シナリオ作成のワーキンググループ


――WinActorの展開で工夫している点を教えてください。

荒川氏 私の所属している営業企画課では、営業情報収集に関するシナリオ作成を進めてきました。一方で全社
展開となった時に、大きく2つ課題があると思いました。1つは、各実務者が、日常業務の中でシナリオ作成の時
間を確保できないという点、もう1つはシナリオを作っていて分からなくなった時に、すぐに聞ける人がいないと
いう点です。

そういったことも踏まえて、今年は各実務者の作りたいシナリオを挙げてもらい、同じようなシナリオをグループ
分け、少人数で月1回を目途に、それぞれのグループでワーキングを開催しました。ワーキングの時間はシナリオ作
成に専念して、分からなければすぐに教えてもらうことができます。また、これまで我々の作ったシナリオのパーツ
をテンプレートとしてストックしたものがありますので、それを使いながらシナリオを作成していきました。
さらに、そのワーキングで作ったシナリオもテンプレートとしてストックし、社内の共有スペースに置いています。
そうすることで、他のシナリオを作るときにも、参照しながら作成ができると思います。

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RPA自動化により年間2,000分の削減へ


――WinActorの活用で、現在はどのような結果が出たと考えられていますか。

荒川氏 大きく3点あげられると思います。
1点目は、人の作業によるケアレスミスが無くなったということ。2点目は、単調な作業の繰り返しは気が滅入る
ものですが、そういった精神的な負担が低減されたということ、3点目は、時間外や夜間でもRPAは動いてくれる
ので、人が夜中に会社に残って対応する必要がないというところが、成果として出ていると思います。

――どのような業務を自動化されましたか。

荒川氏 これは営業企画課で実施したものになりますが、WEBから国土交通省の中長期発注見通しデータを出力
し、Excelシートに入力、社内サーバーに保存し、作業が完了したら担当者にメールをするという業務です。作業
頻度は毎月1回、1件あたり3分ですが、年間1,000件以上あるため、合計作業時間としては3,000分かかっていまし
た。それがRPA自動化によって作業時間が1件あたり約1分になり、年間2,000分の削減ができております。

――佐々木様・荒川様がお考えになるWinActor活用のコツを教えてください。

荒川氏 まず1点目が、過去に作成をしたシナリオの活用です。シナリオが、どういう動きをするか確認し、同じ
動きをするものは過去のシナリオを活用することで、シナリオ作成そのものの効率化が図れると考えています。

佐々木氏 続いて、私の方からは活用のコツというよりは、作り方のコツになるかもしれませんが、WinActorは、
人がやっていることと同じことをさせることができますが、思っていたようにうまく動かないこともあると思いま
す。ですが、ロボットが動いて、最終的に成果が出るのであれば、元の自分の作業方法にこだわらずに、色々な方
法を試してシナリオを作成すると、上手く動かせるのではないかなと思います。

 

他部門への展開


――WinActorの活用を今後どのようにお考えですか。

佐々木氏 私たち営業部門では、ワーキングループで自ら進めてやってきましたが、その中で、やっぱり事務作業は
繰り返し業務もあり、ロボットに任せやすい部分が多く、総務部門などでも使ってみたいという声が結構上がってい
ます。そういった他部門への展開を今後はやっていきたいと思います。あとは、最初に会社概要でご説明したように
弊社は事務処理ではなく、技術的なことがメインですので、事務部門の方でやってきたことを、技術部門にも展開で
きると、非常に会社としてパフォーマンスが上がるのではないかと考えています。

――今後の活用について、WinActor自体に期待することとヒューマンリソシアに期待することについて教えてください。

佐々木氏 WinActorに関して期待していることは、Ver.6からVer.7になって実行速度が早くなり、インターフェース
も見やすく、使いやすくなったと感じていますので、今後も機能改善を期待したいです。特に、自動記録の機能も
時間間隔を記録しながら動かせるようになったので、今後はもっと活用できるようにしたいなと思います。利用者が
利用しやすいように機能改善をして、利用することへのハードルが更に下がると嬉しいなと思います。

ヒューマンリソシアさんに期待していることは、私もWinActorの情報をなかなかキャッチアップしきれず、知らない
間にバージョンアップされて「あ、こんな機能もあったのか」と気付くこともあったので、そういった情報はどんど
ん発信をしていただけると、私も社内展開しやすいかなと思うので、是非、宜しくお願いいたします。

――最後にRPAの導入をお考えの企業に対して、メッセージをお願いします。

荒川氏 RPAを活用することで、自分がこれまで業務でかかっていた時間が短くなったり、ミスが減ったり、そういう
意味では本当に活用できて、簡単に作り始めることができると思いますので、是非、色々な会社の方に使ってもらえた
らと思います。

佐々木氏 ハードルが高いようで実は低いと思うので、「まずは、やってみよう」の精神が大事だと思います。とりあ
えず小さいことからやってみて、使っている内に面白いと感じることもあると思うので、興味があるなという人は是非
、使ってみていただけたらと思います。

 

※2021年11月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。
※「WinActor」は、NTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。

 

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