社内周知に「人VSロボット」の動画を活用
――WinActorの展開で工夫した点を教えて頂けますか?
澁谷氏 まずはRPAというものを社内で広く正しく知ってもらうことが絶対に必要だと思いました。RPAを導入
した当初、全社に自働化 ※1したい業務のアンケートを取ると、ある部門から「RPAで草刈りをしてほしい」と
いう要望が来たことがあり、ロボット=なんでもできると思われていました。
そこで、全社員に配布される社内報や、社内ポータルサイトにRPAの紹介記事や最新ニュースを載せるなどの工
夫をしました。
その中で最も効果があった取り組みは「動画」※2です。RPAに少しでも興味を持ってもらうために、「人VSロ
ボット」でどちらが早く業務を完了できるかという動画を社員食堂で昼食時間に流したところ、後日行ったアン
ケートで「食堂の動画でRPAのことを知った」という回答が多く見られました。
また、最近では社内ポータルサイトにRPA専用ページを作成し、全ロボットの実行状況が見えるような活動も行
っています。
※1 トヨタ生産方式での不良品を造らない、人を機械の番人にしないといった「ニンベンのついた自働化」の考
え方(NTTデータ社 WinActorアンバサダーコラムVol.2参照)
※2 文中の「人VSロボット」の動画 『RPA啓蒙動画(#3 人VSロボットIPPON勝負)』はこちら
RPA推進で「みんなの仕事を楽にする」
――トヨタ生産方式にお詳しいと聞いておりますが、製造業の企業にとって参考となる自働化の
考え方や取り組みはありますか?
澁谷氏 「トヨタ生産方式」と「RPAの推進」、一方は現場の生産活動、一方は事務作業の自働化で、一見共
通点が無いように思われるかもしれませんが、どちらも「みんなの仕事を楽にする」という点が同じなのでは
ないかと思っています。
日本の製造業にはカイゼンの文化があります。カイゼンの三原則と言われている「ヤメル・ヘラス・カエル」
を当社ではRPA展開の前提として全社展開しました。今の業務をそのまま自働化するのではなく、まずは業務
の棚卸をしてその業務自体をヤメられないか、ヤメられないのならヘラせないか、もうこれ以上ヘラせないの
なら方法をがらっとカエられないかという目線でしっかりと観ます。ヘラス・カエルという部分にWinActorを
活用することで、確実に非常に大きな効果を出すことができます。
また、トヨタ生産方式には「7つのムダ」という考え方があります。これを事務・技術作業に置き換えて、ムダ
を即座に見つけて、徹底的に無くすという観点や気持ちをWinActorと連携してタッグを組んで社内展開してい
くというのが非常に重要かなと思っています。

澁谷氏 実験部門の事例ですが、製品の評価をレポートにまとめる業務にWinActorを導入しました。導入前は担
当者がそれぞれ独自の方法でレポートを作成しており、このままでは自働化できないので、その部署のキーマンが
部署のみんなを集めて、どうすればRPA化できるのかということを考えました。まずはレポート作成方法を1つに統
一し、ムダな業務を全部なくした上で、WinActorで自働化したという事例です。結果として今でも社内で一番効果
の出ている事例になっています。

――最後に、皆様にメッセージをお願いします。
澁谷氏 トヨタ生産方式では「カイゼンした今が一番悪いと思え」と言います。カイゼンに終わりなし、と
いうことです。同じようにRPA推進にも終わりがありません。みんなの仕事を楽にする、このみんなという
部分は、私は、身近な社員だけでなく全人類のことだと思っています。ぜひ私たちと一緒にWinActorを楽し
く取り組んでいきましょう。
※2022年4月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。
※「WinActor」は、NTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。