WinActorの実行ログ出力は、シナリオでエラーが発生した際にも活用できます。
シナリオを作成・実行するうえで覚えておきたい機能のひとつです。
WinActorのログ出力は、シナリオの作成や運用の際に活用できる機能です。
シナリオが正常に動作しなかった場合、ログを確認することで、どのノードでエラーが生じたのか確認が可能です。
また、どの処理がどのように実行されたかを振り返ることで、操作手順の見直しや改善点の発見にもつながります。ログを常に管理する必要はありませんが、活用することで安定した運用を目指すことができます。
WinActorのログを出力する方法は、3つあります。
・手動でログを保存する方法
・自動でログを保存する方法
・ライブラリでログを保存する方法設定
本コラムでは、3つのログ出力方法を解説していきます。
ここでは、WinActorのログ出力画面を開き、手動で保存する方法をご紹介します。
突発的なエラーが発生した時やシナリオ作成中にログを確認したい場合は、手動で行うのが早いためおすすめです。
初期レイアウト表示の場合、画面の下に「ログ出力」がありますので、こちらをダブルクリックしてください。
「ログ出力」のタブが画面下にない場合
メイン画面左上の「表示」から「ログ出力」をクリックしてください。
ログ出力画面を開くと、このようになっています。
「保存ボタン」から表示されたログをテキストファイルとして保存することが可能です。
①ログ表示エリア |
時系列でシナリオ実行の結果が記録されています。 |
②保存ボタン |
ログの内容をテキストファイルに保存します。 |
③クリアボタン |
ログの内容をクリアします。 |
デフォルトの設定で、表示されるログは上限1,000行までとなっています。そのため、長時間動くシナリオの場合は、ログ出力の上限設定を変更しましょう。
WinActorのログ出力画面の開き方やログを手動で保存する方法をご紹介しましたが、シナリオの規模が大きくなったり、実行頻度が高くなると、手動でのログ管理は手間がかかります。
そこで、WinActorのログを自動で保存するオプション設定を活用しましょう。
そうすることで、常に最新のログを保持し、トラブル発生時の原因特定やシナリオの改善を迅速に行うことが可能になります。
まず、ログを自動で保存するための設定をしましょう。
「実行ログを常に出力する」にチェックを入れると、ログの出力設定(上記画像オレンジの箇所)が可能になります。必要に応じて設定を行っていきましょう。
ここでは、ログ分割方法を指定することができます。
ログを分割することで、ログファイルが巨大化するのを防ぎ、管理しやすくなります。
以下では、各分割方法の説明と活用例をご紹介します。
分割方法 | 説明 | 活用例 |
ログ分割しない |
全てのログが一つのファイルに連続して記録されます。このファイルは時間とともに大きくなります。 |
小規模なシナリオや開発、テスト段階で、ログの管理がそれほど重要でない場合に適しています。 |
日付で分割1 |
日付が変わるたびに新しいログファイルが生成されます。 |
毎日データを処理するバッチジョブなど日次で処理を行うシナリオに適しています。 |
日付で分割2 |
時間単位など「日付で分割1」よりも詳細な設定が可能です。 |
数時間ごとにログを分割したい場合など、日付以上の細かい単位でログを管理したい場合に適しています。 |
ファイルサイズで |
ログファイルが指定されたサイズに達すると、新しいログファイルが生成されます。 |
長時間実行されるシナリオで、ログが大量に生成される場合に適しています。(一つのファイルが大きくなりすぎるのを防ぎます) |
シナリオ実行毎に |
シナリオが実行されるたびに新しいログファイルが生成されます。各実行のログが個別のファイルに記録されます。 |
シナリオが頻繁に実行され、そのたびにログを個別に確認したい場合に適しています。 |
なお「ファイルサイズで分割」以外の方法は、ファイルサイズに制限がないため、注意しましょう。
「ファイルサイズで分割」を選択すると、分割間隔(ファイルサイズ)の指定が可能です。
指定したログファイルサイズごとに、ログを分割して保存できます。
指定できるログファイルのサイズは以下のとおりです。
ここでログファイルの出力先を指定します。
右側の「…」ボタンを押下して、ログ出力先を選択し、ログファイル名を設定します。
ログファイルの文字コードを指定できます。
「UTF-8」は世界的に最もポピュラーな文字コードです。
「MS932」は日本語の文字コードとしてWindowsで広く使用されています。
「UTF-8」で文字化けしてしまった場合は、「MS932」で試してみることをおすすめします。
ここでは、WinActorのライブラリを使用してログを出力する方法をご紹介します。
ライブラリを活用することで、任意のメッセージや取得した変数の値をログに記録することも可能です。
シナリオがどのように動作しているのか、特定のステップで何が起こっているのかを詳細に確認したい方は、ライブラリでログ出力を試してみてください。
WinActorのログ出力に関するライブラリを2つご紹介します。
ここでは、ExcelからExcelへデータを転記するシナリオで実際に試してみました。
「ログ出力(ファイル指定)」ライブラリは、実行したシナリオのログを指定したファイルに保存することが可能です。
シナリオの先頭に配置し、ログを保存するファイルを指定しましょう。
この場合、WinActorを起動してシナリオを読み込む前後のログは記録されず、実行してからのログのみ記録されます。
「ログ出力メッセージ」ライブラリは、任意のメッセージをログに記録できます。
ライブラリを配置後、「出力メッセージ」でログに記録したいメッセージを入力しましょう。
今回は「★★テスト★★」と入力してみました。
シナリオ実行後にログを確認すると、きちんと表示されていました。
「ログ出力メッセージ」ライブラリを活用することで、ログ出力に変数の値も記録することも可能です。
出力メッセージで変数を選択しましょう。
ここでは、A店売上金額の変数を設定しました。
Excelで読み取った値がログに表示されていました。
変数の値をログに記録することで、シナリオ実行中に何が起こっているのかを詳しく把握でき、エラー原因の特定やシナリオの修正を効率的に行うことができます。
本コラムでは、WinActorのログ出力についてご紹介しました。
WinActorのログを確認することで、シナリオのトラブルシューティングや最適化にも役立ちます。
シナリオを作成する上で覚えておきたい機能のひとつです。ぜひ、活用してみてください。
本コラム内容について
各コラムの内容は、執筆時点での情報を元にしています。
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