2025.10.09-
業務の効率化とデータ活用の最大化を目指す企業にとって、 kintone® (キントーン )とRPAの連携は強力な手段です。
kintone に蓄積されたデータをRPAと連携させることで、入力作業や集計業務の自動化が可能となり、業務負荷の軽減やヒューマンエラーの削減につながります。
本記事では、 kintone とRPAを連携させる方法や導入ステップ、おすすめのRPAツールまでをわかりやすく解説します。
\たった5分で!RPA成功のヒントがわかる/ RPA導入を成功に導く具体策がここに!実際に取り組むべき5つのポイントを詳しく解説。 これを読むだけで、成功のヒントが手に入ります! |
目次
業務の効率化や自動化を進めるうえで注目されている「kintone」と「RPA」。どちらも業務改善に役立つツールですが、その役割や使い方には大きな違いがあります。
本章では、kintone とRPAの基本的な機能や特徴をわかりやすく解説し、それぞれの違いや使い分けのポイントについてご紹介します。導入を検討している方や、どちらを使えばいいか迷っている方はぜひ参考にしてください。
RPA(Robotic Process Automation)とは、人間がパソコン上で行っている定型業務を、ソフトウェアロボットが自動で実行する技術です。Excelへのデータ入力、社内システムへの情報登録、請求書の発行、Webサイトからの情報取得など、ルールに従って繰り返される作業を正確かつ高速に処理できます。
RPAを導入すれば、業務の効率化と精度向上が期待できるでしょう。人手で行うと1時間かかっていた作業が、RPAなら数分で完了し、しかもミスが発生しません。結果、従業員は単純作業から解放され、より創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになります。
ある企業では、業務の効率化をRPAツールで実施し、導入してから1年で54業務の自動化を実現、年間1,850時間の削減に成功したという事例もあります。
近年RPAが注目されている背景には、人手不足の深刻化や働き方改革の推進などが関係しているでしょう。限られた人員で多くの業務をこなさなければならない状況の中で、RPAは「人間の代わりに働くデジタル労働力」として、企業の生産性を支える重要なツールとなっています。
kintone (キントーン)とは、サイボウズ株式会社が提供するノーコード・ローコード型の業務改善クラウドサービスです。プログラミングの専門知識がなくても、誰でも簡単に業務アプリを作成・カスタマイズできるのが大きな特徴で、企業の現場担当者自身が業務に合ったシステムを構築・運用することができます。
ノーコードとは、コードを書かずにマウス操作やドラッグ&ドロップでアプリを作れるのが特徴です。 kintone ではフォームの作成、データベースの設計、一覧画面の設定などを直感的に行えます。
また、JavaScriptやAPI連携を活用すれば、より高度なカスタマイズも可能なローコード開発にも対応しており、業務ニーズに応じた柔軟なシステム構築が可能です。
kintone は、現場でバラバラに管理されていたExcelや紙ベースの業務を一元化し、業務プロセスの見える化・標準化・効率化を促進します。顧客管理、案件進捗、問い合わせ対応、在庫管理など、あらゆる業務に対応したアプリをすばやく構築でき、改善サイクルをスピーディに回せるのが特徴です。
さらに、 kintone は単なるアプリ作成ツールではなく、社内の情報共有・データ管理のハブとしても利用できます。リアルタイムでのコメント機能や通知、アクセス権の設定などにより、チーム内のコミュニケーションや業務の進行状況の把握がスムーズになり、テレワークや部門を越えた連携にも対応可能です。
kintone を導入したものの、「思ったほど業務が改善されない」「アプリが乱立して使いづらい」など、運用面での悩みを抱える企業は少なくありません。便利なツールである一方、活用方法を誤ると逆に業務の非効率を招くことも。本章では、 kintone 導入後によくあるお悩みとその解決策について解説します。
kintoneはノーコードで業務アプリを作成できる手軽さが魅力ですが、他のシステム(基幹システム、会計ソフト、外部クラウドサービスなど)とデータ連携を行う際には、ある程度のITスキルや専門知識が求められます。APIやWebhookの活用、データ形式の変換処理、連携先との認証設定などには、プログラミングやシステム構築に関する理解が必要です。
こうした技術的ハードルが、現場主導での業務改善を妨げる要因になることもあります。せっかく kintone で業務アプリを作っても、「他システムとつながらない」「CSVでの手動出力・取り込みが手間」といった理由で、現場の運用が煩雑になるケースが出てくるかもしれません。
中小企業やIT部門が小規模な組織では、連携に対応できる人材が限られており、 kintone の活用範囲が限定されてしまうという課題が浮上します。データ連携の設計や設定には、外部パートナーやツールの活用も検討しながら、ITスキルのギャップをどう埋めるかが、 kintone の効果的な活用において重要なポイントです。
kintone 導入後の現場では、システムへの慣れに加え、手入力作業の増加により人的ミスが発生しやすくなる課題があります。
たとえば、「制作管理」アプリへの入力において、月間1,000本もの動画を制作する事業では、動画1本ごとに1レコードを登録する必要があり、さらに経費などの入力も加わると約1,500件のレコードを処理しなければなりません。これを数人のディレクターで担当する場合、1人あたり1日約50件を入力することになり、入力漏れや誤記が起こるリスクが高まります。
従来はExcelやスプレッドシートなどを用いて一括入力していたため、移行後に「個別入力による手間とミスの増加」を実感する現場も少なくありません。
RPAと kintone (キントーン)アプリを連携させれば、日々の業務におけるさまざまな作業を自動化できます。 kintone に登録されたデータをもとに帳票を作成したり、他システムへのデータ転記を行ったりと、人手に頼っていた作業をロボットが代行し、作業効率の向上が目指せるでしょう。
本章では、RPAと kintone 連携で自動化できる具体的な業務や、その活用メリットについてわかりやすく解説します。
kintone は業務アプリを柔軟に構築できるプラットフォームですが、他システムとのデータ連携は手作業での入力が課題となります。
会計ソフトから月次売上データを kintone の管理アプリに転記する作業や、CRMに登録された顧客情報を kintone の営業管理アプリに二重登録する業務は、時間と労力が必要です。
RPAを導入することで、これらの作業の自動化が可能です。Excelでまとめた受注データを定期的に読み込み、RPAが kintone にログインして、各フィールドに自動入力する仕組みも構築できるでしょう。データの整合性が保たれるだけでなく、入力ミスの防止にもつながり、現場の業務効率が大幅に向上します。
日々の業務で発生する管理表やリストへの転記作業は、手作業だと時間がかかるうえに、転記ミスのリスクもつきものです。営業日報や問い合わせ対応履歴、受発注データなどをExcelや紙で管理している場合、同じ情報を kintone のアプリに再入力する必要があり、業務の非効率さが課題になります。
こうした場面でRPAを活用すれば、Excelやメールに記載された情報を自動で抽出し、 kintone の対応するフィールドへ正確に転記可能です。定型的なフォーマットであれば、ボタン一つで数十件単位のデータも一括登録ができ、作業時間の大幅な短縮につながります。
入力の手間がなくなり、情報の一元化や共有もスムーズになるため、業務全体の効率化と品質向上が実現できるでしょう。
RPAと kintone を連携させることで、顧客情報の「新規登録」や「更新作業」を自動化できます。営業担当が受け取った顧客情報(Excelファイルやメール添付のCSVなど)をもとに、RPAが kintone アプリへ自動で新規登録を行うことが可能です。
また、CRMや基幹システムに登録された顧客情報の変更点を定期的に取得し、 kintone 上の既存データを更新するプロセスも自動化できます。これにより、入力ミスや登録漏れのリスクが大幅に減り、顧客管理の精度と業務効率が向上できるでしょう。手動作業に頼っていた管理業務が省力化され、現場の負担も軽減されます。
kintone に蓄積されたデータを活用すれば、見積書や請求書、報告書といった各種書類の作成業務も自動化が可能です。 kintone のアプリに登録された案件情報や顧客情報、金額データをもとに、RPAが定型フォーマットのExcelやPDFに自動で反映し、書類を出力します。
これにより、手作業での転記ミスや作成時間の削減が図れ、業務の正確性と効率が大幅に向上できるでしょう。また、出力された書類は指定フォルダへの保存やメール送信も自動化でき、さらなる業務の省力化が実現できます。帳票作成が多い部門では、RPAと kintone の連携が強力な業務改善ツールとなるでしょう。
受注から請求・通知までの一連の業務フローの自動化もRPAと kintone の連携で実現可能です。 kintone で受注データが登録されると、RPAがその情報をもとに請求書を自動作成し、所定のフォルダに保存するなど、業務効率化を図ることが可能です。
その後、取引先への送付メールを自動で作成するなど、各工程をシームレスに連携できます。さらに、社内関係者への通知も自動で行えるため、人的ミスの防止や確認作業の削減にもつながるでしょう。
このように、複数のステップをまたぐ業務全体を自動化すれば、処理速度と正確性が飛躍的に向上します。
RPAと kintone を連携させると、業務効率化や人的ミスの削減など、多くのメリットが期待できます。
本章では、RPAと kintone の連携がもたらす具体的なメリットを3つのポイントに分けて解説します。
RPAと kintone を連携させれば、各種データの収集や集計作業を自動化でき、これまで担当者が手作業で行っていた業務負荷を大幅に軽減できます。複数のシステムやメール、Excelから情報を抽出し、 kintone に自動で登録・更新するようにすれば、転記ミスや確認漏れを防げるうえ、リアルタイムにデータを集約することが可能です。
さらに、RPAを活用して kintone 上の一つのアプリにデータを集約することで、グラフやチャートですぐに可視化できるため、業務状況や傾向をひと目で把握できます。報告書作成や会議資料の作成時間も短縮でき、判断のスピードと質を同時に高められる点が大きなメリットです。
紙ベースや手入力によるアナログ作業が多い現場では、ミスや作業時間のムダが積み重なり、従業員の負担が大きくなりがちです。RPAと kintone を活用すれば、こうした手作業を大幅に削減し、定型業務の自動化を実現できます。
入力業務・転記作業・帳票出力などの繰り返し作業を自動化すれば、人の手を介さず正確かつスピーディに処理できるでしょう。その結果、従業員はより価値の高い業務や意思決定に集中できるようになり、業務全体の効率化と生産性の向上につながります。
顧客情報管理やファイル管理など、紙やExcelで行っていた業務は、 kintone を使えば簡単にアプリ化できます。ExcelやCSVファイルは読み込むだけで kintone 化でき、すぐに使えるテンプレートも100種類以上あるので、専門的な知識がなくても気軽に利用可能です。
ただし、「どのようなデータを管理するか」といった最低限の要件定義をしないまま、本当に業務で使えるアプリを作るのは難しいでしょう。便利なテンプレートやExcel読み込み機能を最大限に活かすためにも、まずはこの簡単な業務整理から始めることが成功の鍵です。
準備が整えば、アプリ作成のプロセスも非常にシンプルです。ドラッグ&ドロップで直感的に業務アプリを作れるため、従来はRPAの開発が難しかったアナログ業務もシステム化して整理できます。
さらに、アプリ作成後も項目の変更や追加が容易で、システムの専門知識がなくても現場主導で改善が可能です。RPA開発をスムーズに行うポイントは、変化の影響を受けにくいシンプルな指示設計にあります。
kintone で業務をシステム化すれば、ロボットに与える指示が単純化され、RPA開発の工数を大幅に削減できます。「どこ」を指定する際も、ファイル名やフォルダ構成ではなくURLで一発指定できるため、ファイル名変更や保存場所移動によるロボット停止リスクを回避できるのが特徴です。
これにより、「同時作業ができない」「ファイルが重くて作業が遅い」といったExcel特有の課題も解消します。Excelから kintone に移行したうえで、RPAを組み合わせれば、入力や転記といった単純作業を自動化でき、RPAの開発も運用も格段に楽になるでしょう。
RPAと kintone を連携させれば、さまざまなメリットが得られます。しかし、どのように連携させれば良いのかわからない人も多いでしょう。
本章では、RPAと kintone を連携させる方法について解説しますので、参考にしてください。
kintone とRPAを連携させる際には、 kintone が提供するREST APIを活用する方法が最も一般的で、かつ安定性の高い手法です。RPAロボットが kintone APIを通じて、アプリ内のデータを取得・更新・削除できるようになれば、人の手を介さずにデータ処理を自動化できます。
受注データを kintone に登録し、それをRPAがAPI経由で取得して請求書を発行するなどの処理が可能です。画面操作によるRPA連携も可能ですが、画面レイアウトの変更や読み込み速度の影響を受けやすく、運用面で不安定になるケースもあります。
その点、API連携は構造が明確で、処理の成功可否をレスポンスで制御できるため、保守性や信頼性に優れているのが特徴です。
また、プログラミングに詳しくなくても、 kintone とRPAを簡単に連携できるプラグイン型のサービスも登場しています。これらは設定画面からAPI設定やデータマッピングが行えるため、エンジニア以外の方でも扱いやすくなっています。
さらに、外部のデータ連携ツールを活用する方法も連携手法のひとつです。これらのツールはGUIベースでRPAと kintone を仲介し、複雑な処理でもノーコードで対応できるのが魅力です。
たとえば、連携したいシステムが複数ある場合や、ノーコードで安定した連携を実現させたい、また、大量のデータを扱う場合など、
外部のデータ連携ツールを活用したほうが有効なケースもあります。
このように、API連携を中心に考えることで、 kintone とRPAの連携はより効率的で再現性の高い業務自動化を実現できます。
\たった5分で!RPA成功のヒントがわかる/ RPA導入を成功に導く具体策がここに!実際に取り組むべき5つのポイントを詳しく解説。 これを読むだけで、成功のヒントが手に入ります! |
kintone と連携させるRPAを選ぶ場合、どんなことに着目すれば良いのでしょうか。自社の効率化を図るためにも、サービス内容をしっかり把握したうえで選ぶことが大切です。
本章では、 kintone と連携させるRPAを選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。
RPAには「デスクトップ型」「サーバ型」「クラウド型」の3つの主な種類があり、それぞれに特徴と適した活用シーンがあります。デスクトップ型は個別PC上で動作しやすく比較的すぐに導入しやすい一方で、サーバ型やクラウド型は複数の業務を一括で管理・実行できるため、業務量が多い企業や全社展開を視野に入れる場合に向いているでしょう。
kintone とRPAを連携させて自動化を図る際には、どのRPAの種類が自社の業務と親和性が高いかを見極めることが重要です。
kintone 上のデータを定期的に外部システムへ転記するなどの作業は、クラウド型のRPAで安定運用できる可能性が高いです。
ローカル環境でのファイル操作が多い業務であればデスクトップ型の方が適している場合もあります。
自動化したい業務の内容とRPAの特性を照らし合わせ、最適な種類を選定しましょう。
RPA導入を検討する際は、無料トライアルが利用できるかどうかを必ず確認しましょう。無料トライアルを活用することで、実際に kintone との連携がスムーズにできるか、操作性や機能が自社の業務に合っているかを事前に試せます。
連携の安定性やAPI対応状況、UIの使いやすさは導入後の運用に大きく影響するため、トライアル期間中にしっかりと検証することが重要です。これにより、導入後のトラブルやミスマッチを防ぎ、最適なRPAツール選定につなげられます。
無料トライアルは、リスクを抑えて効果的な自動化を実現するための大切なステップです。
RPAツールを導入・運用する際は、ベンダーが提供するサポート体制や教育プログラムの有無を事前に確認することが非常に重要です。導入直後は設定や操作に戸惑うことも多いため、充実したサポートが受けられるかどうかがスムーズな運用開始に直結します。
また、RPAは継続的なメンテナンスや運用改善も求められるため、操作方法やトラブル対応を学べる教育プログラムがあると担当者のスキル向上につながるでしょう。これにより、現場での自走力が高まり、長期的に安定した業務自動化が実現しやすくなります。安心して導入を進めるために、サポート体制の充実度は選定の大きな判断基準となるでしょう。
RPAツールを選ぶ際は、自社での導入や運用が無理なく進められるかどうかを事前に確認することが重要です。導入難易度が高いツールは設定やカスタマイズに専門知識が必要で、外部ベンダーへの依存度が高くなります。
また、運用には定期的なメンテナンスやトラブル対応のリソースも必要となるため、社内に適切な担当者や体制が整っているかも確認しましょう。内製化のしやすさ、つまり社内スタッフが自らロボットを作成・修正できるかどうかは、長期的なコスト削減と迅速な対応に大きく影響します。こうしたポイントを踏まえ、自社のITリテラシーや体制に合ったRPAツールを選定することが成功の鍵です。
kintone と連携できるRPAツールはいくつかあります。しかし、それぞれどのような特徴を持っているのか理解しておかないと、選ぶときに困ってしまう人も多いでしょう。
本章では、各RPAツールの特徴、 kintone との連携における強み、どのような企業や用途に適しているかをご紹介していきます。
WinActorは国産のRPAツールであり、Windowsアプリケーション操作の自動化に強みを持っています。直感的な操作画面と豊富なシナリオ作成機能により、プログラミングの知識がなくても業務の自動化が可能です。 kintone との連携では、画面操作をベースにした安定したロボットの作成ができ、特に既存の業務システムやWindows環境に密着した業務フローの自動化に適しています。
WinActorは、社内にIT専門家が少なくても使いやすい設計で、製造業や金融業、官公庁など多くの業種で導入されています。日々のデータ転記や帳票作成、システム間のデータ連携など、Windowsアプリケーションを中心とした定型業務の効率化に最適なツールです。 kintone と組み合わせることで、画面操作の自動化による現場業務の負担軽減が期待できます。
Microsoftが提供するPower Automateには、クラウド版(Power Automate)とデスクトップ版(Power Automate for desktop)がありますが、RPAツールとしての業務自動化に用いられるのはPower Automate for desktopになります。
Power Automate for desktopは、Microsoftが提供する業務自動化プラットフォームで、Windows環境との高い親和性が特徴です。
ドラッグ&ドロップの直感的な操作画面により、プログラミング知識がなくても業務プロセスの自動化が実現できます。また、Microsoft 365製品やTeams、Outlookなどとの連携もスムーズに行え、Officeユーザーにとって使いやすい設計となっているのが魅力です。
kintone との連携では、Power Automateのクラウドフローを利用してAPI経由でデータの取得や更新を行うことができ、 kintone 上のデータをトリガーにした自動処理や他システムとの統合が容易に実現します。特にMicrosoft製品を中心に業務環境を構築している企業では、既存のIT資産を活かしつつ効率的に業務自動化を進められる点が強みです。
このため、Power Automateは、Microsoft環境が整った中規模から大規模企業や、Office製品を日常的に利用している部門の定型業務自動化に適しています。複雑な業務フローの統合やクラウドサービスとの連携を重視する場合にも有効なツールです。
kintone とPower Automateを連携させるために、まずPower Automateクラウド版の「 kintone コネクタ」を契約する必要があります。
Windows11搭載等の無償版では利用できない機能が多いため、事前に契約内容を確認しておきましょう。
Power Automate for desktopを使うと、画面操作を記録することで kintone の操作を自動化することが可能です。
しかし、長期的に安定した運用を目指す場合は、API連携のほうがおすすめです。ただし、API連携を一から行う場合は、専門的な知識を持っていないと導入は難しいケースがあります。
さらに、外部のデータ連携ツールを併用する方法も連携方法のひとつです。これらのツールを活用すれば、Power Automate for desktop単独では難しい大量データの処理や他システムとの連携も効率的に行えます。
たとえば、外部ツールを介して kintone から必要なデータを取得・変換し、そのデータをPower Automate for desktopでExcelやオンプレシステムに入力するといったフローを構築することも可能です。
BizRobo!は、オープン株式会社が提供しているRPAツールで、国内では多くの自治体や大手企業で導入実績を持つ信頼性の高いソリューションです。バックオフィス業務や大量のデータ処理を得意としており、ノンプログラミングでもロボットの構築が可能なため、現場主導での業務改善が実現しやすい点が大きな特徴となっています。
kintone と基幹システムやSaaSをBizRobo!で連携させれば、データの二重入力や転記作業をなくし、業務の流れをシームレスにつなげられます。
これにより、見積書作成や受発注処理、勤怠管理といった定型業務を自動化するだけでなく、システム間の情報がリアルタイムに同期されるため、入力ミスや情報のズレも防止可能です。分断されがちな複数システムを橋渡しできる点こそが、BizRobo!を活用した kintone 連携の大きな強みといえるでしょう。
このような特徴から、BizRobo!は業務量が多く、正確性が求められる業務を抱える企業に適しており、地方自治体、金融機関、製造業など、ルールベースの処理が多い業界での活用が進んでいます。 kintone との連携によって、情報の一元管理と自動化を組み合わせた業務プロセスの最適化が図れるため、日常業務に追われてリソースが不足している現場でも効果を発揮してくれるでしょう。
AUTORO(オートロ)は、クラウド型のRPAツールであり、非エンジニアでも扱いやすい操作性が特長です。従来のRPAツールでは専用ソフトのインストールや複雑なフロー設計が必要でしたが、AUTOROはブラウザベースで作業でき、直感的なUIを備えているため、業務部門の担当者でも導入・運用がしやすい点が大きな魅力となっています。また、API連携やデータ処理にも強みを持っており、 kintone とのスムーズな連携も実現可能です。
AUTOROは、スプレッドシートやExcel/CSVと kintone をはじめ、多様なシステムと柔軟に連携できるのが大きな強みといえるでしょう。単なるデータ連携にとどまらず、「取り込み → 加工 → 指定先への格納」といった複雑なフローまで自動化でき、複数のシステムをまたいだ処理も一括で実行可能です。
さらに、 kintone との双方向連携によって、データを常に最新かつ正確に保つことができ、業務全体のスピードと精度を向上させます。操作も直感的で、ボタンひとつで実行できるほか、スケジュール実行やWebhook連携など多彩なトリガーに対応。現場の業務プロセスに合わせて、柔軟かつ効率的に自動化を実現できる点がAUTOROの強みです。
AUTOROは特に、バックオフィス業務の自動化を目指す中小企業や、DX推進を担う情報システム部門のない企業に向いているでしょう。導入から運用までを一貫してサポートする体制が整っており、RPAの知見が少ない企業でも安心して活用できます。
Coopel(クーペル)は、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が提供するクラウド型RPAツールで、直感的な操作性と手軽さを兼ね備えた設計が特徴です。従来のRPAツールに見られる専門的な知識や複雑な設定を極力排除しており、プログラミングの知識がなくても誰でも自動化シナリオを作成・運用しやすいのが大きな強みとなっています。
また、クラウドベースのためインストール作業が不要で、場所を選ばずに利用でき、PCに依存しない柔軟な運用が可能です。
Coopelは、 kintone と他のクラウドサービス間の情報連携を自動化できる点が大きな強みといえるでしょう。連携頻度は毎分単位まで設定できるため、リアルタイムに近いデータ同期や、部門ごとに異なる業務リズムに合わせた柔軟な運用が可能です。
人事・経理・総務といった部門では、毎日決まった時間に発生する定型業務や、月初に集中する繰り返し作業を自動化し、大幅な効率化を実現しています。きめ細かな連携設定と豊富な活用実績により、現場に負担をかけずに確実な業務改善を進められるのがCoopelの強みです。
また、月額制で低コストから始められる点も魅力で、コストを抑えつつ業務効率化を図りたい企業にとって適した選択肢です。日常的な帳票処理やデータ転記作業の自動化、定型的な kintone とのデータ連携業務など、幅広い用途に対応できます。
UiPathは、世界的に高い評価を受けているRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールであり、幅広い業務自動化ニーズに応える柔軟性と拡張性を兼ね備えています。ユーザーフレンドリーなドラッグ&ドロップの開発環境を持ち、プログラミングの専門知識がなくても直感的にロボットを作成可能です。
高度なAIや機械学習技術との連携もサポートしているため、単純な定型作業から複雑な業務プロセスまで幅広く対応できます。
UiPathは、 kintone 上の定型業務だけでなく、社内システムとのAPI連携によって複数システムをまたぐ業務まで自動化できるのが強みです。これにより、データの二重入力や転記といった非効率を解消し、業務プロセス全体をスムーズにつなげられます。
さらに、両ツールはローコード開発に対応しているため、現場主導でスピーディにアプリやロボットを構築・改善できるのが特徴です。アジャイルに開発を進めながら継続的に改善できる点が、企業全体のDXを加速させる大きな原動力となります。
このような特徴から、UiPathは大規模な業務自動化を目指す企業や、多様なシステムが混在する複雑な環境での業務効率化を必要とする組織に適しています。経理や人事、営業支援、カスタマーサービスなど複数部門の業務を横断的に自動化したい場合に特に力を発揮し、企業のDX推進や生産性向上の重要なツールとして活用できるでしょう。
問題がなければ本格的に運用を開始します。運用状況を見ながら改善点があれば随時対応していきましょう。
RPAと kintone の連携導入にあたっては、まずセキュリティ対策が非常に重要です。業務データを取り扱うため、不正アクセスや情報漏えいを防ぐ仕組みをしっかり整える必要があります。
具体的には、誰がどのデータや機能にアクセスできるか権限を適切に設定することに加え、設定やデータが勝手に書き換えられない仕組みを整えることも大切です。また、システムが止まらないよう、定期的なメンテナンスやデータバックアップの取得も重要で、安心して運用を続けるためにはこれらの対策が欠かせません。
次に従業員トレーニングも欠かせません。RPAや kintone の操作は初めての人にとっては戸惑いがあるため、現場の担当者が新しいシステムやロボットの使い方を十分に理解し、実際の業務で使いこなせるように教育やマニュアルの準備が必要です。また、運用中に疑問やトラブルが発生した際にすぐ相談できる体制を整えておくことで、スムーズな運用と早期解決が期待できます。
さらに、導入後の継続的な改善も重要なポイントです。業務内容や環境は変わることが多いため、
一度作成したロボットも定期的に見直し、必要に応じて修正やアップデートを行うことが求められます。
本記事では以下の内容についてご紹介しました。
・kintone はノーコード・ローコード型のクラウドサービスで簡単に導入できる
・RPAと kintone を連携させれば業務効率化・人的ミスの削減につながる
・kintone と連携可能なRPAツールを選ぶときは導入フローを押さえておく
kintone アプリとRPAの連携による自動化は、業務の効率化とデータ活用の最大化に大きく貢献します。API連携や画面操作の自動化を活用すれば、手入力のミスや時間的な負担を削減し、正確でスピーディな業務遂行が可能です。
導入は目標設定から現状分析、ツール選定、開発・テストを経て本番運用へと段階的に進めることをおすすめします。また、セキュリティや従業員教育、継続的な改善にも注力すれば、安定した運用と長期的な効果を実現できるでしょう。
適切なRPAツールを選び、 kintone と連携させることで、ビジネスの生産性向上や競争力強化につながります。今こそ、自社の業務自動化を一歩進め、効率的なデータ活用で未来の成長をつかみ取りましょう。
ヒューマンリソシアでは、RPAツールでの自動化だけではなく、RPA(WinActor)と他ツールを連携したトータルでの業務効率化の支援も可能です。RPAツールと自社で使用しているツールとの連携でより効率化を進めたいとお考えの方は、是非一度ご相談ください。
\たった5分で!RPA成功のヒントがわかる/ RPA導入を成功に導く具体策がここに!実際に取り組むべき5つのポイントを詳しく解説。 これを読むだけで、成功のヒントが手に入ります! |
【よくあるご質問】
Q. RPAと kintone を連携させるメリットは何ですか?
A: RPAと kintone を連携させると、業務効率化や人的ミスの削減など、多くのメリットが期待できます。 A: 各種データの収集や集計作業を自動化でき、これまで担当者が手作業で行っていた業務負荷を大幅に軽減できます。
Q. RPAと kintone を連携させると、具体的にどのような業務を自動化できますか?
A: kintone に登録されたデータをもとに帳票を作成したり、他システムへのデータ転記を行ったりと、人手に頼っていた作業をロボットが代行し、作業効率の向上が目指せるでしょう。
A: 顧客情報の「新規登録」や「更新作業」を自動化できます。
Q. RPAと kintone は、どのように連携させるのが一般的ですか?
A: kintone とRPAを連携させる際には、 kintone が提供するREST APIを活用する方法が最も一般的で、かつ安定性の高い手法です。
本コラム内容について
各コラムの内容は、執筆時点での情報を元にしています。
製品バージョンアップなどにより、最新ではない場合がありますので、最新の情報は、各社の公式Webサイトなどを参考にすることをおすすめいたします。
各コラムの内容は、利用することによって生じたあらゆる不利益または損害に対して、
弊社では一切責任を負いかねます。
一つの参考としていただき、利用いただく際は、各社のルール・状況等に則りご活用いただけますと幸いです。
※WinActor® は、NTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
※ kintone、キントーン、サイボウズ は、サイボウズ株式会社の登録商標です。
※AUTORO は、オートロ株式会社の登録商標です。
※UiPath® は、UiPath社の米国およびその他の国における商標です。
※BizRobo! は、オープン株式会社の登録商標です。
※Microsoft、Power Automate、Microsoft Power Automate for desktop、Excel は、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※Coopel は株式会社Coopelの登録商標です。