の見直しや人間による確認も必要です。

AIが作成した評価コメントをそのまま使用してもよいですか?


AIが作成した評価コメントは、そのまま使用せず、評価者が内容を確認して修正する必要があります。
生成AIは、実際には記録されていない内容を補足したり、従業員の成果や行動を正確に反映できなかったりすることがあります。
AIの出力はコメントの原案として活用し、事実関係や表現を確認したうえで、評価者自身の言葉で仕上げることが重要です。

人事評価にAIを導入する場合、どの業務から始めるとよいですか?


まずは、評価結果に直接影響しにくく、効果を確認しやすい業務から始めることをおすすめします。
たとえば、評価コメントの添削、日報や1on1記録の要約、目標設定案の作成支援などが挙げられます。
最初から全社へ展開するのではなく、一部の部署や業務で試験運用し、出力内容や運用上の課題を確認しながら活用範囲を広げることをおすすめします。

人事評価の情報を生成AIに入力しても問題ありませんか?


従業員名や評価結果、面談記録などを、会社が利用を許可していない生成AIへ入力することは避ける必要があります。
人事評価では個人情報や機密性の高い情報を扱うため、利用するAIサービスのデータ管理方法を確認し、入力してよい情報と禁止する情報を社内ルールで定めることが重要です。
必要に応じて個人を特定できる情報を削除するなど、情報管理に配慮して利用しましょう。

 



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