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AI自動化とは?RPAとの違いや業務効率化事例・導入方法を完全解説

作成者: ヒューマンリソシア編集チーム|Jan 29, 2026 7:35:07 AM

                                                                                                                                                                                  2026.01.29-          


近年のAI技術の発展により、さまざまな企業がAI自動化の仕組みを業務に組み込もうと進めています。
AI自動化とは、AI(人工知能)の認識・分類・要約・予測などを活用し、従来は人が判断していた工程を含めて業務を自動化する考え方です。

実際に、AIによる自動化を活用すれば、生産性向上やコスト削減、業務品質の向上などの業務改善が期待できます。人手不足が深刻化する中で、AI自動化は企業の競争力を高めるための重要な手段になりつつあります。
同様に、業務改善の一環として、RPA(Robotic Process Automation)の導入を検討している企業も少なくありません。RPAは人の手作業を代行して定型業務を自動で処理する技術です。しかし、RPAには判断が必要な業務など不得意な領域もあるため、より高度な自動化を目指す場合は、AIの活用が有効です。

本記事では、同義に捉えがちな「AI自動化の基礎知識」と「RPAとの根本的な違い」を解説します。
他の自動化ツールを導入・検討している企業担当者の方も、ぜひ参考にしてください。

目次 

 

 

AI自動化による業務効率化の基本概念とRPAとの違い

働き方が多様化し、RPAや生成AIの登場などにより、近年では業務効率化ツールを導入している企業が急速に増えました。

なかでもAIは、データから学習し、状況に応じて柔軟に判断・対応できる技術として、国内でも注目を集める自動化手法として確立しつつある状況です。

本コラムで解説する「AIによる自動化」とは、人工知能技術を活用して、従来は人間が行っていた業務を自動的に処理する仕組みのことを指しています。

従来活用されてきた他の業務自動化技術とは異なり、AIは学習能力を持ち、状況に応じて柔軟に判断・対応できる点が最大の特徴です。

具体的に、AIとRPAの違いとは、どのような部分を指しているのか解説します。

 

AIとRPAの本質的な違い

AIによる業務自動化とRPAの決定的な違いは、判断能力の有無にあります。イメージとしては、次のように捉えると分かりやすくなります。
  • AI:データから学習して判断する「脳」
  • RPA:指示通りに動く「手」
たとえば、RPAは現場で生じた請求や顧客情報を人の代わりに入力する「手」となり、一方でAIは、そのデータをもとに「どれくらい需要が伸びそうか」
「どの顧客に優先的にアプローチすべきか」などを分析・予測する「脳」として活用できます。

違いをわかりやすくするために、それぞれの特徴を以下の表で整理します。

項目
AI RPA
役割 自ら学習・判断する「脳」 指示通りに動く「手」
処理方法 データからパターンを学習し、状況に応じて判断 事前定義されたルールに従って処理
対応範囲 非定型業務も対応可能(状況判断が必要な作業)  想定外の状況に対応不可
柔軟性 新しい状況にも適応可能 人によるが都度調整が必要
成長性 学習データを積み重ね、自動的に精度が向上 定型業務のみ対応可能

このように、AIとRPAは役割や対応できる業務範囲に明確な違いがあることがわかります。

AI とRPAの組み合わせによる相乗効果

AIと RPAはそれぞれ異なる強みを持つ技術であり、両者を適切に組み合わせることでより高い効果を発揮します。

この自動化技術の違いを理解した上で、
たとえば、以下のような連携が考えられます。

組み合わせ例:

  • AI-OCR+RPA:請求書などの手書き書類をAIが読み取り、RPAが基幹システムへ自動入力
  • AIチャットボット+RPA:AIが顧客毎の複雑な問い合わせ内容を理解し、RPAが関連システムを操作して処理を実行
  • 予測AI+RPA:AIが過去のデータから需要予測を行い、RPAが適切な量で発注処理を自動で実行

このように、AIが「考える部分」を担い、RPAが「手を動かす部分」を担う構成にすることで、
これまで人が介在していた判断プロセスまで含めた、自動化の範囲拡大が可能になります。

 

「脳と手の統合」から「自律」へ:AIエージェントへの進化

近年、AIとRPAの連携はさらに一歩進み、AIが自ら目的を理解して行動を計画する「AIエージェント」へと進化しています。

AIエージェントとは、与えられた目的に向けて、AIが必要な手順を計画し、情報収集やツール操作を行いながら、タスクを自律的に進める仕組みです。

これまでの自動化は、人間が「AIに判断させ、その結果をRPAに渡す」という一連のフローをあらかじめ設計しておく必要がありました。しかし、AIエージェントでは、抽象度の高い指示を起点に、必要な情報収集やツール操作を組み合わせ、判断と実行を繰り返しながらゴールを目指します。

まさに「脳と手が一体化」し、指示を待つだけのツールから、自律的に動く「デジタル上のパートナー」へと変貌を遂げつつあるのです。

参考:AIエージェント×RPA活用事例(自社取り組み)

実際にヒューマンリソシアでは、月4,000件規模の求人広告文作成にAIエージェント基盤サービス「つなぎAI Powered by Dify」を導入し、定型作業はRPA(WinActor)で自動化することで、年間4,800時間の削減効果を見込んでいます。

「AIによる文章生成などの高度なクリエイティブ」と「RPAによる確実な定型処理」。この2つを掛け合わせることで、実務において目に見える成果をスピーディーに生み出すことができました。
※出典:ヒューマンリソシア株式会社 ニュースリリース(2026年1月15日)

なお、つなぎAI Powered by Difyは、さまざまなアプリや社内データ、生成AIを連携し、業務専用のAIエージェントを開発できるサービスです。RPAだけでは人の判断が残りやすい業務でも、プロセス全体の自動化・効率化を後押しします。
つなぎAIの特徴をまとめた、「サービスページ」をご用意しております。ぜひご覧ください。

 

 

AI活用による業務効率化の新常識

AI活用が進むにつれて、「業務効率化の常識」が大きく変わりつつあります。

従来のRPAでは自動化が困難とされていた人間の判断を伴う知的作業も、AIの力で自動化が可能になりました。
これにより、ビジネスの流れは、単純作業の自動化から、より高度な業務プロセスの自動化へとシフトしています。

定型業務から非定型業務への拡張

AI活用によって、新たに自動化の対象になってきた業務の例を整理すると、次のようになります。

業務例 AIで自動化可能になった業務 RPAでは難しかった点
契約書レビュー AIが膨大な量の条項をチェックし、リスクを自動判定 RPAは契約書を自動保管できるが、内容を細かく精査して自動判定できない
カスタマーサポート AIが顧客の感情を読み取り、最適な回答をリアルタイムで生成 RPAは顧客情報や問い合わせ内容を自動で保管・登録できるが、回答を自動返信できない(人が回答を考え、返信する必要がある)
市場分析レポート 複数のデータソースから情報を収集・分析し、自動で分析・レポート作成 RPAではデータ収集はできるが、自動で分析・レポート作成の業務ができない
採用スクリーニング AIが履歴書や職務経歴書から候補者の適性を自動評価 RPAは応募データを集約・登録できるが、適性評価などができない

もちろん、すべての判断業務が即座にAIに置き換えられるわけではありませんが、
「情報の整理・候補出し」をAIが、最終判断を人が行うという役割分担が現実的な落としどころになってきています。

24時間365日稼働による生産性向上

従来のRPAでも「定型業務」の24時間稼働は可能でしたが、エラー対応や内容の確認・判断が必要な場面では、どうしても人の出社を待つ必要がありました。
しかし、AIを組み合わせることで、これまで人が行っていた「判断」や「非定型データの処理」までもが、夜間や休日を問わず24時間365日進行可能になります。

期待できる効果として、従来のRPA単体では難しかった以下の点が挙げられます。
  • 非定型業務の夜間完了
    問い合わせメールの要約や分類、契約書の一次チェックなど、内容の理解が必要な業務を夜間に済ませ、翌朝には「最終確認」だけの状態にできます。

  • リアルタイムでの顧客対応
     AIチャットボットなどが、営業時間外でも顧客の曖昧な質問から意図を汲み取り、適切な回答を即座に生成して返信します。

  • 判断スピードの向上とスケーラビリティ
    膨大なアンケートの自由記述分析など、人が読むと時間がかかる作業も、AIなら24時間休まず、かつ人の数十倍の速度で処理し続けられます。
これにより、たとえば、朝の時間は「溜まったデータの処理」ではなく、「AIが整理した情報の活用」へと変わります。煩雑な集計や下準備はすべて完了しているため、社員はより創造的な企画や、丁寧な顧客対応などのコア業務に集中することが可能です。

ヒューマンエラーの削減と品質向上

人的ミスによる手戻りコストは企業にとって大きな負担です。AIによる自動化により以下のような改善が期待できます。
  • 入力ミスの削減:AI-OCR+チェックロジックで、人手入力より高精度にデータ処理
  • 判断の一貫性:感情や疲労に左右されない、予め決めた基準に基づいて、常に安定した判断
  • コンプライアンス強化:設定されたルールを確実に遵守し、監査証跡も自動記録
人的ミスが改善されれば、品質向上効果があるのはもちろんですが、トラブルによって発生する復旧作業もなくなるためコスト削減につながります。


「作業の自動化」ではなく「プロセスの完全代行」の動きが加速する

これからのAI自動化は、単なる「作業のスピードアップ」にとどまりません。特定のタスク(作業)を自動化する段階から、一連のビジネスプロセスをまるごと代行する段階へと加速しています。

たとえば、従来の自動化が「届いたメールをフォルダに分ける」という事務的な作業を担っていたのに対し、最新のAI自動化では、「お客様からのお問い合わせに対し、過去の背景をふまえた最適な回答と解決策をスピーディーに起案し、担当者の意思決定を仰ぐ」といった、一連の対応プロセスをシームレスにサポートします。

これにより、人間は「プロセスの実行者」から「プロセスの監督者」へと役割を変えていくことになります。

 

 

生成AIを活用した業務自動化ツールの種類と特徴

近年、生成AIの台頭により、AI自動化がとても身近に感じている方も多いのではないでしょうか。それと同時に、生成AIを中心としたAIを業務に生かすためのツールも、用途や技術レベルに応じて多様化しています。

2025年現在は、ノーコード/ローコードツールの進化により、専門的なプログラミング知識がなくてもAI自動化に取り組める環境が整いつつあります。現場担当者が自らワークフローを作成し、非IT部門が主導して自動化を進めるケースも増えています。

本章では、代表的な生成AIを活用・連携が可能な自動化ツールの特徴と、近年話題となっている生成AI活用の最新動向、業界特化型ソリューションの例を整理しご紹介します。

生成AIを組み込めるノーコード/ローコード自動化ツールの台頭

ノーコード/ローコード自動化ツールとは、プログラミングの知識がなくても、AI(人工知能)や各種クラウドサービスを組み合わせて業務を自動化・効率化できるツールの総称です。ドラッグ&ドロップや簡単な設定操作だけでワークフローを組み立てられるため、IT部門だけでなく現場部門でも導入・運用しやすいのが特徴です。

重要なポイントは、「生成AIそのもの」ではないということです。
生成AIと連携し、「文章生成→要約→通知」など、生成AIを業務フローの一部として組み込めるため、生成AI活用の基盤として活用が広がっています。

代表的なツールを、料金や適用規模、主な用途の観点から比較すると、次のようになります。

主なノーコード自動化ツール比較(生成AI連携を含む)

ツール名
特徴 価格帯 主な
適用規模
代表的な用途・得意分野 サポートの傾向/日本語対応
Make.com 視覚的なエディタでシナリオ(シナリオ単位のフロー)を組み立てて、3,000以上のアプリと連携できるノーコード自動化プラットフォーム。生成AIやチャットボットとの連携にも対応 無料プランあり
有料プラン:Core / 月額約$9〜(年払い)から利用可能。

※詳細は公式ページをご確認ください
個人〜
中堅・大企業
・メール一斉送信などの「マーケティング」

・適切な回答などの「カスタマーサポート」
UIや公式ドキュメントは主に英語。サポートも英語が中心
Zapier 8,000以上のアプリをつなぎ、トリガーとアクションの組み合わせでワークフローを自動化するノーコードプラットフォーム。最近は「AIオーケストレーションプラットフォーム」として、AIエージェントやチャットボット機能も提供 無料プランあり
有料プラン:月額約$19.99〜(年払い)

※詳細は公式ページをご確認ください
個人~
大企業
・メールを共有フォルダに保存できる「自動アップロード」

・異なるAIモデル、データソース、ツールをつなげる「AI統合」
UI・ヘルプとも基本的に英語。
すべての有料プランでメールサポート提供。上位プランではライブチャットサポートも利用可能
Power Automate Microsoft社が提供しているローコード/ノーコード自動化プラットフォーム。Microsoft 365 や Dynamics 365 をはじめ 500種類以上のコネクタを利用して、クラウドとデスクトップ双方の業務を自動化できる Power Automate Premium:
1ユーザーあたり月額2,473円(税込)
(年払い、2025年11月時点のMicrosoft公式価格をもとに試算)
中小~
大企業
・Microsoft 365(Outlook、SharePoint、Teams、Excel など)との連携業務

・SaaS間のデータ連携、デスクトップ操作のRPA化など、社内業務全般の自動化に強い
日本語UI・日本語ドキュメントが充実。Power Platform共通のサブスクリプションサポートに加え、別料金Professional Direct サポートプランも選択可能
IFTTT 「If This Then That」の名の通り、「〇〇したら××する」というシンプルなルールでアプリやデバイスをつなぐ自動化サービス。スマートホームや個人向けのタスク自動化に強い Free($0)のほか、Pro(数ドル/月)、Pro+ などのプランがあり、Proは月額約$2.99〜が目安。

※詳細は公式ページをご確認ください
個人〜
小規模
チーム
・SNS投稿やブログ更新の自動化

・スマートホーム機器の連携、カレンダー連携など、生活・業務を横断したライトな自動化に適する
Web版は英語のみだが、Android/iOSアプリは日本語を含む複数言語に対応し、ヘルプセンターは主に英語

※海外ツール(Make、Zapier、IFTTT)の料金は、いずれも2025年11月時点の公式サイトのUSD表記をもとにした目安です。
プラン改定や為替レートにより実際の支払金額は変動する可能性があります。

生成AIツールの最新動向

ChatGPT、Claude、Geminiなどの、大規模言語モデル(LLM)をビジネス活用するツールが急増し、また、日々進化しています。
従来は、社員が時間をかけて作業を行っていた「文書作成」「コード生成」「画像加工」「データ分析」などの業務をAIが支援・代行してくれるので、コア業務に専念することが可能です。

生成AIツールの得意分野としては、下記の通りです。
  • 文書作成の自動化:報告書、提案書、メールなどの下書きの生成
  • コード生成・レビュー:プログラムの自動作成・デバッグ
  • 画像生成・加工:商品画像やバナーの自動作成
  • データ分析・要約:自然言語での分析指示や要約が可能
これらの業務を生成AIが代わりに行ってくれるため、社員の負担が軽減されます。

また、生成AIツールを単体で使うだけでなく、前述の自動化ツールなどと連携させることで、生成AIの出力を業務フローに組み込みやすくなります。


業界特化型AIソリューション

最近は、各業界の特性に合わせた専門AIツールも登場しています。
このようなツールは、文章生成のような「生成AI」ではなく、画像認識・予測・異常検知などのAI技術が活用されているケースも多い点が特徴です。

従来は、業務を行う人員の経験やスキルによって品質が安定せず、確認不足によるヒューマンエラーが課題でした。

しかし、AIソリューションを駆使すれば、安定した品質を担保でき、不良品などの異常も自動で検出します。安定した事業運営ができるため、企業が生産性を
向上するきっかけになるでしょう。

具体的に、業界別に活用されているAIソリューションとしては、下記の通りです。

製造業向け
  • 品質検査AI(画像認識による不良品検出)
  • 予知保全AI(故障予測と最適メンテナンス)
金融業向け
  • 与信審査AI(リスク評価の自動化)
  • 不正検知AI(異常取引の検知・アラート)
小売業向け
  • 需要予測AI(販売データをもとにした在庫最適化)
  • 価格最適化AI(ダイナミックプライシングによる収益最大化)

これらの業界特化型AIソリューションとノーコード自動化ツールを組み合わせることで、
検知→判断→通知→記録までを一気通貫で自動化することも可能になります。

 

 

AI自動化事例と導入効果の実績

では、実際に業務自動化でAIを活用している企業はどのような取り組みを行ったのでしょうか。

今回は、大企業での全社展開事例・中小企業でのスモールスタート事例・金融機関での活用事例をご紹介いたします。自社でも取り組めそうな事例があれば、ぜひ参考にしてください。

大企業での全社展開事例

ある大手金融グループでは、生成AIの活用を本格化させるため、3年間で約500億円の投資を計画し、事務や営業などの領域で生成AIを活用した「AI営業」を推進しています。

この取り組みにより、月22万時間規模の労働時間削減を見込んでおり、稟議書作成、提案書作成、事務手続き照会業務などの代用を検討しています。人手不足の解消や生産性向上に加え、グループ全体の業務プロセスを作り替えていくDX施策の一環として、生成AIが位置づけられています。

中小企業でのスモールスタート事例

中小企業で生成AIを活用した事例としては、1年間で約45万時間の業務削減を実現した企業があります。既存のAIモデルを基に独自開発したツールを利用し、業務効率化を図ることに成功しました。

チャット形式で社員の質問に答えたり、指示に従って文書作成や分析を行ったりする仕組みのツールで、主な活用例は、工場での作業手順書作成、消費者アンケートのコメント分析、プログラミングコードの生成など多岐にわたります。

削減時間は前年度の2.4倍となる約44万8,000時間に拡大し、従業員1人あたり月4時間弱の業務効率化を実現するなど、AI活用による生産性向上とともに、情報漏えいリスクを抑えた安全な環境づくりでも注目を集めています。

金融機関での活用事例

ある金融機関では、DX推進の一環として、生成AIによる銀行業務の生産性向上プロジェクトを開始しました。文書作成や情報収集、データ集計・分析業務などに生成AIを活用し、本部の55業務で年間約3.2万時間の業務効率化を見込んでいます。

一般情報に加え、行内データも組み合わせることで、より精度の高い業務支援が実現できると想定されています。さらに、行内システムとの連携を進め、生成AIの活用領域を段階的に拡大していく方針です。

これらの事例から、企業規模や業界を問わず、AI自動化の効果が具体的な数値とともに報告され始めている状況です。

 

 

AI業務自動化の導入ステップと成功のポイント

AIを活用した業務自動化を成功させるには、思いつきでツールを入れるのではなく、段階的な導入ステップを踏むことが重要です。
いざ、AI自動化ツールを導入したものの「どの業務を自動化するべきか分からない」といった悩みが出てくる企業も少なくありません。

本章では、AI業務自動化の導入ステップと、成功のポイントを解説しますので、参考にしてください。

ステップ1:現状分析と自動化対象業務の選定

業務の棚卸し

まずは、「どこにどんな業務があり、どれくらい時間がかかっているのか」を見える化するために、業務の棚卸しを行います。

現状分析のポイント

  • 全業務プロセスをリストアップ
  • 各業務の作業時間と頻度・担当者数を記録
  • 自動化の難易度を3段階程度で評価
できるだけ細かく業務の棚卸をすれば、現在の課題が見えてきて、AI業務自動化の成功に近づくでしょう。

また、自動化対象業務の選定も重要です。自動化優先度の判断基準は、下記の内容を意識すると何をAI自動化するのか判断しやすくなるでしょう。

自動化優先度の判断基準

作業時間
月20時間以上かかる業務を優先
繰り返し頻度 日次・週次などの定期業務
エラー発生率 ミスが起きやすく、手戻りが多い業務
付加価値 単純作業で創造性があまり求められない業務
現状分析と候補選定ができたら、次に「どの業務からスモールスタートするか」を決めていきます。


ステップ2:POC(概念実証)の進め方

スモールスタート

現状分析が完了した後は、小さく試すPOC(概念実証)を進めます。計画を綿密に立てることで、AIでの業務自動化の実現に繋がります。

より成果を図るためには、下記のようなPOC設計を意識する必要があります。

POC設計のポイント

  • 対象業務選定:影響範囲が限定的な業務から開始
  • 期間設定:1~3ヶ月程度に絞り、短期間で効果測定
  • 成功基準設定:事前に「成功基準(ゴール)」を数値で決めておく
たとえば、次のような基準を設定しておくと判断しやすくなります。
  • 作業時間:50%以上削減
  • エラー率:80%以上削減
  • ROI:6か月以内に回収

業務を限定し、期間を絞ることで、最低限の人員でPOCが進められます。具体的に計画し、成功基準を事前に決めておくことで、AI自動化業務への移行が成功するのか判断しやすくなります。

また、POCの精度を高めるために、次のようなチェックリストを用意しておくと安心です。

POCチェックリスト(例)

【 】
現状の作業時間を正確に測定
【 】 自動化後の想定効果を数値化
【 】 関係者の合意形成
【 】 失敗時の代替案準備


ステップ3:本格導入と効果測定の方法

段階的展開

POCで一定の成果が確認できたら、本格導入に進みます。その際に、段階的に展開していき、効果を定期的に検証しましょう。

AI自動化業務を導入するには、たとえば、下記のように段階的な展開がおすすめです。

  • パイロット部門での実証(3~6ヶ月)
  • 他部門への横展開(6~12ヶ月)
  • 全社展開と標準化(12ヶ月以降)

いきなり社内全体で導入スタートすると、新しい業務スタイルに戸惑う人が出てきます。
トラブルを避けるために、少しずつ段階的に広げていくことが重要です。

効果測定の重要指標(KPI)

導入後は、定量・定性の両面から効果測定を行います。

<定量指標の例>

  • 作業時間削減率 
    例:1件あたり20分 → 5分に短縮(削減率75%)
    AI自動化によって、どれだけ手作業時間が減ったかを示す指標です。

  • コスト削減額 
    例:年間コスト600万円 → 300万円に削減(削減額300万円)
    導入により、どれだけ費用を削減できたかを把握します。

  • エラー削減率
    例:エラー発生率10% → 2%に改善(削減率80%)
    ヒューマンエラーの減少度合いを示し、品質向上の度合いを測る指標です。

  • 処理件数増加率
    例:1日100件 → 180件に増加(増加率80%)
    同じリソースでどれだけ多くの件数を処理できるようになったかを示します。
<定性指標の例>
  • 従業員満足度
    例:満足度スコア3.2 → 4.5に改善(向上率40%)  
    負担軽減やストレス低減など、従業員側の体感的な改善度合いを測ります。

  • 顧客満足度
    例:顧客評価4.0 → 4.8に向上(向上率20%)  
    サービス品質や対応スピードの向上が、顧客にどう評価されているかを確認します。

  • 業務品質
    例:不備率5% → 1%に改善(改善率80%)  
    正確性・安定性など、業務品質全体の向上度合いを把握します。

定量指標では、AI導入による効果を数値的に確認します。
定性指標では、実際に利用した従業員や顧客からの体感的な効果を確認します。 

これらを組み合わせることで、AI自動化で得られる効果を総合的に評価することが可能です。

 

 

AIによる自動化の課題と対策

AI自動化には大きなメリットがある一方、導入時に直面する課題もあります。

本来は、企業の生産性向上に期待できる技術が、なぜうまく活用できないケースがあるのでしょうか。事前に課題を理解し、適切な対策を講じて、AI自動化の導入を成功に導きましょう。

導入コストとROIの考え方

AI自動化は、目的や業務内容を明確にしないまま、いきなり「AI活用して」と言われても具体的な成果にはつながりません。

まずは、どの程度の予算が必要か、そして投資に見合う効果が得られるのか(ROI) をあらかじめ把握することが大切です。

一般的に、AI自動化の導入では、初期投資の相場(目安)の内訳は下記の通りです。

初期投資相場の内訳(目安)
  • 初期契約費用:5万円〜10万円程度
  • 運用費用:月額10万円~100万円程度
  • 導入コンサルティング:40万円~200万円程度
  • 社内教育・研修:10万円~300万円程度 ※法人向け研修が対象:研修内容や人数によって変動

これらの費用を踏まえ、削減できる工数やコストを試算したうえで、ROIを算出します。

ROI算出の公式

ROI = (削減コスト - 投資額) ÷ 投資額 × 100

最後に投資回収期間の目安を測定します。導入プロジェクトの規模が多いほど、投資回収期間は長くなるので注意してください。

投資回収期間の目安例

  • 簡易的な自動化:3~6ヶ月
  • 中規模プロジェクト:6~12ヶ月
  • 全社規模の導入:12~24ヶ月
できるだけ導入コストを抑えるためにも、いきなり全社導入はせず、まずは一部部署や特定業務から試験導入し、無駄な投資を増やさないようにしましょう。


セキュリティとプライバシーの確保

AI自動化で扱うデータのなかには、社外秘など重要な資料もあるでしょう。セキュリティ対策を行い、万全な体制でAI自動化を図る必要があります。

そのためにも、セキュリティ要件を満たしたツールを利用することが肝心です。

必須のセキュリティ要件の例

  • データ暗号化:保存時・通信時の暗号化
  • アクセス制御:役割ベースの権限管理
  • 監査ログ:全操作の記録と定期監査
  • プライバシー保護:個人情報の匿名化処理

また、AI自動化ツールのなかには、クラウド型のサービスもあります。クラウドサービスを選定する際には、一般的に次のようなポイントを確認しておくと安心です。

クラウドサービス選定時のチェック項目例 

【 】 SO27001などの情報セキュリティ関連認証の取得状況
【 】 データセンターの所在地や、データの保存場所
【 】 SLA(サービスレベル合意)の内容(稼働率やサポート条件など)
【 】 インシデント発生時の連絡体制や対応プロセス
AI自動化ツールを導入する際には、ツールの機能だけでなく、セキュリティ体制を整えることが安全に事業運営を進めるうえで重要です。

そのためにも、セキュリティ要件を満たしたツールを選択し、データ利用ポリシー策定や、アクセス権管理などを体系的に行うことをおすすめします。


従業員の理解と協力を得る方法

どれだけ優れたAI自動化ツールを導入しても、従業員が使いこなせなければ効果は出ません。

社内でAI自動化を学習する環境や積極的に活用できる環境がないと、AI自動化に対するモチベーションや利用頻度が下がってしまいます。

効果的な取り組みとしては、透明性の確保やスキルアップ支援などの対策が肝心となってきます。

効果的な取り組み例

透明性の確保
・AI導入の目的と効果について説明会で共有
・雇用への影響について1on1で丁寧に説明
スキルアップ支援 ・AI活用スキルの操作研修や実践トレーニングの実施
・社内認定制度・AI人材育成コースの設置
・AIリテラシー教育の強化
成功体験の共有 ・小さな成功事例を積み重ねる
・自動化による改善効果を可視化し共有
インセンティブ設計 ・業務改善提案への報奨制度を付与
・AI活用成果を評価制度に反映

AI自動化を効果的に進めるためには、段階的に取り組み、「AIに使われる」のではなく、「AIを使いこなす」文化を育てていくということが重要になってきます。

 

 

まとめ

AIによる業務自動化は、もはや一部の先進企業だけの取り組みではなく、あらゆる企業が取り組むべき基盤技術になりつつあります。
ノーコードツールの普及により、誰もが手軽にAI自動化を始められる時代になりました。
決して「使えない」技術ではなく、きちんと使いこなすことができれば、企業の生産性向上が大きく期待できます。

本記事でご紹介したポイントは以下の通りです。

  • AI自動化は、AIの判断能力により非定型業務も自動化可能
  • RPAとAIを組み合わせることで、完全な業務自動化を実現
  • ノーコードツールで、現場部門でも導入しやすい環境が整備
  • 段階的な導入アプローチが成功の鍵

では、実際に自社でAI自動化を進めるには、どこから始めればよいのでしょうか。
まずは、次の3つのステップから始めるのがおすすめです。

今すぐ始められる3つのアクション

  1. 業務の棚卸し:まず現在の業務を整理し、自動化候補を特定
  2. 無料プランの活用:無料プランがあれば、活用し小さく始める
  3. 成功事例の研究:同業他社の事例を参考に、自社への適用を検討

AIによる自動化は、企業競争力を高めるうえで欠かせない取り組みです。早期に着手することで、競合他社に対する優位性も確立できます。

とはいえ、業務選定の進め方や活用イメージが湧かない…といったお悩みが多いのが実情です。
そのような場合は、業務自動化ノウハウを持つ企業へ一度相談してみるのもひとつの有効な選択肢です。

業務の整理や自動化の方向性でお困りの際は、ぜひヒューマンリソシアにご相談ください。
AI・RPA・業務改善の知見を踏まえ、お客様の状況に合わせた進め方をご提案いたします。

 


【よくあるご質問】

AI自動化の定義

Q. AI自動化とはどのようなものですか? 

A:人工知能技術を活用して、従来は人間が行っていた業務を自動的に処理する仕組みのことを指しています。学習能力を持ち、データからパターンを学習することで、状況に応じて柔軟に判断・対応できる点が最大の特徴です。

RPAとの違い

Q. 従来のRPAとAI自動化の違いを教えてください。

A: AIとRPAの決定的な違いは、判断能力の有無にあります。AIはデータから学習して判断する「脳」であり、RPAは指示通りに動く「手」という役割の違いがあります。

導入によるメリット

Q. AI自動化を導入することで、どのような効果が期待できますか? 

A:生産性向上やコスト削減、業務品質の向上などの業務改善の実現が可能です。また、煩雑な集計や下準備をAIが担うことで、社員はより創造的な企画や、丁寧な顧客対応などのコア業務に集中することが可能になります。

導入のステップ

Q. AI業務自動化はどのような手順で進めるべきでしょうか?

A: まずは「どこにどんな業務があり、どれくらい時間がかかっているのか」を見える化するために、業務の棚卸しを行います。いきなり全社導入はせず、まずは一部部署や特定業務から試験導入(POC)を行い、段階的に展開していくことが重要です。

セキュリティ対策

Q. AIを業務に導入する際のセキュリティ上の注意点はありますか?

A:セキュリティ要件を満たしたツールを選択し、データ利用ポリシー策定やアクセス権管理などを体系的に行うことが肝心です。クラウドサービスを選定する際には、情報セキュリティ関連認証の取得状況やデータの保存場所を確認しておくことが推奨されます。

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