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【実録】RPA×生成AIで月400時間を削減!「人の判断」を自動化した求人作成業務の変革事例

作成者: ヒューマンリソシア編集チーム|Feb 12, 2026 12:35:24 AM

                                                                                                                                                                                  2026.02.12-          


「RPAを導入して定型業務は減ったが、結局『人の判断』が必要な工程で業務が止まってしまう」 
「生成AIを業務に組み込みたいが、チャットボット以外の具体的な使い道が思いつかない」

こうした悩みを持つDX担当者は少なくありません。
多くの企業が直面するこの「壁」を突破する鍵は、RPAと生成AIを役割分担して連携させることにあります。

本記事では、ヒューマンリソシア株式会社が自社で実践した、AIエージェント基盤サービス「つなぎAI Powered by Dify」導入プロジェクトの全貌をご紹介します。
月間4,000件におよぶ求人原稿作成業務において、これまで自動化が困難だった「思考・判断プロセス」を生成AIに委ねることで、月間約400時間の工数削減に成功した事例です。

単なるツール連携の話ではなく、業務プロセスそのものを「AI前提」に再構築した変革の記録をご覧ください。

目次

 

 

RPA活用における「ラストワンマイル」の課題とは?

RPA(Robotic Process Automation)は、ルールが決まった定型作業の自動化において力を発揮します。
データ抽出、転記、システム入力など、正確性と再現性が求められる工程を安定的に自動化できる一方で、「文脈を踏まえた表現の工夫」や「相手に刺さる訴求の組み立て」といった“正解が一つではない工程”は、RPAだけでは自動化が難しい領域です。

当社(ヒューマンリソシア)の人材事業においても、同様の課題がありました。
求人原稿作成プロセスのうち、社内システムからの情報抽出や転記といった作業はRPA「WinActor」で自動化できていたものの、求職者に響く訴求文の作成や、最適なターゲット設定(ペルソナ設計)などは担当者の判断に依存しやすく、ここが「ラストワンマイル」として残っていたのです。

 

定型作業は自動化できたが…

当社では、お客様からお預かりした人材派遣の求人情報をもとに、求人媒体へ掲載するための原稿作成・掲載作業を行っています。
この作業は月4,000件規模に上るため作業量は膨大で、一部RPAによる自動化は実装していたものの、1件あたり約20分、年間で約16,000時間を要していました。

さらに、求人案件のアピールポイントを最大限に訴求するには一定のライティングスキルが必要で、担当者によって原稿の品質や表現にバラつきが生じやすい点も課題でした。結果として、求職者とのコミュニケーションなど「人」が担うべきコア業務への注力が妨げられていたのです。

浮き彫りになった3つのボトルネック

この「人による判断」への依存は、主に次の非効率につながっていました。

  1. 膨大な作業時間:月4,000件規模の対応が必要で、原稿作成に多くの時間を要する

  2. 品質のバラつき(属人化):担当者のスキル差により、訴求力や表現の品質が均一になりにくい

  3. マニュアル対応の限界:工数に追われ、採用ペルソナの深掘りや訴求軸の検討が浅くなりやすい

つまり、RPAの前後に残る「判断・生成の工程」が、プロセス全体のボトルネックになっていたと言えます。

 

 

生成AI×RPAで実現する「つなぎAI」の仕組み

こうした課題解決に向けて着手したのが、AIエージェント基盤サービス「つなぎAI」の活用です。
狙いは、従来RPAが担っていた「定型作業」と、人が担っていた「判断・生成業務」を分断したままにせず、生成AIが間を“つなぐ”形で、プロセス全体を一気通貫に再設計することでした。

ポイントは、生成AIを単に“文章生成ツール”として使うのではなく、業務フローの中に組み込み、RPAと役割分担させたことです。
これにより、「情報の移動(転記)」中心だった自動化を、「情報の加工・生成(訴求文・ペルソナ設計)」まで広げることを目指しました。

なお「つなぎAI」は、生成AIの「判断・生成」と、業務で使う各種ツールの操作・連携をつないで、
業務フローを一気通貫で組み立てられるAIエージェント基盤サービスです。
RPAに限らず他のアプリやサービスともつなげられるため、現場の業務に合わせた自動化の拡張がしやすい点が特徴です。

詳細な機能や導入メリットは、サービスページをご確認ください。

▶AIエージェント基盤サービス「つなぎAI」の詳細はこちら

「判断」をAIに委ねる新しい業務フロー(To-Be)

今回構築したフローの全体像は、次の通りです。

生成AIプラットフォームには、RPA(WinActor)との連携が容易な「つなぎAI」を採用しています。

  1. 【RPA】情報の抽出
    営業担当がシステムに登録したオーダー情報(必須スキル、勤務地、条件など)をWinActorが抽出

  2. 【生成AI】思考・制作プロセス(つなぎAI)
    抽出した条件をもとに、AIが「どのような人物がこの案件にマッチするか」というペルソナを整理し、そのターゲットに響く訴求ポイントを組み立て、キャッチコピーと本文を生成

  3. 【人】最終チェック・承認
    担当者は、AIが作成した原稿を確認し、必要に応じて微調整したうえで公開

これまで「ゼロから文章を考える」ことに費やされていた時間をAIが下支えすることで、人間は「良し悪しの判断」や「最終品質の担保」に集中できるようになりました。

※画像引用:ヒューマンリソシア株式会社 ニュースリリース(2026年1月15日)
https://corporate.resocia.jp/info/news/20260115_dx_tsunagiai_case

 

 

【導入効果】月間400時間削減と品質の均一化

この「つなぎAI」の導入は、定量的にも定性的にも劇的な成果をもたらしました。
RPA単体では到達できなかった「判断を伴う業務の自動化」が、目に見える形でのコスト削減と品質向上に繋がっています。

1. 定量的なインパクト(工数・人員の削減)

1件あたりの作業時間が大幅に短縮されたことで、チーム全体のリソースに余裕が生まれました。

  • 1件あたり所要時間
    • 導入前:20分
    • 導入後:14分(約3割、6分短縮)
  • 削減効果
    • 導入前:1,333時間
    • 導入後:933時間(400時間 削減)

※月間4,000件換算での試算

年間換算では、約4,800時間もの工数削減が見込まれています。
月4,000件という処理量を前提に、1件あたり数分の短縮が積み上がることで、月間換算でも大きな削減につながります。

2. 定性的なメリット(品質の標準化)

時間の削減以上に大きかったのが、「求人原稿の品質が均一化されたこと」です。

  • 属人化の解消:ベテラン社員でなくても、AIのアシストにより「ターゲットに刺さる」一定水準以上の原稿が作成可能になりました。

  • ケアレスミスの激減:手作業による転記や入力が減ったことで、誤字脱字などの単純ミスによる手戻りが減少しました。

  • コア業務へのシフト: 創出されたリソースを、採用戦略の立案や求職者へのきめ細やかな対応など、人間にしかできない業務へ割り振ることが可能になりました。

「時間を減らす」だけでなく、「品質の基準を揃える」という観点でも、生成AIを業務フローに組み込む意義は大きいと考えています。

 

 

成功の鍵となった開発体制とWinActor×つなぎAI連携

今回のプロジェクトが成功した背景には、単なるツールの導入だけでなく、開発体制と技術的な工夫がありました。
特に、現場のニーズを即座に反映できる内製化の仕組みと、RPAとAIの特性を理解した役割分担が大きなポイントとなっています。

内製化によるスピード開発

「つなぎAI」の開発は、当社のRPA推進部門のエンジニアおよびGIT(Global IT Talent)サービスに所属するエンジニアチームが中心となって進めています。
現場の課題を熟知している社内メンバーが開発を主導することで、フィードバックループを高速に回し、実用的なアプリケーションを短期間で構築することに成功しました。

WinActorとつなぎAIの連携ポイント

今回の連携の核心は、RPAとAIの「得意不得意」を見極めた役割分担にあります。

  • RPA(WinActor)の役割: データの抽出やシステムへの入力といった「正確無比な実行力」が求められる定型作業を担います。

  • AI(つなぎAI)の役割: ターゲットのペルソナを想像したり、心に響く文章を構成したりする「創造性と思考」が求められる領域を担当します。

この「間違えない実行力(RPA)」と「豊かな創造性(AI)」をシームレスに連携させ、さらにPythonスクリプトによる制御を加えることで、従来は人の判断でしか繋げなかった業務プロセスを一気通貫で自動化することに成功しました。

 

 

まとめ:業務フローを「AI前提」へ再設計しよう

今回の事例から得られた最大のポイントは、
「既存の業務フローにAIを後付けするのではなく、業務フロー自体をAI前提に再設計すること」です。

  • RPAで手足を動かし(定型作業)

  • 生成AIで判断・生成を支援し(思考・文章化)

  • 人は最終確認と意思決定、対人業務などに集中する

この役割分担を前提にした設計により、RPA導入後に残りがちな「人の判断」の壁も、現場で回る形で超えやすくなります。

また、生成AIを業務に組み込む際は、情報の取り扱い方針や運用ルールを含めた「セキュリティ面の配慮」が欠かせません。導入効果だけでなく、社内で安心して使い続けられる運用設計までセットで考えることが、定着の近道になります。

なお本事例で活用した AIエージェント基盤サービス「つなぎAI」 は、生成AIの「判断・生成」と、業務で使う各種ツールの操作・連携をつないで、業務フローを一気通貫で組み立てられるサービスです。
RPAに限らず他のアプリやサービスともつなげられるため、現場の業務に合わせて自動化を拡張しやすい点が特徴です。

▶ AIエージェント基盤サービス「つなぎAI」の詳細はこちら

ヒューマンリソシアでは、WinActorによる自動化支援に加え、生成AI活用やAIエージェント導入に関する伴走支援、エンジニア人材の支援(GITサービス)、DX人材育成までをトータルでサポートしています。

「RPAを入れたが効果が頭打ちになっている」「生成AIを実務で使える形に落とし込みたい」とお考えの方は、ぜひご相談ください。

 

 

【よくあるご質問】

「つなぎAI」の定義と仕組み

Q: 「つなぎAI」とは具体的に何ですか?

A: RPA(WinActor)とヒトの作業の間にある「判断」や「生成」のプロセスを、生成AI(つなぎAI)がつなぐことで自動化する仕組みのことです。これまで自動化が難しかった「求人原稿のターゲット設定」や「訴求文作成」をAIが担うことで、プロセス全体のボトルネックを解消しました。

導入による具体的な工数削減効果

Q: 具体的にどれくらいの工数が削減されましたか?

A: 月間4,000件の求人作成業務において、1件あたりの作業時間を20分から14分へと約6分短縮しました。これにより、月間で約400時間、年間換算で約4,800時間の工数削減を見込んでいます。

生成AIによる原稿の品質担保

Q: 生成AIが作った原稿の品質は問題ありませんか?

A: はい、品質の均一化が実現できています。以前は担当者のスキルによって原稿の品質にバラつきがありましたが、AIが採用ペルソナを意識した原稿案を作成することで、誰が担当しても「求職者に響く」一定品質の原稿が作成できるようになりました。また、汎用的なAIのプロンプト設定しにく、フォーマット定義やPythonのスクリプトをつなぎAIのワークフローに入れることで、間違いをおこさせない工夫も取り入れております。
最終工程では必ずヒトがチェックを行うため、安全性も担保されています。

 

本コラム内容について
各コラムの内容は、執筆時点での情報を元にしています。
製品バージョンアップなどにより、最新ではない場合がありますので、最新の情報は、各社の公式Webサイトなどを参考にすることをおすすめいたします。

各コラムの内容は、利用することによって生じたあらゆる不利益または損害に対して、
弊社では一切責任を負いかねます。
一つの参考としていただき、利用いただく際は、各社のルール・状況等に則りご活用いただけますと
幸いです。

 

※「つなぎAI」は日本国内における日本電子計算株式会社の登録商標です。
※「Dify」は米国LangGenius社の登録商標です。
※「WinActor®」は、NTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
※「GIT®」および「Global IT Talent®」は、ヒューマンホールディングス株式会社の登録商標です。
※「Python」は、Python Software Foundationの登録商標です。


出典:ヒューマンリソシア株式会社 ニュースリリース(2026年1月15日)
https://corporate.resocia.jp/info/news/20260115_dx_tsunagiai_case