2026.07.15-
生成AIを業務で利用するなかで、「社内マニュアルをもとに回答させたい」「毎回同じ指示を入力する手間を減らしたい」と感じている方もいるのではないでしょうか。
Difyは、生成AIを活用したチャットボットやAIアプリを、ノーコード・ローコードで作成できるプラットフォームです。
画面操作を中心に設定できるため、プログラミングの専門知識がない方でも、AIアプリの作成や検証を始めやすい点が特徴です。
たとえば、社内マニュアルを参照して質問に回答するチャットボットや、会議メモから議事録を作成するアプリ、複数の処理を順番に実行するワークフローなどを作成できます。
一方で、Difyにはチャットボットやワークフロー、エージェントなど複数のアプリタイプがあり、「どれを選べばよいのか」「どこに指示文を入力するのか」と迷うこともあります。
本記事では、Difyでできることや主な特徴をご紹介したうえで、ログイン後に確認したい画面、AIアプリの作成手順、RAGやワークフロー、プラグインの使い方を初心者向けに解説します。
※本記事は、2026年6月末時点のDifyの画面・仕様をもとに作成しています。アップデートにより、現在の表示や操作方法と異なる場合があります。
目次

Difyは、生成AIを活用したチャットボットやAIアプリ、ワークフロー(業務の流れに沿って複数の処理を自動で実行する仕組み)をノーコード・ローコードで開発できるオープンソースのAIアプリ開発プラットフォームです。
ChatGPTを利用していても、社内マニュアルやFAQなどの社内ドキュメントを参照した回答や業務に合わせたAIアプリ開発に限界を感じるケースがあります。
Difyでは、社内資料を検索・参照して回答するRAGや、複数の処理を組み合わせるワークフローなどを活用し、業務に合わせたAIアプリを作成できます。
本章では、Difyで何ができるのかを紹介するとともに、業務活用で注目される理由やChatGPT、GPTs、LangChainとの違いについて解説します。
なお、Difyの基本概念やGPTsとの違い、RAGの概要を先に整理したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
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Difyとは?GPTsとの違いやRAG構築、実務での活用メリットを解説
Difyでは、生成AIを活用したチャットボットやAIアプリ、ワークフローを作成できます。
たとえば、以下のような業務で活用できます。
・社内問い合わせ対応
RAGを活用し、FAQやマニュアルをもとに問い合わせ対応を支援する
・社内マニュアル検索アプリ
必要な手順や申請方法を検索し、情報確認の効率化につなげる
・申請受付や通知のワークフロー構築
申請→情報確認→担当者通知など複数の処理を標準化しやすくする
・議事録やレポート作成の標準化
会議メモや作業内容を入力すると、事前に設定したルールに沿って議事録や報告書を作成し、担当者ごとの書き方のばらつきを抑える
・AIエージェント開発
外部ツールや情報検索などを組み合わせ、目的に応じた処理を実行するAIアプリを作成する
ChatGPTなどの生成AIでも要約や文章作成は可能ですが、Difyは業務内容に合わせたAIアプリやワークフローを構築し、繰り返し発生する業務の標準化や効率化を進めやすい点が特徴です。
AIを業務へどう組み込めるのか、AIエージェントとしてどのような活用が考えられるのかを詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
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AIエージェントで業務効率化はどこまで変わる?RPAとの違い、活用事例、導入ポイントを解説
Difyが業務活用で注目される理由のひとつは、従来はプログラミング知識が求められていた生成AIアプリ開発やRAG構築を、画面操作を中心に進められる点です。
生成AIを活用したチャットボットやAIアプリ開発には高度な技術知識が必要なケースもありましたが、Difyを活用することで非エンジニアでも小規模な検証や業務向けAIアプリ開発を行うことが可能になりました。
たとえば、社内ナレッジ(AIが回答時に参照する社内マニュアルやFAQなどの情報)を活用した問い合わせ対応やマニュアル検索などを比較的短期間で試作・検証しやすく、業務効率化につながる可能性があります。
一方で、回答品質は登録データや設計に左右されるため、導入後の運用や改善も重要です。
ChatGPTを利用していても社内マニュアルやFAQを活用した回答やRAG構築を検討する際、ChatGPTやGPTs、LangChainと比較してDifyはどのような用途に向いているのか分からないと感じるケースがあります。
各ツールは役割や得意分野が異なるため、違いを理解することで目的に合った選択がしやすくなります。
主な違いは以下の通りです。
| 項目 |
ChatGPT | GPTs | Dify | LangChain |
| 主な用途 | ・AIとの対話 ・文章作成 |
独自GPTの作成 | AIアプリ開発や業務活用 | AIアプリの自由開発 |
| 開発難易度 | 低 | 低〜中 | 低〜中 | 高 |
| プログラミング知識 | 不要 | 基本不要 | 一部不要 (高度設定除く) |
必要 |
| カスタマイズ性 | 低 | 中 | 高 | 非常に高い |
| 向いている人 | 個人利用者 | 独自チャットを作りたい人 | ・DX担当者 ・業務改善担当者 |
エンジニア |
| 利用例 | 文章作成、要約 | 社内FAQ | ・問い合わせ対応 ・社内ナレッジ検索 ・業務プロセスの一部自動化 |
独自AIサービス開発 |
ChatGPTはAIとの対話、GPTsは独自GPT作成、Difyは業務向けAIアプリ開発、LangChainはコードベースの柔軟な開発に適しており、どれが優れているかではなく、用途や必要な開発レベルによって適したツールは異なります。
ChatGPTで業務活用に限界を感じている場合や、社内ナレッジを活用した問い合わせ対応、RAG構築、ワークフロー作成を検討している場合は、Difyが適している場合があります。
業務向けにAIを活用する場合は、解決したい課題や用途に応じて適したツールを選ぶことが重要です。

Difyについて、どのような特徴があるのかや業務でどのように活用できるのかが分かりづらいと感じる方も少なくありません。
Difyは、生成AIアプリやAIエージェント、RAGを活用した業務支援ツールを開発しやすいプラットフォームですが、特徴や活用方法を理解することで自社業務への適用イメージを持ちやすくなります。
本章では、Difyの主な特徴やメリットをご紹介します。
Difyは、ノーコードやローコードでAIアプリを試作しやすい点が特徴です。
従来は、RAGやチャットボットなどを業務へ活用する場合、プログラミング知識を持つ人材や開発工数が必要となり、導入までに時間やコストがかかるケースもありました。
Difyを活用することで画面操作を中心に開発や検証を進めやすくなり、DX担当者でも社内問い合わせ対応や業務効率化を目的とした検証へ取り組みやすくなります。
ただし、画面操作だけで必ず期待通りのAIアプリが完成するわけではありません。業務で利用する場合は、プロンプトやナレッジを調整しながら、回答内容を継続的に確認する必要があります。
Difyでは、複数のAIモデルを用途に応じて利用できる場合があります。
AIモデルとは、ChatGPTで利用されるGPTやGeminiなどを指し、文章作成や要約、推論など、モデルごとに得意分野や料金体系が異なります。
たとえば、Difyのワークフロー内でLLM(自然言語を理解し、文章生成や質問応答を行うAIの仕組み)を設定する際、社内問い合わせ対応や情報検索など目的に応じて利用するAIモデルを選択できます。
モデルを使い分けることで、回答品質や処理速度、API(異なるシステム同士を連携し、情報をやり取りするための仕組み)利用料などの調整がしやすくなります。
業務内容に応じて適したモデルを選択する視点は、業務効率化やPoC(概念実証)の検証でも重要です。
また、利用可能なモデルや条件、料金体系は変更される場合があるため、最新情報は公式情報を確認しましょう。
Difyは、RAGを活用したAIアプリを試作・開発しやすい点が特徴です。
たとえば、生成AIへ社内ルールや業務手順を質問しても、最新の社内規程や非公開情報を参照できず、期待した回答が得られない場合があります。
一方、RAGを活用すると登録した社内マニュアルやFAQを参照しながら回答を生成できるため、問い合わせ対応や必要な情報検索などで活用しやすくなります。
問い合わせを行う側は必要な情報を自分のタイミングで確認しやすくなり、回答待ちによる業務停滞を減らすことが可能です。
また、問い合わせを受ける側も同様の質問対応にかかる工数を削減しやすくなるため、業務負担軽減につながる場合があります。
ただし、RAGを使えば必ず正確な回答が得られるわけではありません。回答品質は登録データの内容や更新状況、分割方法、検索設定、プロンプト設計に左右されるため、継続的な管理や検証が必要です。
Difyでは、AIアプリやワークフローを構築する際、プロンプトや回答ルールを一元管理しやすく、担当者ごとの設定差による回答品質のばらつきを抑えやすい点が特徴です。
たとえば、社内問い合わせ対応アプリでは、アカウント申請方法や社内ルールに関する回答方針を事前に設定することで、担当者ごとの案内内容の違いや誤案内のリスク軽減につながります。
また、日報や報告書作成では、事前に設定したフォーマットやルールに沿って内容を整理できるため、担当者ごとの書き方の違いや必要項目の抜け漏れ防止、品質の標準化につながる可能性があります。
一方で、社内ルールや業務フローが変更された場合は、プロンプトや回答ルールの見直しが必要です。
期待した回答品質を維持するためには、定期的な更新や検証を行うことが重要です。
Difyは、APIや外部ツールと接続し、AIアプリの活用範囲を広げやすい特徴があります。
たとえば、APIを提供している社内システムや問い合わせ管理ツールと連携し、問い合わせ内容に応じた情報取得や担当者通知を組み合わせた業務フローを構築できます。
また、勤怠システムや営業管理ツールなどがAPI連携に対応している場合は、有給残日数や売上情報を取得し、AIによる要約や回答生成へ活用することも可能です。
連携により、社内問い合わせ対応や情報検索、通知業務の効率化につながる可能性があります。
ただし、連携先の仕様や認証方式、セキュリティ要件によって設計・検証が必要になるため、導入前の確認が重要です。
DifyはCloud版とセルフホスト版(ローカル版)を選択できるため、導入のしやすさやセキュリティ要件に応じた運用を検討できます。
たとえば、Cloud版はアカウント作成後に利用を開始しやすく、環境構築なしで基本操作の確認やPoC(概念実証)を進めやすい点が特徴です。
一方、セルフホスト版(ローカル版)ではDockerのインストールやサーバ環境の構築、アップデート対応、権限管理などが必要になる場合があります。社内データ管理や運用要件を重視するケースでは、セルフホスト版が選択肢になります。
利用環境や必要な管理体制は異なるため、自社のセキュリティ要件や運用ルールに合わせて検討することが重要です。
Difyは、社内問い合わせ対応や業務効率化を目的としたAIアプリだけでなく、顧客向けサービスへの組み込みなど商用利用を含めた活用が検討されるケースがあります。
PoCや社内向けツールとして小規模に始めた後、運用実績や効果を踏まえて活用範囲を広げやすい点も特徴です。
ただし、業務利用や商用利用では、利用形態によってライセンス条件や料金体系の確認が必要です。Difyは商用利用が可能とされていますが、特定の条件に該当する場合は商用ライセンスが必要になる可能性があります。
条件は変更される可能性もあるため、導入前は最新の公式情報を確認することが重要です。
また、実運用ではプロンプト設計や回答内容の検証、運用ルール整備も必要になるため、導入後も継続的な見直しを前提に運用することが求められます。

Difyを活用してみたいと思っても、何から始めればよいのか分からない方や、Cloud版とセルフホスト版(ローカル版)のどちらを選べばよいのか迷うという方もいるのではないでしょうか。
Difyは利用環境によって導入方法や運用負荷が異なるため、特徴を理解したうえで選択することが大切です。
本章では、Cloud版とセルフホスト版(ローカル版)の違いや導入前に確認しておきたいポイントをご紹介します。
Difyには、ブラウザ上ですぐに利用を始めやすいCloud版と、自社環境へ構築して運用するセルフホスト版(ローカル版)があります。
Cloud版は環境構築の負担が少なく、アカウント登録後に利用を開始しやすいため、初心者が基本操作を理解したり、PoC(概念実証)を試したりする際に始めやすい点が特徴です。
一方、セルフホスト版は運用環境を柔軟に管理しやすい特徴がありますが、Dockerのインストールやサーバ環境構築、アップデート対応などの知識や体制が必要になる場合があります。
どちらが適しているかは、セキュリティ要件や運用体制、用途に応じて判断することが重要です。
| 項目 | Cloud版 | セルフホスト版(ローカル版) |
| 始めやすさ | 高い | 低〜中 |
| 環境構築 | 不要 | 必要 |
| 運用負荷 | 比較的低い | 比較的高い |
| セキュリティ管理 | 利用規約やプラン、自社の利用ルールを確認する必要がある | 自社で権限・ログ、アップデート、インフラ管理などを行う必要がある |
| 費用 | 無料枠や利用プランに応じた料金が発生する場合あり | サーバ費用や保守・運用コスト、AIモデル利用料などが発生する場合あり |
| 向いているケース | 試作や基本操作学習、小規模なPoC | 独自の管理要件への対応や本格運用 |
Difyの基本操作やRAG構築の流れ、社内FAQや問い合わせ対応アプリを小規模に試したい場合、まずはCloud版から始める方が適しています。
環境構築なしで利用を開始しやすく、AIアプリやワークフローの検証を比較的短期間で進めやすいためです。
一方で、社内データや機密情報を扱う場合は、利用規約だけでなく、自社のAI利用方針やガイドラインを事前に確認する必要があります。
企業によっては、社内資料や顧客情報を外部サービスで扱うことに制限を設けている場合もあります。
業務利用する際は、運用ルールやセキュリティ要件を踏まえて利用環境を検討することが重要です。
Cloud版へログインした後の基本画面やアプリ作成の流れは、次章から詳しく解説します。
セルフホスト版(ローカル版)は、自社環境で運用できる選択肢ですが、導入や運用には一定の知識や体制が必要です。
たとえば、以下のような設定や管理を検討する必要があります。
・Docker環境の構築
Difyを実行するための環境準備
・サーバ管理
稼働環境やリソース状況の管理
・アップデート対応
新機能追加やセキュリティ更新への対応
・権限設定・アクセス管理
利用者ごとの権限やアクセス範囲の管理
・APIキー管理
利用するAIモデルの認証情報や利用状況の管理
・ログ管理やセキュリティ対策
不正利用やトラブル発生時の確認体制整備
また、導入後も設定変更や保守対応が発生するため、継続的な管理工数が必要になる場合があります。
導入時は、セキュリティ要件だけでなく、保守体制や運用負荷も踏まえて検討することが重要です。

Difyを使い始めたいと思っても、何を準備すればよいのか分からない、ログイン後にどこを確認すればよいのか迷うという方も少なくありません。
Difyでは、アカウント作成後、ワークスペースやスタジオ画面を利用してAIアプリやワークフローを作成します。
また、利用するAIモデルによってはAPIキーの設定が必要になる場合もあります。
本章では、Dify Cloudへログインしてから、AIアプリの作成を始めるまでに確認したい基本画面や事前に把握しておきたい設定についてご紹介します。
Dify Cloudを利用する場合は、Googleアカウントなどを利用してログインできます。

ログイン後は、AIアプリや各種設定を管理するワークスペースが表示されます。
ワークスペースは、作成したAIアプリやナレッジ、利用するAIモデルなどを管理する場所です。まずは、どのようなメニューがあるのかを確認しましょう。
ただし、利用可能なログイン方法や画面仕様は変更される場合があるため、実際の画面に沿って操作してください。
Difyにログインした後は、ワークスペース内のスタジオ画面を開きます。
スタジオ画面は、AIアプリやワークフローの作成・管理を行う場所です。
目的に応じて主に以下のアプリタイプを選択できます。
・ワークフロー:複数の処理を組み合わせた業務フロー構築
・チャットフロー:対話形式の処理フロー作成
・チャットボット:問い合わせ対応などのAIチャット作成
・エージェント:目的に応じて複数処理を実行するAI作成
・テキスト生成:文章作成や要約などをおこなう
まずは利用可能な機能を把握し、社内FAQや問い合わせ対応など、どのようなAIアプリを作りたいか整理すると進めやすくなります。
細かな画面構成は変更される可能性があるため、まずはスタジオ画面の役割を理解することが重要です。
DifyでAIアプリを利用するには、必要に応じてAIモデルやAPIキーの設定が必要になる場合があります。
APIキーとは、外部のAIサービスを利用するための認証情報です。
たとえば、文章生成や問い合わせ対応など利用目的に応じて、GPTシリーズやGeminiなどから適したAIモデルを選択し、APIキー設定を行うことでAIを利用する環境を整えます。
Difyへログインしただけでは、利用したいAIモデルがすぐに使えるとは限りません。アプリを作成する前に、使用できるモデルとAPIキーの設定状況を確認しましょう。
利用するモデルによっては、追加設定やAPI利用料が発生する場合もあるため、Difyへログインするだけですべて自動で利用できるわけではありません。
目的に応じて設定内容や料金体系を確認することが重要です。

Difyでは、スタジオ画面から目的に合ったアプリタイプを選び、AIへの指示文や利用するモデルなどを設定してAIアプリを作成します。
ChatGPTのように毎回指示を入力するだけでなく、よく使う業務手順や回答ルールをアプリとして保存できるため、繰り返し発生する業務で活用しやすくなります。
本章では、参考例として、社内のPC設定やアカウント申請に関する質問へ回答する「社内問い合わせチャットボット」を作成する流れを、ご紹介します。
Difyへログインした後、スタジオ画面から「アプリを作成する」を選択します。
「最初から作成」をクリックすると、アプリタイプの選択画面が表示されます。
今回は、利用者が質問を入力し、AIが対話形式で回答する「チャットボット」を選択します。
(※「エージェント」「テキスト ジェネレーター」を選択する場合は、「初心者向けの基本的なアプリタイプ」をクリックすると表示されます)
初めてDifyを操作する場合は、まずシンプルなチャットボットから試すと、アプリ作成の基本的な流れを理解しやすくなります。
アプリの種類を選択したら、アプリ名や説明文などの基本情報を設定します。
アプリ名は、社内で共有した際に用途が分かりやすい名称にしましょう。
たとえば、以下のような名称が考えられます。
・情報システム部向け問い合わせチャット
・営業日報要約アプリ
・社内マニュアル検索アプリ
今回の例では、「社内問い合わせチャット」と設定します。
説明文には、アプリでできることを簡潔に記載します。
たとえば、「社内マニュアルをもとに、PC設定やアカウント申請に関する質問へ回答するアプリです」と設定すると、利用目的が伝わりやすくなります。
次に、アプリ作成画面の「プロンプト」欄に、AIへの指示文を入力します。
指示文とは、AIに対して「どのような役割で、どのようなルールに沿って回答してほしいか」を伝える文章です。
プロンプトとも呼ばれます。
社内問い合わせチャットボットであれば、たとえば以下のような内容を設定します。
・登録した社内マニュアルやFAQをもとに回答する
・資料に記載がない場合は推測して回答しない
・分からない場合は担当部署への確認を促す
・初心者にも分かりやすい言葉で回答する
AIの役割だけでなく、「回答できない場合にどうするか」まで設定しておくことがポイントです。
指示文が曖昧な場合、質問によって回答内容や表現が変わりやすくなるため、実際の回答を確認しながら調整しましょう。
設定が完了したら、プレビュー機能を使って動作を確認します。
プレビューでは、実際の利用者が入力しそうな質問を使ってテストします。
たとえば、社内問い合わせチャットボットであれば、以下のような質問を入力します。
・パスワードを忘れた場合はどうすればよいですか
・新入社員のPCを申請する方法を教えてください
・アカウントの申請先を教えてください
回答が分かりにくい場合や意図した内容と異なる場合は、指示文を修正し、再度プレビューで確認します。
同じ内容でも質問の言い方によって回答が変わる場合があるため、表現を変えた質問でも試してみましょう。
プレビューで問題がないことを確認したら、アプリを公開・共有します。
Difyで作成したアプリは、利用環境や設定に応じて、URLで共有したり、Webページへ埋め込んだり、APIを使ってほかのシステムから利用したりできます。
まずは限られたメンバーで使用し、回答内容や使いやすさを確認してから、利用範囲を広げるとよいでしょう。
業務利用時の情報管理や権限設定については、後述する「Difyを業務で活用する際の注意点」で詳しく解説します。

Difyでは、ナレッジ機能を活用することで、社内マニュアルやFAQ、業務手順書などを参照するAIアプリを作成できます。
ナレッジとは、AIが回答を作成する際に参照する資料や情報のことです。
Difyでは、登録した資料をチャットボットやワークフローなどに紐づけて使用できます。
RAGとは、AIが回答を作成する前に関連する資料を検索し、その内容を参考にして回答する仕組みです。
正式には「Retrieval-Augmented Generation」といい、日本語では「検索拡張生成」と呼ばれます。
たとえば、社内の経費精算マニュアルを登録しておくと、利用者が「交通費はいつまでに申請すればよいですか」と質問した際に、関連する記載を検索して回答します。
一般的な生成AIが持つ知識だけではなく、自社で登録したマニュアルやFAQの内容を回答へ反映できる点がRAGの特徴です。
DifyでRAGを利用するには、最初にAIへ参照させる資料をナレッジへ登録します。
Difyの「ナレッジ」からナレッジベースを作成し、登録するデータソースを選択します。テキストファイルをアップロードするほか、NotionやWebサイトから情報を同期することも可能です。
登録する資料としては、以下のようなものが考えられます。
・社内FAQ
・業務マニュアル
・申請手順書
・製品資料
・問い合わせ対応履歴
・研修資料
・社内ルールやガイドライン
最初から多くの資料を登録するのではなく、作成するアプリの用途に必要な資料だけを選びましょう。
たとえば、PCやアカウント申請に関する問い合わせチャットボットを作成する場合は、関連するマニュアルやFAQを登録します。
ナレッジを登録した後は、作成したAIアプリへナレッジを紐づけます。
アプリ作成画面の「コンテキスト」欄にある「追加」をクリックし、参照させたいナレッジを選択します。
利用者が質問すると、Difyが登録資料の中から関連する情報を検索し、その内容をAIの回答作成に利用します。
1つのアプリであらゆる社内質問へ回答させようとせず、「PC・アカウント申請」「経費精算」など、対象業務を絞ると回答内容を確認しやすくなります。
RAGを利用する場合は、ナレッジを登録した後に、実際の質問を使って回答内容を確認します。
特に以下の点を確認しましょう。
・質問に関連する資料が検索されているか
・登録資料に沿った回答になっているか
・利用者にとって分かりやすい表現になっているか
・質問の言い方を変えても回答できるか
・資料にない内容を推測して回答していないか
期待した回答が得られない場合は、登録資料の内容やAIへの指示文、ナレッジの設定を見直します。
ナレッジへ社内資料を登録する場合は、登録してよい情報かを事前に確認する必要があります。
また、古い資料を登録したままにすると、AIも古い情報をもとに回答する可能性があります。
誰が資料を登録・更新するのかを決め、最新の情報が参照される状態を保つことが大切です。
機密情報や個人情報の取り扱いについては、後述する「Difyを業務で活用する際の注意点」で詳しく解説します。

Difyのワークフロー機能を使うと、複数の処理を組み合わせ、業務の流れに沿ったAIアプリを作成できます。
たとえば、会議メモを入力し、内容を要約した後に、決定事項やタスクを抽出して、指定した形式で出力する流れを作れます。
毎回長い指示を入力しなくても、あらかじめ設定した順番で複数の処理を実行できる点が特徴です。
ワークフローとは、複数の処理をあらかじめ決めた順番で実行する仕組みです。
Difyのワークフローでは、以下のような処理を組み合わせられます。
・利用者からの入力を受け取る
・AIモデルで文章を作成する
・ナレッジから情報を検索する
・条件によって処理を分ける
・処理結果を出力する
たとえば、問い合わせ対応では、以下のような流れを作成できます。
1.利用者が問い合わせ内容を入力する
2.AIが問い合わせ内容を分類する
3.関連する社内ナレッジを検索する
4.回答文案を作成する
5.結果を出力する
1つの長いプロンプトですべてを処理するのではなく、目的ごとに処理を分けて実行できる点がワークフローの特徴です。
Difyのワークフローでは、以下のように処理の単位となるブロックを配置し、線でつないで処理の流れを作ります。
代表的なブロックには、以下があります。
・開始
・ユーザー入力
・LLM
・ナレッジ検索
・条件分岐
・回答、出力
LLMとは、文章の作成や要約、質問への回答などを行うAIモデルです。
たとえば、会議メモから議事録を作成する場合は、以下のようにブロックをつなぎます。
1.会議メモを入力する
2.LLMで内容を要約する
3.決定事項やタスクを抽出する
4.指定した形式に整える
5.結果を出力する
処理を分けておくことで、出力結果に問題がある場合に、どのブロックを修正すればよいか確認しやすくなります。
条件分岐とは、入力内容に応じて処理の流れを変える仕組みです。
たとえば、社内問い合わせ対応では、以下のような分岐を設定できます。
・PCやアカウントに関する質問は、情報システム部門のナレッジを参照する
・経費精算に関する質問は、経理部門のナレッジを参照する
・人事制度に関する質問は、人事部門のFAQを参照する
条件分岐を使うことで、質問内容に合った処理へ振り分けられます。
分岐を増やしすぎると設定が複雑になるため、最初は発生件数の多い問い合わせから設定するとよいでしょう。
ChatGPTなどの生成AIを業務で利用する場合、複数の指示を1つの長いプロンプトにまとめることがあります。
一方、Difyのワークフローでは、以下のように処理を分けて実行できます。
・問い合わせ内容を分類する
・関連する資料を検索する
・回答文案を作成する
・指定した形式へ整える
処理を段階的に分けることで、それぞれの役割が分かりやすくなり、出力結果に合わせて修正しやすくなります。
Difyには、ワークフローとチャットフローがあります。
ワークフローは、入力された情報に対して、決められた処理を実行し、結果を出力する用途に向いています。
たとえば、会議メモから議事録を作成する、日報を要約する、問い合わせ内容を分類するといった用途です。
一方、チャットフローは、利用者との対話を続けながら処理を行うアプリに向いています。
たとえば、利用者へ追加の質問をしながら必要な情報を聞き取り、回答する問い合わせチャットなどに活用できます。
1回の入力に対して一定の処理を実行したい場合はワークフロー、利用者と対話を続けながら処理したい場合はチャットフローが候補になります。

Difyでは、プラグイン機能を活用することで、外部サービスや追加機能と連携し、AIアプリの活用範囲を広げられます。
プラグインとは、Difyへ新しい機能を追加したり、外部サービスと接続したりするための仕組みです。
Difyのプラグインを利用すると、外部サービスから情報を取得したり、別のツールの機能を呼び出したりできます。
Difyのツール画面では、追加済みのツールを確認できるほか、マーケットプレイスからGoogleやGitHub、WebScraperなどのツールを探して追加できます。
たとえば、以下のような活用が考えられます。
・外部の検索サービスから情報を取得する
・社内データベースから必要な情報を取得する
・問い合わせ管理ツールと連携して回答文案を作成する
・通知ツールを使って担当者へ連絡する
Difyの画面上では、プラグインによって追加した機能を、アプリやワークフロー内の「ツール」として使用する場合があります。
そのため、プラグインとツールは完全に同じ意味ではありません。
プラグインはDifyへ機能を追加する仕組み、ツールはAIアプリやエージェントが実際の処理で使用する機能、と考えると分かりやすいでしょう。
利用できるサービスや設定方法は、プラグインや連携先の仕様によって異なります。
Difyで外部ツールと連携する際は、以下の点を確認しましょう。
・利用したいサービスに対応するプラグインやAPIがあるか
・APIキーなどの認証設定が必要か
・どの情報を取得・送信するのか
・利用量に応じた追加料金が発生するか
まずは必要な機能を1つだけ連携し、正しく情報を取得・処理できるか確認してから、連携範囲を広げるとよいでしょう。
情報管理や権限設定などの詳しい注意点については、後述する「Difyを業務で活用する際の注意点」で解説します。

Difyについて理解できても、実際にどのような業務で活用できるのかイメージしにくい方もいるのではないでしょうか。
本章では、Difyのアプリ開発で活用しやすい業務例を6つご紹介し、どのような課題を支援できるのかを解説します。
社内問い合わせ対応では、情報システム部門や管理部門へ同じ質問が繰り返される場合も少なくありません。
問い合わせ担当者は対応負担が増え、利用者側も必要な情報をすぐに確認できず、作業が進めにくくなることがあります。
Difyでは、社内問い合わせ対応チャットボットを構築し、社内ナレッジをもとに問い合わせ対応を支援することが可能です。
利用者は必要なタイミングで情報を確認しやすくなり、回答待ちによる業務停滞の軽減や問い合わせ対応負担の削減につながる可能性があります。
ただし、回答品質を維持するためには、定期的なナレッジ更新や内容確認が必要です。
会議後の議事録作成やタスク整理は、担当者ごとに形式が異なったり、共有までに時間がかかったりする場合があります。
また、ChatGPTなどの生成AIを活用し、都度指示を行えば会議メモから議事録作成は可能ですが、繰り返し発生する業務では、毎回同じ指示を入力する工数が発生する場合があります。
Difyでは、ワークフローを活用したAIアプリを構築することで、あらかじめ設定したフォーマットやルールに沿って、会議メモをもとに議事録作成やタスクの抽出を行えます。
繰り返し発生する業務の効率化や、議事録作成・情報整理の品質の標準化につながる可能性があります。
ただし、内容の誤認や重要事項の抜け漏れを防ぐため、人による確認や修正を前提とした運用が必要です。
業務手順や社内ルールを確認したい場合、必要な情報を探すのに時間がかかり、作業が止まることがあります。
たとえば、新入社員のPC準備時に利用するライセンスや権限付与の条件、申請手順など、自社ルールに沿った設定方法が分からず、情報システム部門への問い合わせや承認待ちが発生する場合があります。
Difyでは、RAGを活用した検索アプリを構築することで、社内マニュアルやFAQ、社内ルールなどの社内ナレッジを参照し、必要な情報へアクセスしやすくすることが可能です。
情報検索の効率化や自己解決の促進につながる可能性がありますが、マニュアル更新時は継続的なナレッジ管理も必要です。
問い合わせ対応では、内容の分類や返信作成に時間がかかり、同じような問い合わせにも担当者が毎回対応するケースがあります。
たとえば、パスワードリセットや権限付与などは、情報システム部門で同じ内容の問い合わせやFAQへの対応が繰り返されることがあります。
Difyを使って問い合わせを分類し、返信文案を作成することで、一次対応の効率化や回答内容の標準化につなげられます。
日報や報告書を確認する際、情報量が多く、要点把握や重要事項の確認に時間がかかる場合があります。
また、ChatGPTなどの生成AIを活用し、都度指示を行えば要約は可能ですが、複数人の日報確認や定期的な報告業務では、毎回同じ指示や整理を行う工数が発生するケースがあります。
Difyで構築したAIアプリへ日報や報告書を入力すると、事前に設定したルールやワークフローに沿って要約や重要ポイントの抽出を行えるため、繰り返し業務で毎回同じ指示を入力する手間を減らすことが可能です。
業務効率化や情報整理・確認品質の標準化につながる可能性がありますが、要約内容が意図と異なる場合もあるため、最終的には人による確認が必要です。
営業や情報システム部門では、顧客契約情報やライセンス状況、権限設定などを確認する際、複数のシステムや管理画面を確認する必要があり、情報取得に時間がかかる場合があります。
たとえば、顧客のライセンス数や契約状況を確認するために管理画面へログインし、複数項目を確認するケースです。
Difyでは、APIや外部ツール連携を活用し、社内システムやデータベースから必要な情報を取得する仕組みを構築できます。
チャット形式で質問すると必要な情報を取得できるため、複数システムを横断する確認作業の効率化につながる可能性があります。
連携にはAPIの仕様確認や権限設定が必要になるため、まずは連携しない簡単なアプリから試すとよいでしょう。
ここまでご紹介したように、Difyはさまざまな業務へ応用できますが、実際に導入を進める際は、対象業務の選定や運用体制の設計も重要です。
導入手順や成功のポイントを整理したい方は、以下の記事もご覧ください。
【関連記事】
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・【実録】RPA×生成AIで月400時間を削減!「人の判断」を自動化した求人作成業務の変革事例

Difyには無料プランが用意されており、AIアプリ作成やナレッジ登録、ワークフロー構築などの基本機能を試すことが可能です。
一方で、利用できる機能や利用量には制限があり、利用するAIモデルによっては別途API利用料が発生するケースもあります。
本章では、Difyの無料プランで試せる範囲や注意点についてご紹介します。
Difyの無料プランでは、AIアプリ作成やナレッジ登録、ワークフロー構築などの基本機能を確認できます。
たとえば、社内FAQを参照するRAGアプリや問い合わせ対応チャットボットを作成し、操作感や活用イメージを確認できます。
無料プランでは、アプリ数やメッセージクレジット、ナレッジ保存容量などに制限があり、個人検証やPoC、基本操作の確認向けと考えるとよいでしょう。
具体的な利用条件や上限は変更される可能性があるため、最新情報を確認しましょう。
無料プランでは、本格導入前のPoCとして、AIアプリ作成やナレッジ登録、ワークフロー構築などを試せます。
たとえば、問い合わせ対応チャットボットや社内FAQを参照するRAGアプリ、会議メモから議事録を作成したり、タスクを抽出したりするワークフローなどの作成を試すことが可能です。
無料プランは、小規模な業務課題を想定し、基本操作や活用イメージを確認する用途に向いています。
ただし、アプリ数や利用量などに制限があるため、本格運用とは分けて考えることが重要です。
Difyでは、OpenAIやGoogleなど外部AIモデルを利用できる場合がありますが、AIモデルによってはAPIキーの取得や設定が必要です。
また、Difyの利用料金とは別に利用するAIモデルによってはAPI利用料が発生する場合があり、メッセージ数や利用量に応じて従量課金となる可能性があります。
Difyがすべて無料で使えるとは限らず、Difyの料金体系だけでなく、利用するAIモデルの料金体系や利用条件も含めて確認することが重要です。
無料プランは、以下の用途で活用しやすい一方、利用規模によっては有料プランや追加コストの検討が必要になる場合があります。
・個人利用や基本操作の確認
・初期検証やPoC
・小規模なAIアプリ開発や業務検証
Dify利用料だけでなく、AIモデルのAPI利用料やナレッジ管理、保守・運用工数なども含めて総コストを考えることが重要です。
たとえば、社内問い合わせ対応アプリを複数部署で利用し、問い合わせ数や利用人数が増えると、AIモデルのAPI利用料や有料プランの検討が必要になる場合があります。
導入初期は問題なく運用できても、利用人数や利用量の増加によって想定以上のコストが発生する可能性もあるため、本格導入前は料金体系や運用コストを確認しておくことが重要です。

Difyを企業で利用する際は事前に確認しておきたいポイントがあります。
特に、経営層や情報システム部門では、機密情報の取り扱いやセキュリティ、運用体制、コストなどのリスクを懸念するケースも少なくありません。
注意点を把握せずに導入を進めると、期待した効果が得られないだけでなく、運用上の課題につながる可能性もあります。
本章では、Difyを業務で活用する際に確認しておきたい注意点をご紹介します。
Difyへ社内データを登録する場合、機密情報や個人情報の取り扱いに注意が必要です。
たとえば、顧客情報や契約内容、社内限定資料などを社内ルールや情報管理方針を確認せずに利用すると、情報漏えいリスクや情報管理上の問題につながる可能性があります。
Cloud版を利用する場合は、データ保存や利用条件、社内ポリシーとの整合性を事前に確認することが重要です。
一方、セルフホスト版(ローカル版)でもアクセス権限やログ管理などの運用ルール整備が必要になります。
業務利用では、事前に社内ルールや情報管理方針を確認し、運用体制を整えたうえで活用することが重要です。
DifyでRAGを活用する場合、登録したマニュアルやFAQなどのナレッジが古いままだとAIも古い情報をもとに回答する可能性があります。
たとえば、新入社員のアカウント申請や権限付与の手順が変更されてもナレッジが更新されていなければ、古い申請方法を案内し、手戻りや業務遅延につながる恐れがあります。
回答品質を維持するためには、社内ルールや業務フローの変更に合わせてナレッジを定期的に更新し、管理体制を整えることが重要です。
AIの回答は業務効率化を支援する一方、誤情報や意図しない内容を含む可能性があります。
たとえば、顧客対応や社内申請で誤った案内を行うと、機会損失や信頼低下につながる恐れがあります。
特に重要な意思決定や対外対応に関わる場面では、AIの回答をそのまま利用せず、人による確認や承認を組み合わせた運用が重要です。
AIを完全自動化の手段と考えるのではなく、業務支援ツールとして活用することが求められます。
Difyでは、利用するAIモデルによってAPI利用料が別途発生する場合があります。
また、開発するアプリやワークフローの内容、利用人数の増加によって、有料プランや運用コストが必要になる可能性もあります。
PoC(概念実証)段階では問題なくても、複数部署での利用や継続的な業務運用では、当初想定していた予算を超えるコストが発生するケースも少なくありません。
請求書を確認してから想定以上のコストが発生していたことに気づくのではなく、Dify利用料だけでなく、AIモデルの利用料金やナレッジ管理、保守・運用工数も含めた総コストを確認することが重要です。
Difyを導入する際は、AIを使うこと自体を目的にせず、どの業務のどの課題を改善したいのかを明確にすることが重要です。
たとえば、問い合わせ対応時間の短縮や社内マニュアル検索の効率化など対象業務を絞ることで導入効果を検証しやすくなります。
目的が曖昧なまま導入すると、十分に活用されず、期待した効果を得られない可能性もあります。
まずは小規模な業務で試し、効果や課題を確認しながら段階的に活用範囲を広げることが重要です。

Difyは、ノーコード・ローコードでAIアプリやAIエージェント、RAGを活用した業務支援ツールを開発しやすいプラットフォームです。
社内問い合わせ対応や社内マニュアル検索、議事録作成など、業務課題に応じたAIアプリを作成できます。
初めてDifyを利用する場合は、Cloud版で簡単なチャットボットを作成し、プレビューで回答を確認するところから始めると、基本的な仕組みを理解しやすいでしょう。
一方で、Difyを業務で安定的に活用するには、以下のような点も確認する必要があります。
・機密情報や個人情報の取り扱い
・利用環境(Cloud版・セルフホスト版)の選定
・アクセス権限やログ管理
・ナレッジの定期更新
・AI回答を人が確認する運用体制
・API利用料や運用コスト
・プロンプトやワークフローの継続的な改善
Difyを導入すればすぐに業務利用できるわけではなく、対象業務の整理やデータ準備、セキュリティ面の確認を行ったうえで、段階的に活用を進めることが重要です。
Difyは、ノーコード・ローコードでAIアプリを作成しやすい一方、業務で活用するためには、対象業務の選定や環境構築、社内データの整備、セキュリティへの配慮、導入後の運用体制づくりなども必要です。
「どの業務からDifyを活用すればよいか分からない」「自社だけで環境を構築・運用することに不安がある」「社内データを活用したAIアプリをどのように設計すればよいか分からない」といった場合は、専門的な支援を受けながら導入を進める方法もあります。
ヒューマンリソシアでは、Difyを基盤としたAIエージェント・AIアプリ開発プラットフォーム「つなぎAI Powered by Dify」を、企業のAI活用を支援する選択肢の一つとしてご提案しています。
つなぎAIは、Difyを自社で構築・運用する際に生じやすいセキュリティ面や管理工数への懸念に配慮しながら、業務に合ったAIアプリの導入を進められるサービスです。環境構築や専門的な設定をすべて自社で行う負担を抑え、Difyの活用を始めやすくします。
また、ヒューマンリソシアでは、業務課題や活用テーマの整理から、AIアプリの設計・構築、社内データを活用したRAGの構築、導入後の運用・改善まで、お客様の状況に合わせて伴走支援します。
Difyを活用した業務効率化やAIエージェントの導入を検討している方は、ぜひヒューマンリソシアの「AI・DX活用・伴走支援サービス」のページをご覧ください。
【よくあるご質問】
A:Difyは、画面操作を中心にAIアプリやチャットボット、ワークフローを作成できるため、プログラミングの専門知識がない方でも利用を始めやすいプラットフォームです。
ただし、外部システムとのAPI連携やセルフホスト版の構築、複雑なワークフローの作成などでは、技術的な知識が必要になる場合があります。初めて利用する場合は、Cloud版でシンプルなチャットボットを作成するところから始めるとよいでしょう。
A:利用するAIモデルや設定によっては、OpenAIやGoogleなどが発行するAPIキーが必要です。
DifyへログインするだけですべてのAIモデルを利用できるとは限りません。利用したいモデルの設定状況や、APIキーの取得方法、料金体系を事前に確認しましょう。
A:Difyには無料プランが用意されており、AIアプリの作成やナレッジ登録、ワークフロー作成などの基本機能を試すことができます。
ただし、作成できるアプリ数や利用量、ナレッジの保存容量などには制限があります。また、利用するAIモデルによっては、Difyの利用料金とは別にAPI利用料が発生する場合があります。
A:Difyのナレッジ機能を利用すると、社内マニュアルやFAQ、業務手順書などを登録し、その内容を参照するAIアプリを作成できます。
ただし、機密情報や個人情報を登録する場合は、自社の情報管理方針やAI利用ルールを事前に確認することが重要です。また、古い資料を登録したままにすると、AIが古い情報をもとに回答する可能性があるため、定期的な更新も必要です。
A:ワークフローは、入力された情報に対して、あらかじめ決めた処理を順番に実行し、結果を出力する用途に向いています。たとえば、会議メモの要約や日報の整理、問い合わせ内容の分類などです。
一方、チャットフローは、利用者と対話を続けながら情報を確認し、処理を進める用途に向いています。1回の入力で処理を完了させたい場合はワークフロー、対話しながら必要な情報を聞き取りたい場合はチャットフローが候補になります。
A:Difyで作成したAIアプリは、利用環境や設定に応じて、URLで共有したり、Webページへ埋め込んだり、APIを利用してほかのシステムから呼び出したりできます。
業務で利用する場合は、最初から全社公開するのではなく、限られたメンバーで回答内容や使いやすさを検証したうえで、段階的に利用範囲を広げることが重要です。
本コラム内容について
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製品バージョンアップなどにより、最新ではない場合がありますので、最新の情報は、各社の公式Webサイトなどを参考にすることをおすすめいたします。
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弊社では一切責任を負いかねます。
一つの参考としていただき、利用いただく際は、各社のルール・状況等に則りご活用いただけますと
幸いです。
※「OpenAI」「ChatGPT」「GPT」は、OpenAIの商標または登録商標です。
※「Google」「Gemini」は、Google LLCの商標です。
※「Docker」は、Docker, Inc.の商標または登録商標です。
※「GitHub」は、GitHub, Inc.の商標または登録商標です。
※「つなぎAI」は日本国内における日本電子計算株式会社の登録商標です。
※「Dify」は米国LangGenius社の登録商標です。
出典:
・ゼロからわかるDifyの教科書~生成AI×ノーコードでかんたん業務効率化(技術評論社)をもとに作成
・ヒューマンリソシア 「AIエージェント・Difyセミナー ~実務での活用イメージをご紹介~」セミナー資料/セミナー動画
・Dify公式サイト