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WinActorのエラー対策|Chromeが起動しない時の対処法

作成者: ヒューマンリソシア編集チーム|Apr 15, 2025 5:51:40 AM

                                                                                                                                                                                          2025.04.15‐


WinActorのシナリオで、Google Chromeのブラウザ操作を自動化しようとした際に、『ブラウザの起動に失敗しました』というエラーの発生に悩まされていませんか?
WinActorでGoogle Chromeが起動しない場合のエラーの主な原因は、ブラウザとWebDriverのバージョンが異なる場合です。
この記事では、「ブラウザ起動」のライブラリを使用したシナリオを作成したい方に向け、
Google Chromeが起動しないエラーの原因と解決方法について詳しく解説します。

 

目次

 

 

WinActorでブラウザが起動しない!「ブラウザの起動に失敗しました」というエラーの原因

本章では、WinActorのシナリオで、ブラウザが起動できないエラーの原因について解説します。
ブラウザが起動できないエラーには、主にWebDriverが影響しています。

WebDriverとは、Webブラウザを自動的に制御・操作するためのファイルのことです。
Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edgeなどの複数のブラウザで開発・公開されており、対象のブラウザを制御することができます。

WebDriverがエラーにどのように影響しているかを確認していきましょう。

 

主な原因はブラウザとWebDriverのバージョン

 WinActorでWebブラウザが起動できない主な原因は、使用しているWebブラウザとWebDriverのバージョンが一致していないことです。

WinActorは、Webブラウザを操作するためにWebDriverを使用しており、WinActorのインストールフォルダにもWebDriverが含まれています。
しかし、Webブラウザのバージョンが更新された際は、新しいバージョンに対応したWebDriverでないと、正常に動作しない場合があります。

 

 

Google Chromeが起動しない場合の対処方法

それでは、WinActorのシナリオで、Google Chromeが起動しない場合の対処方法について
具体的に確認していきましょう。
主な原因は、前章でも不一致とお伝えしましたが、WebブラウザとWebDriverのバージョンが影響しています。


厳密にはバージョンが完全に一致する必要はありません。ブラウザのアップデート頻度よりもWebDriverの更新頻度が低いことがあり、完全に一致させることができないケースもあります。

Microsoft Edgeの場合にはバージョンのドット区切りの3ブロック目の数字までが一致していれば問題なく、Google Chromeの場合は、Ver7.3以降はドット区切りの数字の最初のバージョンが一致していれば問題ありません。
なるべく近いバージョンを使用できるよう試みていきます。

 

Google ChromeのバージョンにあったWebDriverをインストールする

 まずは、現在使用しているGoogle ChromeとWinActorのWebDriverのバージョンを確認します。
その後、WebサイトからGoogle ChromeのWebDriverをインストールして更新します。

一部のバージョンにおけるエラーとその対処方法

WinActor Ver.6.3.1以前、および、Ver.7.1以前では、Chromeブラウザにて「ブラウザ起動」ライブラリを実行すると特定の条件下でエラーが発生する場合があるため、Ver6.3.2とVer7.2へのアップデートを推奨いたします。
また、一部のバージョンで発生するエラーの対処方法についてはWinActorの開発元である、NTTアドバンステクノロジ株式会社の公式サイトを確認してください。

WinActor よくあるご質問

 

Webdriverの更新方法

 Webdriverの更新方法は大きく分けて、手動更新と自動更新の2種類があります。
いずれもWinActorの「更新を確認」メニューを使用します。
「更新を確認」メニューは、WinActorがWebサイトにアクセスし、WinActor自体やWebDriverに更新があるかを確認することができる機能です。この際、WinActorがバックグラウンドでサイトにアクセスするため、ユーザーが自分でブラウザにアクセスする必要はありません。

・手動更新
手動で同じバージョンのGoogle ChromeのWebDriverをダウンロードし、更新を行う方法です。

・自動更新
WinActorの自動更新機能を用いて更新を行う方法です。この方法により、手間をかけずに最新バージョンに保つことができます。
WinActor Ver.7.3.0以降で使用できる機能です。

本章では、手動更新と自動更新の具体的な操作方法を確認していきます。

手動更新

手動更新の操作方法は以下です。

1.WinActorを起動し、ヘルプ>更新を確認をクリック

更新を確認した結果は、ステータスバー右下のベルのアイコンに表示されます。
ベルのアイコンが黒くなった場合は更新情報があるということです。

2.ベルのアイコンをクリックすると、以下のようにブラウザに関する更新情報が表示されます。
左端の雲形のアイコンをクリックすることで、WebDriverの手動更新を開始することができます。



3.完了時は、雲形アイコンはファイルのアイコンに変化します。

なお、自動更新も同様ですが、更新時にはプロキシ設定や通信状況により、更新が途中で失敗する場合もあります。

更新情報の確認・取得はインターネットへの接続を伴いますので、まずは通信状況が安定しているかを確認しましょう。

また、プロキシサーバを経由して外部通信を行っている場合は、WinActor上でプロキシサーバ設定の実施が必要となります。

ツール>オプション>プロキシサーバタブより、自社の環境に合わせて事前に設定を行うことをおすすめします。

なお、WinActorの自動更新と手動更新のどちらが推奨されるかは、ユーザーの環境やニーズによって異なります。

手動更新は、更新を都度行うという手間はありますが、更新内容と既存のシナリオへの影響を評価後に、任意のタイミングで行えるというメリットがあります。
一方、自動更新は手間なく、常に最新バージョンにアップデートできるという点にメリットがあります。
自社の環境に合わせてどちらを使用するかは検討しましょう。

 

自動更新

自動更新を使用するには、事前に設定を行っておく必要があります。設定は以下の手順で行います。
  1. WinActorを起動し、ツール>オプション>更新タブをクリック



  2. 「起動時にバックグラウンドで更新を確認する」にチェックを入れておくと、
    以下を、WinActor起動時および、「ヘルプ」>「更新を確認」をクリックした際に自動で実行されます。
    ・新着の更新情報の確認
    ・新着の更新情報の取得

また、WebDriverの項目を「自動更新」に設定しておくことで、更新がある場合、
自動でWebDriverが更新されます。

<補足>
なお、ネットワークに接続していない場合やセキュリティソフトなどの原因で、「更新を確認」の利用による更新ができない場合は、以下の方法でもWebDriverのバージョン情報を確認し、手動で更新することができます。

1.WinActorを起動し、ヘルプ>「バージョン」より、ブラウザのバージョンを確認します。

各ブラウザの記載のすぐ後に記載の数字(赤線部分)がブラウザのバージョンです。
そのあとの()内の数字がWebDriverのバージョンとなります。

または、Google Chromeの設定画面からもバージョン確認を行うことができます。

Google Chromeを起動し、下記URLをGoogle Chromeのアドレスバーに貼り付けて、「Chromeについて」画面を表示します。画面上部にバージョン情報が記載されています。

chrome://settings/help

 

2.Google ChromeのWebDriverダウンロードページから、WebDriverをダウンロードします。
※ダウンロードページURLは提供元により変更されている場合もあります。

・Chromeのバージョンが114以前の場合は、同じバージョン表記のリンクをクリックします。

・Google Chromeのバージョンが115以降の場合

ページ上部の「the Chrome for Testing availability dashboard」のリンクをクリックします。

次に画面遷移後の
Stableの一覧表で「chromedriver win32」のURLをコピーし、ブラウザのアドレスバーに貼り付けるなどして該当ページにアクセスし、WebDriverをダウンロードします。

3.ダウンロードしたファイルを解凍し、WebDriverを、下記の格納先に保存し、完了となります。
  格納先:ドキュメント¥WinActor¥webdriver

 

 

WinActorでMicrosoft Edgeが起動しない場合の対処方法

Microsoft Edgeが起動しない場合の主な原因も、Google Chromeと同様にWebDriverとのバージョン不一致が主な原因となります。

Google Chrome同様、手動更新と自動更新の方法を行うことで、バージョンが一致したWebDriverをインストールすることが可能です。

ただし、Microsoft EdgeのWebDriverに関しては、前項のようにWebDriverの項目を「自動更新」に設定しておいても、完全に自動更新はできない仕様となっています。

それでは、更新手順をご案内いたします。
Microsoft EdgeのWebDriverの更新情報を確認した後、ステータスバー右下のベルのアイコンをクリックします。
表示されているMicrosoft Edge WebDriverの更新に関する情報の左端の雲形のアイコンをクリック後、
使用許諾に承諾し、OKボタンをクリックしたのちに更新が開始されます。

 

 

まとめ

WinActorでGoogle Chromeが起動しない場合のエラーの主な原因と対処方法について、いかがでしたでしょうか。
本記事で紹介した手順を参考にしながら、エラーへの対処方法を身につけ、シナリオ作成に活用いただけますと幸いです。

 

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本コラム内容について
各コラムの内容は、執筆時点での情報を元にしています。
製品バージョンアップなどにより、最新ではない場合がありますので、最新の情報は、NTTアドバンステクノロジ株式会社株式会社NTTデータの公式WinActorウェブサイトなどを参考にすることをおすすめいたします。
各コラムの内容は、利用することによって生じたあらゆる不利益または損害に対して、
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一つの参考としていただき、利用いただく際は、各社のルール・状況等に則りご活用いただけますと
幸いです。


※「WinActor®」は、NTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
※「Google Chrome」は、Google LLC の商標または登録商標です。
※「Mozilla Firefox」は、米国Mozilla Foundationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
※「Microsoft Edge」は、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における商標または登録商標です。

出典:NTTアドバンステクノロジ株式会社ブラウザ操作シナリオ作成マニュアル
  (WinActor_Browser_Operation_Scenario_Creation_Manual.pdf)
出典:NTTアドバンステクノロジ株式会社 WinActor操作マニュアル